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改めて、そういうことをする口約束的なものがこんなに恥ずかしいこととは思わなかった。
きっと今日は、坪井の前で赤くなってばかりの真衣香だけど。
その中でも一層頰が真っ赤に染まってしまっていそうだったので。
思わず「こっち見ないで、恥ずかしいから」と手を繋いで隣を歩く坪井に伝えてしまう。
すると、少し間をおいて。
「おーい、えー、何だよマジでやめて。それやめてピュア通り越して犯罪だからね〜」
坪井がわざと繋いでる手をブンブンと大げさに振りながら、言葉を返してきた。
「犯罪?なに、それ。子供相手にしてるみたいってこと?……けなされてる?」
真衣香が拗ねたような声を出すと「まさか!ロリコン気分味わってないし!」と、否定と驚きと、そして少し笑いの混じった声を上げた後で。
「あ、なんかわかったかも。お前ストレートに言わなきゃダメなタイプだ」と。
それはそれは愉快そうな笑い声が響いた。
「逆だよ、可愛いって言ってんの。お前って最中どんな感じなんだろうね〜」
「最中?」
「そ、セックス中。妄想だけはさせろよなぁ」
「せ!?せっ、せ!?」
突然の生々しい言葉に、赤くなってしまう。
それを見て坪井は悪戯っぽく口角を上げて、ニヤニヤと真衣香の反応を見ている。
と、いうよりも、楽しんでいるというべきか。
(嫌だ、こんなんでいちいち恥ずかしがってどーすんの……)
頬に熱を感じて、唇に力を込めた。
「あ、手熱くなった。照れてんの?」
「やっぱ、子供っぽいって思う?」
「気にするなぁ〜、だからさ可愛いと思ってるよ」
「な、何回も言われると疑っちゃう。冗談かなって」
「うわ、厳しい」と、坪井がまた笑い声をあげた。
そうして、手を引かれたまま少し歩くと駅前に出て、タクシーが何台も停まっている光景。