【shp side】
総統「そうか…いったん保留か、つまらない」
総統の声が聞こえる。
きっと、部屋の前で総統が話しているんだろう。
俺は、あの晩、S国の兵士に連れ去られた。
恐怖のあまり、インカムに手を出す事も出来ず、俺は助けを求める事が出来ないまま、連れ去られてしまった。
そして今、俺はある部屋に閉じ込められている。
鉄扉は外側から鍵がかけられており、内側からは開ける事が出来ない。
窓のところには鉄格子が取り付けられており、逃げる事は出来ない。
つまり、俺は今度こそ脱出不可能になってしまったのだ。
ガチャッッ
扉の音と同時に、総統が部屋に入ってくる。
少し身構えるが、前のように暴力を振るったりする気配がなかった。
総統「良かったな、まだお前は生きる事が出来るぞ」
そう告げられる。
総統は俺の立場を見て、楽しんでいるようだった。
shp「……別にもう○してくれてもいいんですけどね」
俺が言うと、総統はこちらを見下した。
総統「お前がW国に拾われてくれて助かったよ」
「まさかこんな簡単にW国を抑える事が出来るとは思わなかった」
「役立たずでも出来る事はあるものだな」
「役立たず」という言葉に胸がきゅっと締め付けられる。
少しの間でもW国で優しく接してもらっていたからだろうか。
自分の心が傷つきやすくなった気がする。
総統「まぁしかし条約などはまだ保留の状態だ」
「裏切られないといいな」
総統は楽しそうに笑って、部屋を出て行った。
shp「……あの人らは俺を裏切ったりなんかしない…」
…最初はあんなに信用できなかったのに、いつの間にか俺はあの人たちを信用してしまっていた。
きっと、あの人たち一人一人の魅力にひかれていったんだろう。
でも、本当に助けに来てくれるとは限らない。
信用はだいぶ大きくなったが、完璧に信用しきっているわけではない。
宣戦布告をしたら俺の首を飛ばす、という脅しがあるようだ。
自分たちの国を守るために、俺の首を使ってくれてもいいんだけどな…
でもやっぱりどこかで助けを求めている。
もし、助けに来てくれたその時は……うん、そうだな。
この国から逃げて、あの軍に………。
コメント
6件
見るの遅れたぁ、😭今回も最高やぁ😭ずっと勘当出ないでばっかりやぁ😭
続き楽しみです!