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※「:」これで視点変更です
:「やぁピーター」
僕は固まった。何故かって?
恋人に無我夢中でホットドッグを頬張ってる姿を見られたからだよ。
「え、うぇ?!ほうひて、ふはーふふぁん?!(どうして、スタークさん?!)」
「急に来てすまないね。今からdateでもどうかな?」
「ええっ!だ、大丈夫ですけど…どうしていきなり?」
「会いたくなっただけなんだが、だめかね?」
:ひぇぇぇそういう事すぐ言うんだからスタークさんは…
しかもいつも素敵なスーツに身を包んでる上に色気がすごい。とにかくすごい。
「ち、ちょっと待ってて下さい!」
ベンチに降ろしていた腰を上げて家の方向へ走り去る。
家でバタバタと身嗜みを整え、トニーの隣に立っても不相応には見えないよう高級そうな服に身を包む。
「…よし」
:遠くの方からバタバタと足音が聞こえる。
今日は愛しの恋人に会いたくてたまらなくていきなり逢いに来てしまった。
申し訳ない事をしたと思うが、その分沢山奢ってやろうと意気込む。
「お待たせしました!スタークさん!」
あぁ、お洒落してくれたのか…
幼い可愛い顔に少し合わない高校生にしては高級そうなスーツに身を包む愛しい恋人。
全てが愛おしく感じてしまうな
そんなことを考えながら2人手を繋いでモールへ入っていくのであった。
:(スタークさんが急に会いに来てくれるなんて!本当にHappyだ)
キッチリとした見た目と反して緩んだ顔でトニーを見上げるピーター。
:(!!!)
見られた。緩んでる顔をガッツリ見られてしまった…恥ずかしすぎるよ!!
誤魔化すように「あそこに行きたいです!」と指さしたのはどこからどう見ても高級そうな服しかない店…終わった。どうしようあんな高級そうなお店…無理だよ!!
「あそこに行きたいのかい?」
「えっとあの、や、やっぱりあっちで!!」
次に指さしたのはスポーツ用品店。
あぁ!これなら大丈夫だ!
「分かった。では行こうか」
無事に入店し、ピーターがはしゃぎながら
一人で色々な用品を見ていると
「お兄さん、今1人〜?お茶しない?奢るよ♡勿論それ以上の事も…♡」
「私も私も♡大勢でのプレイもいいんじゃない?♡」
1人になったトニーの周りに群がる女性達。
ピーターは未だ気づかず、呑気に鼻歌を歌いながらシューズを見ているが、「お兄さん名前教えて♡へぇ〜トニーって言うんだ?」
という一言が耳に入った途端バッと顔を上げ、辺りを見回したが余程スポーツ用品に夢中だったのか見つからず 焦って走り出す。
やっと見つけたと思ったが、そこにはトニーに群がる女性達と満更でもなさそうに見えるトニーが居た。
女性達は話しかけるだけではなく、手を握ったり頬にキスしたりなど行動はエスカレートして行くばかり。
ピーターは両の眼から溢れる雫に自らが気づかぬ儘走ってスポーツ用品店から逃げるように退店した。
そんなことは露知らず、トニーは困り果てていた。
:(どうしようか…この中には仕事に関わっている人も居るから無闇に断れん でも幸い相手は此方の顔を知らずに話しかけて来たらしい。しかし…)
頭から煙が出る程考え込むトニー。
そこでトニーはやっと気づいた。
「私には恋人がいるのでね…すまないがこの話は無しにしてくれるかな?」
と言うと女性達は恋人がいるなら…と渋々といった様子で散り散りになって行った。
やっと解放され、辺りを見回してピーターを探した。
しかしそれでも見つからず、店員に聞いたり大きな声で呼んだり最大の努力でピーターを探しているトニーを横目にピーターはちくちくと存在を主張する胸を誤魔化すようにその場を去った。
:(スタークさんもやっぱり女の人の方が良いんだ!!…そうだよね、男の僕は妊娠できないし本当にスタークさんを満足させてあげられない。)
走って逃げた先に偶々あったカフェで珈琲を頼み、落ち込んだ様子で手を付けようとしないピーターを周囲の人はイラついた様に見る人もいれば心配そうに見る心優しい人もいた。
(…帰る)
ゴクリと丁度よく冷めた珈琲を一口で飲み、会計をして帰路に着く。
帰り道、朝会った公園ではホットドッグ屋が店を畳もうとしていた。
(もうお店を畳むの?早いな)
と思い時計を見れば時刻は18時をさしていた
ピーターは時計を見て焦って帰宅した。
家に着くと何やらドアの前に人が居る。
(誰だ…?)
ピーターはスパイダーマンとしての人生をスタートしてから色々な組織やヴィランに狙われているので家の情報が知れ渡っているのかもしれないと思い、相手の死角からゆっくり近づいた。
「誰だ」
低い声で相手を威嚇する。女子みたいな声と言われた事は気にしてないよ…本当だよ!!
刹那、ピーターは目を疑った。
:あの後すぐにピーターを追いかけたが結局見つからない内に夜になってしまった。
そこでトニーはピーターがもう家に帰っているかもしれないと考えて、花屋でブーゲンビリアの花束を見繕ってピーターの家へと向かった。
数分待った所で
「誰だ」と言われ振り向くと、そこには警戒しているピーターが居た。
目が合うとピーターは警戒心を解き大層驚いた様子で元々大きい目を更に見開かせた。
そこでトニーは今謝らなければならないと考えて花束を両手に地面へ片膝をついた。
「君を放ったらかしにして済まなかった。
言い訳を言いたいわけじゃないが、実は相手に会社の事業に関わる重要な役割の女性がいて断りづらかったんだ。でも大事な恋人が居ると言って切り抜けたんだ。本当に済まなかった。」
トニーは自分でもめちゃくちゃな事を言っていると思ったが、この機会に全てを言わなければもう仲直りは無理かもしれないと柄に合わず焦っていた。
:正直スタークさんには怒ってない。なのにスタークさんは僕に謝ってきてくれた。
僕って最低だよね…
本当は嫉妬してたんだ。僕だってあんなに簡単にスタークさんの頬にキスをしたことなんてないし、しかもあんなに軽々と手を繋いだこともないのに。
女の人達が羨ましくてずるいと思っちゃったんだ。
「…スタークさんは悪くないです。僕が勝手に歩き回って勝手に嫉妬してその上逃げて…ごめ、んなさい…!嫌いにならないで…!」
ぽろぽろと溢れる涙を無視して必死にトニーに懇願する。
:目の前にいる愛しい恋人はなんて健気で純粋なのだろう。悪いのは全て私なのに何故この子は謝り、嫌いにならないでと懇願するのだろう?私がピーターを嫌いになる訳がないのに。
「…嫌いになんてなる訳ないだろう。寧ろ嫌われるべきなのは私だ。その…こんなことがあったばかりなのに駄目だとは思うが、今から明日の昼頃まで君をエスコートさせて貰えないかな?」
ピーターを辛い目に合わせてしまったのにこんなことを言うなんて。自分の事が熟いやになる。
:え?今スタークさんはなんて言ったの…?今から明日の朝までエスコート…??
あんな事言った僕をまだ好きでいてくれるの…?そんなの喜んでエスコートを受けるよ…!
「…もちろんです。素敵な夜にして下さいね。それに…これからは1番は僕が良い…です」
わぁぁぁーーー!!!言っちゃった!!!
恥ずかしい…けど、本音だから拒絶しないで欲しいな…
:全く…どこまで小悪魔なんだこの子は。
「当たり前だろう?今日はすまなかったな。これからは…いや、これからもピーターは私の中で1番の宝物だよ。 さ、行こうか?my honey?」
次の日のニュースで大金持ちの社長と幼い青年がホテルから出てくるのが話題に上がったそうな。