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年が開けて俺たちは一緒に初詣に来ていた。 今年も一緒に年を越そうと若井は俺の家に泊まってそのまま朝から近くの神社へ向かうとお賽銭を入れて2人で静かに手を合わせた。
「···元貴は何をお願いした?」
「え、んっと、若井も俺も健康に1年過ごせますようにって」
それと、今年もたくさん一緒にいられるようにってお願いした。
「若井は?」
「俺は元貴と一緒のクラスになれますようにって。2年は修学旅行もあるから絶対一緒になりたい」
「俺も!あ〜どうかお願いします!」
神様は願いを聞き入れてくれたようで、2年になってクラスが一緒だったことがわかった時には2人で思わず神様ありがとう、なんて手を合わせてしまった。
こうして俺たちの高校生活2年目は嬉しいスタートを切った。
2年になって俺たちは勉強と若井はサッカー、俺はバイトと忙しくあっという間に夏を迎えた。
「今年は海に行く暇もないな···」
久しぶりに若井が俺の部屋に来てそう愚痴を溢した。
部活を終えて明日は開始が遅いからって夕方から泊まりに来てくれている。
「バイトもサッカーも体力使うね···」
俺のベッドで寝転ぶ若井の隣に俺も倒れ込む。久しぶりに若井に会えてしたいことはたくさんあるのに思わずウトウトしてしまう。
「花火くらい行きたいのに週末も試合かぁ···」
「花火···ある」
「え?」
そういえば、バイト先のスーパーで帰りに思わず買ったんだった。
いつか若井と出来るかもしれないと思って。
「今日する?」
「やったぁ、したい···けどちょっとだけ···寝る···」
体力の限界だったのか若井が静かになったかと思うともう眠ってしまっていた。
「疲れてたのに来てくれたんだよね···」
日焼けで色が抜けて少し茶色い髪に手を伸ばす。久しぶりの2人きり、若井は隣で無防備に眠っている。
「お疲れ様···」
ごめん、と心の中で謝ってからそっとその唇を奪う。
思えば文化祭の時、若井がしつこい俺にふざけてキスしてきた以来、久しぶりのキスだった。
俺はドキドキして、身体が熱くなってキス以上を求めて思わず若井の規則正しく上下する胸元に手を伸ばす。
そして起こさないようにそろりと撫で、胸、お腹···そして下半身へと手を伸ばし、ベルトの下あたりをそっと撫でた。
(やばい···っ)
触れたことのないところ、服の上からだけど若井のものの大きさを感じで俺は思わずトイレに駆け込んだ。
そして若井を想像しながら1人でシてしまった俺は罪悪感に苛まれた。けど俺もそういう年頃なわけで、若井のことをそういう対象として見てしまっていると嫌なほど自覚している。
若井もこんな気持ちになるんだろうか?でもその対象は俺じゃないんだよな、と思いながら少し離れて椅子に座り若井が起きるまでその寝顔を見つめていた。