テラーノベル
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絃葉「…よいしょっと!!…一旦これでいいかな?」
僕は持てる分だけの本を、周囲の瓦礫の下から取る。
そして取った本の内容から、その辺りが何系の本が置いてあった場所が把握する。
絃葉「この辺りは小説系かな?…」
そんな感じの作業を繰り返し科学系統や分質について書いてある本を探す。
絃葉「これは違う。……………この辺りも別系統だな……あっ…これ科学の本だ!!」
僕はその本が落ちていた場所の周囲の瓦礫をどけて、科学系統の本を拾っていく。
絃葉「…あっ…これ読んでみよっかな…」
面白いタイトルの本を見つけ、その本を読み始める。
【信頼された科学の不完全性】
そして僕は本を開く。
絃葉「…うわっ…霞んでて読みづらいな…」
そう思いながらも読み進めていくと、面白い事が書いてあるページを見つけた。
【科学というものは矛盾点が多すぎる。
一見すると1番まともで正しく感じてしまう。
しかし、蓋を開けてみたらどうだろうか。
宇宙の広ささえ、矛盾しているのだ。
広がっているというのに、無限だというのだ。
それだけではない。身近な事でもそうだ。
エネルギーの総量は一定らしいが生物は増え続ける。
なぜエネルギーを持つ生物は増える事ができるのか。
科学は全て間違っているんだ!とは言わない。
ただ、信じ切れる様なものなのだろうか。】
絃葉「…なるほど……」
少し難しい内容が書かれており理解しきるのは難しいが、今の部分に関してはなるほどなと思った。
この世界は原理がおかしいと思っていたが、意外と元の世界と今の世界は大差ないのかもしれない。
そんな事を考えながら次に見る本を探り始める。
絃葉「…あっ!これ見たほうがいいやつだ!」
【元素図鑑】
この世界の法則性を見つけたかったので、こんな感じの本を探していた。
絃葉「……ふむ…」
開くと元素記号とその特性について色々書いてある。
そしてページをめくるとどの物質になんの元素が含まれているか書いてあった。
絃葉「これで法則性を掴めるといいな…。」
そのまま少しの間本を読んでみると、消えている物質には共通点は見つからなかった。ただ、溶けた物質に共通点が見つかった。
絃葉「…たぶん、アルミ製のやつが溶けるっぽいな。」
最初はアルミが原因か疑ったが、クリップが溶けなかったため違うんだと思っていた。しかし、クリップの素材には鉄なんかが用いられる事が多いようだ。
絃葉「さっき見た自転車も鉄系のやつっぽかったし、溶ける素材はアルミで間違いないかな?…」
と考えたところであることを思い出す。
絃葉「そう言えば…アルミ缶は完璧には溶けなかったよな…。なんでだろ…?」
そう、アルミ缶は溶け出していたがアクセサリーの様に完璧には溶けなかった。
絃葉「ん〜…アルミが溶けている訳では無いとか?」
よくよく考えてみたらアルミ缶は塗装の部分が溶けていただけでアルミ自体はほぼ溶けていなかった。
頭の中でもう少し条件の幅を狭めてみる。
絃葉「もしかしたら“アルミ”じゃなくて“アルミ+何か” が溶けるのかも…?アルミ缶は“何か”の部分が少なかったから溶け切らなかった…とか?」
アルミが原因で溶けていることは間違いないと考えて考えを整えていく。
絃葉「とりあえずアルミ製の物は使えないって考えた方がよさそうかな?」
僕はそう考えをまとめたあと、別の本を探し始める。
絃葉「なんか歴史の本とか無いかな…?」
もしかしたら、これまでに起きた事例の中に今と似た事例が存在するかもしれない。
そんな淡い期待を抱いて僕は歴史の本を探す。
絃葉「…お?これ見てみよ。」
【本当に起きた世界の謎現象】
【この世界には未だ解明されていない謎現象が多数 存在する。そんな現象をいくつか紹介しよう。】
そして目次のページには現象名がズラッと書いてある
生物石化現象、湖消滅事件、月光炎上現象………
絃葉「う〜ん…今起きてるのと似てるっぽいのないっぽいな…」
想像はできていたがやはり過去にこんな事例はないようだ。そう思い本を閉じようとした時、ある現象名が目に入る。
絃葉「不可解大地震……そう言えば日記に地震が起きたって書いてあったな…」
字で見ただけでなく僕は残留思念の影響でかその地震を体験した。
少し気になったのでそのページを見てみる事にした。
【この現象は〇〇年に□□町で起こった現象だ。
突然地面が揺れ始め、大きな地震が起きた。
これだけだとただ単に地震が起きただけなのだが、
1つ不可解なことがあった。
それはその町のプレートに動きは無かったそうだ。
専門家による地震が起きた理由の憶測としては、
プレートの動きを感知する機械が壊れていて、
地震自体は普通にプレートにより起こった…
というのが現在の結論らしい。
しかし、機械はその後正常に動いていたんだって。】
絃葉「ふ〜ん…あんまり関係無さそうだな…」
関係は無さそうだがプレートが無くても地震が起きるというのは興味深い。
そんな事を考えながらまた次の本を探し始める。
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