テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
昔から、誰かを探してまう。
それが誰なのかは、分からない。
その人に会えたら、この心の穴は埋まるのだろうか。
そんな事を考える度に虚しく思う。
だってこの先俺はその人に会えないと本能で分かるから。
たくぱん「····はるてぃー?」
はるてぃー「!····な、なに? 」
たくぱん「なにって····はるてぃーが呼んだんじゃん」
はるてぃー「え、あ!そうだった!ごめん、ぼーっとしちゃってた」
たくぱん「大丈夫?体調悪いの?」
はるてぃー「ううん、大丈夫!」
たくぱん「そう?じゃあいいんだけど····」
たくぱんといると、少し満たされる気がする。
心配そうに俺を見るたくぱんは、とてもかっこいい。
·····俺が探してる人もかっこいいのだろうか。
最近そんな事ばかり考えてしまう。
恋人といるのに、誰か分からない人のこと考えるなんて最低だな。
たくぱん「結局用事ってなんだったの?」
はるてぃー「あ、そうそう!たくぱん土曜日空いてる?」
たくぱん「うん」
はるてぃー「じゃあ水族館行かない?この前無料で入れるチケット当たったんだ!」
たくぱん「へ〜いいね。じゃあ明日〇〇駅集合で行こっか」
はるてぃー「うん!」
はるてぃー「エイって下から見るのと上から見るので全然違うよね」
たくぱん「そうだね」
はるてぃー「エイもギャップ萌え狙ってるのかな」
たくぱん「なにそれw」
光が反射して、水族館が青色に染まっている。
水族館は、綺麗で好きだ。
とういうより、青色が結構好き。
なんでかは分からないけど。
やっぱり綺麗だな、と思いながら隣を見ると、やはり水族館の光に当てられた綺麗な顔がそこにある。
はるてぃー「ねぇ、たくぱん」
たくぱん「ん?なに?」
はるてぃー「前世とか来世って信じる?」
たくぱん「前世?それここでする話w?」
はるてぃー「確かに、ごめん····」
たくぱん「まぁでも俺は信じたいかな」
はるてぃー「なんで? 」
たくぱん「だって死んだら一生会いなくなるなんて嫌じゃない?俺はちょっとでも
会える可能性があったほうが嬉しい」
はるてぃー「そっか」
たくぱん「来世で記憶があることなんて低そうだけどね。あ、でも本能で刻まれた
ことくらいなら少しくらい覚えてるかもしれないね」
はるてぃー「···確かに」
たくぱん「はるてぃーは信じてるの?」
はるてぃー「たくぱんの話聞いてたら信じ始めちゃったかも」
たくぱん「そっか」
はるてぃー「てか魚見てたらお腹空いてきちゃった」
たくぱん「え?食用として見てたの?」
はるてぃー「違う違う!もう1時だから!」
たくぱん「あーそう言えばそうだね。じゃあもう大体見終わったし外出てなんか食
べる?何食べたい?」
はるてぃー「魚かな」
たくぱん「やっぱ食用として見てたんじゃんwまぁいいや。じゃあ外出ようか」
はるてぃー「うん!」
昔から、誰かを探したてた。
でも、もう見つからなくてもいい。
うた「はるてぃー?」
はるてぃー「え?」
一瞬たくぱんが、誰か知らない人に見えた気がした。
いや、知らない人じゃない。
何処で見たかなんて分からないけど、俺は確かに知っていた。
でも別にどうでもいい。
会いたかった俺はきっと前世の俺の部分で、
今世の俺の部分じゃない。
はるてぃー「よーし!いっぱい食べるぞー!!」
たくぱん「ちょっ!走らないで!」
でもきっと俺が死んだら来世の俺は、誰かを探すと思う。
先程までの俺と同じように。
それを繰り返すのが、きっと前世も来世もある証拠だから。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!