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『妖様へ願事』〜人を呪わば穴二つ〜
第一章 『哀れな少女の願い事』
第四話 ジカンギレ
私はただ歩き続けた。あの日と同じ場所まで。
チリンチリンッ。
鈴の音が鳴り、無数の赤い鳥居と彼岸花が現れる。
『ヤヨイ。時間よ。ここに来たということは貴方…。』
『……死ぬ覚悟は出来ました。』
『…!』
『どういうことです?我が主は母親の命か妹君の命をどちらかか選んでと言ったはず。我が主の命に背く気ですか?』
『どうなるか分かってるよな?』
『私は、妹の命も、母親の命も奪わなかった。妹には生きていて欲しい。母親とは先程縁を切って来ました。もう、金輪際関わることはありません。私の命は差し上げます。だから、お狐様――!』
私は床に突っ伏した。
『私の命と引き換えに…っ!妹を治してください!』
『…!!』
『人間ってのはどこまでも欲深いねェ。なぁ?ユーハン。』
『えぇ。愚かですね。お狐様。こんな者の言葉など――。』
『お黙り。』
その言葉で当たりが凍るように冷たくなる。
『お狐様、しかし…』
『ユーハン。おだまりという言葉が聞こえなかったのかしら。』
『…失礼致しました。』
『本当……面白いわね。貴方。いいわよ。それでこそ人間だもの。欲に終わりがない。けど、いいのね?私と契約した貴方は…天国には行けない。人を呪わば穴二つ。地獄に落ちる。それでもいいの?』
『……構いません。私の命と引替えに…妹が…クレハが生きているのなら。』
『…いいわ。じゃあ…その薬をお飲みなさい。』
『!』
『効果は知ってるわね?飲めば心身を蝕む。』
『…妹を失う痛みに比べたらこんなもの……っ!』
ゴクンッ。
その時、全身が焼けるような痛みに襲われる。
(これでいい。クレハ――ずっと一緒に居られなくて、ごめんね――。)
私は涙を流す。
『……さん。ヤヨイさん!』
『え…?』
(ここ、病院……?なんで…。)
『クレハちゃんの手術、終わりましたよ。』
『え!?クレハの、手術!?』
『はい。手術は成功しました。もう大丈夫です。』
『え…っ?どうして、私……。』
(私の命と引替えに妹を治してって頼んだのに…。)
クレハが手術室から運ばれてくる。
『クレハ…。』
『今は麻酔で眠っています。もう大丈夫ですよ。妹さんは元気です。明日には退院出来ます。』
『っ……。良かった、良かった…っ。』
私は床に膝をつき涙を流す。
病室
『ん…お姉ちゃん…。』
『クレハ…!』
『私、生きてる…。お姉ちゃん…』
『うん、生きてるよ、これから色んなところ一緒に行こう?行きたい所、食べたいもの、全部……!』
『うん、うん…っ!』
お姉ちゃんに寄り添い涙を流す。
次回
最終話 バッシテコロサズニ
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#願いを叶える
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コメント
5件

どうなっちゃうんだろうとハラハラしてたけどお狐様ぁ! 最終話が待ち遠しいです! 待ってます!(*´ω`*)😆
ぁ〜〜〜〜読んだ読んだ!!😭💦💦💦 ヤヨイの「私の命と引き換えに妹を治して」って台詞、マジで心臓ぎゅーってなったよ…!! お狐様の「人間ってのはどこまでも欲深いねェ」からの流れ、神すぎるでしょ…ッ クレハが無事で良かったけど、ヤヨイの体はどうなっちゃうんだろう…次回タイトル「バッシテコロサズニ」って何コレ怖すぎるんだけど!待ちきれないよ〜〜!!🌸🔥