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세나
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アテンション!!
・ネームレス固定夢主。
・男子側視点のみ。
・その他過去捏造有り。
リクエストありがとうございます!
引き続き、キャラのリクエストくれたら書きます!
よければコメント欄にお願いします!
ハッキリ言って、仕事の付き合いで来る夜の店ほど面倒なものはない。
「いや〜、黒尾くんは本当に気が利くねぇ!」
「とんでもないです。部長のお話が面白いので、ついお酒が進んじゃいますよ」
「ほんっと、君は口が上手いねぇ!」
ネオンがぎらつくキャバクラのソファーの端で、俺は完璧なビジネススマイルを張り付けていた。
日本バレーボール協会という肩書きを背負っている以上、取引先の上司やクライアントの接待も仕事のうちだ。
内心では「あー、早く帰って安いビール飲んで寝てぇな」なんてことを思っているが、そんなことを言える訳もなく。
煙草の煙と香水の匂いが混ざり合う空間で、必死に愛想笑いを顔に貼りつける。
適当に相槌を打ちながらも、腕時計に目をやろうとした、その時だった。
「失礼します。ヘルプ入らせていただきます」
よく通る、けれど少し緊張を含んだ声が耳に届いた。
いつもなら顔すら上げない。
どうせ似たような女の子が座るだけだからだ。
けれど、その声には、俺の記憶の奥深くにこびりついて離れない強烈な既視感があった。
ピキッ、と脳裏で何かが弾ける音がした。
ゆっくりと顔を上げる。
………嘘だろ。
グラスを持ったまま、俺の指先が完全に凍りついた。
俺の隣に座ったのは、高校時代の片思いの相手だった。
高校時代のしっかり者な姿からは想像もつかない、大胆にデコルテが開いたドレス。
綺麗に巻かれた髪。
少し濃いめだけど、周りの子と比べれば上品に見えるメイク。
〇〇も俺と目が合った瞬間、文字通り息を呑んで目を見開いた。
けれど、そこはプロの場所だ。
彼女はすぐに営業用の笑顔を作り、「お疲れ様です、お飲み物何にされますか?」と隣の部長たちに挨拶を始めた。
………おい、ちょっと待て。
なんでお前がここにいる。
なんでそんな格好をしてる。
ガチャン!とテーブルにグラスを置く音が、自分でも驚くほど大きくなった。
隣の席で〇〇がビクッと肩を揺らす。
胸の奥から、経験したことのないようなドロドロとした焦りと、猛烈な不快感がせり上がってくるのが分かった。
幸い、部長達は別の派手な女の子に夢中になり始めている。
「……ちょっと待って。お嬢さん、人違いならいいんだけどさ」
そう話す俺の声は、酷く低くかすれていた。
「俺の高校時代の可愛い後輩にそっくりなんだけど」
「………黒尾先輩、 なんでここに……」
戸惑ったような表情を浮かべながら、俺を見上げる〇〇。
「それはこっちのセリフ。何その格好。なんでこんな危ない場所で働いてるわけ?」
「………貯金したくて。夜職って時給いいので」
目を泳がせてそう答える彼女。
「…… あのさぁ。貯金したいからってキャバじゃなくても良くない?」
「………それはそうですけど……。でも、別に変なお客さんとかいないし!大丈夫ですよ!」
心配性な癖に変な所だけ強気なのも相変わらずだ。
高校時代、俺がどれだけその性格に振り回されたか、彼女は理解していないらしい。
その無防備さに、心底腹が立つ。
「………大丈夫な訳ないだろ」
〇〇の手を、俺はテーブルの下で周囲から見えないように、強い力で握りしめる。
離す気なんて毛頭なかった。
「……駄目。全っ然駄目。俺、自分が思ってたより器ちっちゃいわ。他の男にお前がそんな格好してるとこ見せんの、マジで無理」
ハッと自嘲気味に笑う。
余裕なんて元々なかった癖に、何今更カッコつけてんだ。
カッコつけてたのも格好悪いし、それを突き通せなかったのはもっと格好悪い。
「金が必要なら俺がいくらでも稼ぐから、今すぐ辞めて 」
〇〇の耳が、心なしか赤くなっているように見えるのは、気のせいじゃないはずだ。
俺は彼女の瞳から視線を逸らさないまま、有無を言わさないトーンで告げる。
「……っていうか、辞めさせる。明日から一生俺の隣にいて。これ決定事項」
誰よりも幸せにするから。
そう付け加えると、彼女は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
照れた顔も可愛い、なんてバカな事を思いながらも、ここで再会できた喜びを、俺は静かにそっと噛み締めるのだった。
コメント
3件
読了しました!再会の場面設定がもう胸熱すぎますね…。キャバクラで働く元同級生と、接待で来ていた黒尾。あのグラスを置く音だけで彼の動揺と怒りの大きさが一発で伝わってくる描写、めちゃくちゃ上手いです。テーブルの下で手を握るところから「辞めさせる。明日から一生俺の隣にいて」の流れ、強引だけど黒尾だからこそ成立する熱量があってグッときました!続きが気になる…!