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誰かに、愛されたかった。
どんな愛でもいい。
ただ俺がどんなに愛してなくても、それでも「愛してる」と言って欲しかった。
そんな我儘で、不確かな俺の願いは自分ですら嫌になるほど膨れ上がっていった。
だから、それを満たしてくれる人とずっと一緒にいたい。
うた「あ〜、どっかに可愛い女の子が段ボールに入って捨てられてねぇかなー」
はるてぃー「そんな漫画みたいな事あるわけないでしょ····」
はるてぃー「····可愛い女の子じゃないし、段ボールにも入ってないけど、うたくんのことが好きな俺ならここにいるよ?」
うた「何急に。きも」
はるてぃー「ひっど!せっかく可愛い彼女がアピールして誘ってあげてるのに!」
うた「あれで誘ってるんならお前感性おかしいぞ」
はるてぃー「はい、もう傷つきましたー!もう一生うたくんと話しませーん」
うた「ごめんごめん。はるてぃーくんはカワイイヨー」
はるてぃー「適当!」
はるてぃーとは恋人だった。
デートにも行ってないし、好きもそんなに言ったことなかったから、正確にはセフレに近かったかもしれない。
けれど、はるてぃーが「愛してる」と言っていたので恋人になった。
別に付き合ったって何も変わらなかった。
勝手に俺の部屋に来て、だらだらと話す。
強いていえば、偶にそういう雰囲気になるくらい。
うた「あ、もうこんな時間だしお前帰ったら?」
はるてぃー「えー、止まってっちゃ駄目?」
うた「駄目に決まってんだろ。さっさと帰れ」
はるてぃー「はーい。ばいばいうたくん」
うた「じゃーな」
はるてぃーが俺の部屋から出ていくのを見送ると、スマホに視線を移す。
流れるように、はるてぃーとのトーク画面を開く。
はるてぃーからの一方的な愛を眺めながら満足感を得る。
最近の日課だ。
俺から送ることはほとんどないけれど、はるてぃーは毎日飽きないのかと思うほど愛を綴っている。
それが好きで、はるてぃーとの関係を続けてるまである。
はるてぃー「うたくんさ、」
うた「なに〜?」
はるてぃー「俺のこと好き?」
うた「····好きだよ」
いきなりどうしたのだろうか。
そう考えてすぐに一ヶ月に一回はある恒例のイベントであったことを思い出す。
はるてぃー「じゃあなんで、こういう時しか好きって言ってくれないの?」
面倒くさい。
俺にそんなこと求めないでほしい。
うた「···俺が言うの照れるから///」
はるてぃー「····そうだよね!うたくん可愛いーw」
うた「うるせぇな///!」
簡単に騙される。
俺のことを愛してるから好きじゃないなんて可能性を考えたくないのだろう。
俺に盲目な所も俺への愛が伝わってきて心地よい。
はるてぃー「じゃあこれからはちゃんと言ってね?」
うた「はいはい。気が向いたらな」
はるてぃー「一生向かないやつじゃん。」
誰かに愛して欲しかった。
どんな愛でもいい。
俺に「愛してる」と言ってくれるなら。
だから、はるてぃーは一生言い続けてね。
はるてぃー「愛してるよ、うたくん」
そしたら、俺はずっとはるてぃーの傍にいつづけてあげるから。