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『妖様へ願事』〜人を呪わば穴二つ〜
第一章 『哀れな少女の願い事』
最終話 バッシテコロサズニ
神社の形を模したお屋敷ここが私達の住むお屋敷。人間の気配がした時は赤い鳥居をくぐり、彼岸花が咲き誇る道を歩く。
私は彼岸花が咲き誇る部屋で1人、彼岸花の手入れをしていた。
『……。』
ボワッと狐火を灯してヤヨイ達の様子を見る。
『どういう風の吹き回しだ?』
『ボスキ…何かしら。』
『どうしてあの女から代償を取らなかったんだ?』
『……。』
『同情か?それとも気まぐれか?』
『…妹に罪は無いのよ。ただ、その身体で生まれてしまっただけ。ただ生まれてきただけなのに、人生まで縛られてしまうだなんて可哀想じゃない。ヤヨイの命を奪ったら妹は1人になってしまう。だから生かした。それだけよ。』
『要するに情けをかけたんだな。』
『クスッ。勘違いをしないで頂戴。彼女は死んだら地獄に落ちるわ。』
『!』
『胸に刻んだ刻印は私との契約の証。それを刻まれたら地獄行きは免れない。例え人を呪おうとしなくても。私と契約した代償は伴うわ。地獄に落ちる未来が決まっているのなら、生かして妹の傍にいる方が妹の為よ。』
『くっ、あははっ!残酷なことをするんだな。だって、束の間の幸せを楽しませた後地獄に落とすんだろ?』
ボスキは私の髪を掬い、そっとキスをする。
『残酷かつ冷酷…それでこそ俺の認めた主だな。』
『…気安く触れないで。』
ふわっと髪をなびかせる。
『これは失礼。』
『でも…お腹が減ったわね。妖にとって空腹は人間の魂でしか癒せないもの。はぁ…退屈。』
『それなら人間界にいけばいい。ここは彼岸と此岸の狭間。屋敷から出て鳥居を潜れば人間界なんだからな。喰い放題だぞ。』
『嫌よ、面倒臭い。私は狐様よ。なんでわざわざ食糧を探しに自ら行かなきゃいけないのかしら。』
『全く、ワガママなお狐様だ。』
『心配しなくてもすぐにまた来るわ。
私に願いを乞う愚かな人間がね。』
私は着物をたなびかせ、部屋を後にする。
縁側
『…同情…そんなんじゃないわ。ただ私は…。』
ギュッと拳を握り締める。
『お姉ちゃん!見て!桃の花が沢山!』
『本当だ…綺麗だね。』
『うん!きゃはは!』
クレハが桃の花を見てはしゃぐ。
(本当に、良かった。クレハが元気になって。)
『お姉ちゃん、ずっと一緒にいようね。』
ごめんね、その願いは叶えてあげられない。
だって、私は――
私は胸元に触れる。
禁忌を犯してしまったから。だから、今だけは…。
『お姉ちゃん?』
『…クレハ、大好き。』
『うん!私もだよ!お姉ちゃん!』
この子の傍にいたい。
第一章 『哀れな少女の願い事』
〜完〜
次回
第二章『欲まみれの願い』
第一話 ミッツノノゾミ
コメント
3件
ああ、読んだ読んだ…!第一章、これで完結かあ。最後の妖狐様の「束の間の幸せ」を許すって言い方がめっちゃ残酷でゾクゾクしたわ。刻印はもう刻んであるから地獄行きは確定、でも妹のためには生かしてやるって…その非情なロジック、好きだわ。ラストのヤヨイの「大好き」に込められた切なさが刺さる。禁忌って何かも気になるし、続きの第二章楽しみにしてる🔥
ぷち
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#願いを叶える
ぷち
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