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結局、涼ちゃんはそのままずっと眠り続けた。
外が暗くなっても、
玄関の鍵が開く音がしても、起きない。
「ただいまぁー!」
若井の声が、家に響く。
靴を脱ぎながらリビングを見ると、
ソファーに毛布をかけられたままの涼ちゃんが目に入った。
「……あ」
声を落として、そっと近づく。
しゃがみ込んで、顔を覗く。
規則正しい寝息。
若井は小さく息を吐いて、苦笑いする。
「……ごめんよ」
誰に向けたでもない声。
頭を軽く下げてから立ち上がり、
キッチンへ向かう。
「起こさない方がいいよな」
そう独り言を言いながら、エプロンをつけて夕飯の準備を始める。
しばらくして。
階段を下りる足音。
元貴がリビングに顔を出す。
「おかえり」
若井はフライパンを火にかけながら答える。
「おう」
元貴はソファーの方をちらっと見て、声を落とす。
「……まだ寝てるんだ」
若井が頷く。
「いつから寝てるの?」
その問いに、元貴は少し考えてから笑う。
「3時とか、笑」
「疲れてそうだったから、起こさなかった」
若井は一瞬だけ手を止めて、涼ちゃんの方を見る。
「……そりゃそうだわ」
再び調理を続けながら言う。
「全部一人でやってたんだろ」
元貴は小さく頷く。
「多分」
二人とも、それ以上は何も言わなかった。
キッチンから聞こえる調理の音と、
ソファーで眠る涼ちゃんの寝息。
その二つが重なって、
家の中は穏やかな夜の空気に包まれていた。
おいおい読むだけでそのボタンはあまり押さないんだね🤨まあいいやいいや( ᐛ )