『』
「そろそろ行くか~」
「何処に?」
自分はコンタミにニッコリと笑いラミン達を集める。
「堕天使のとこともう一人のとこ」
「こんな時間に?」
コンタミは読んでいた分厚い本を閉じ立ち上がる。
「うん、そうだけど?」
みどりが部屋に入ってくるが眠たいのかあくびを連発している。
「あ、それじゃあみどりよろしく!」
パチン
暗く周りには木が生えており冷たい風が吹く。
「何これ?」
「ウエ?テレポートシタダケダヨ」
みどりが小さな体で宙に浮きながら進み出す。
「あ、これみどり君のやつね」と小声でぶつぶつとコンタミが喋りながらみどりについて行く。
「ここか~盛大に盛り上げてあげなきゃ、ねぇ?ラミン」
「ラー!」
「鍵は~…開いてると」
ガチャリと扉を開け一歩進むと床がきしむと同時に熱いだけど冷たい、何ともいえない空気が自分を包み込む。
「まぁここ立派やから金目のもんも貰おうかな~」
キィ…
「誰…?」
ランプを片手に持った小柄の人物が階段を恐る恐る降りてきた。
「おっと…すまんな起きてもうたか…」
「な、何する気なの」
深緋色の目がこっちを睨む。
「まっそんな怖がらんでもええよ?痛いのもすぐ終わるから」
ポケットからナイフを取り出し投げつける。
カコン…
「ほーん、避けたか」
「急に物騒な物投げないでよ!びっくりした…」
ランプを持った人物はいつの間にか天井に張り付いており目をまん丸にしてワーワーと弱音を吐いている。
紅蓮色の髪、深緋色の目はさっきまでとは違い黒い渦が巻いているように見える。
「こんな事他の所でやってほしいんだけど…まぁいいや、地獄に堕としてやる。悪い奴には天罰が必要だもん」
「ふん、そんなん要らんわ。何せもう堕ちとるからな」
ポケットからナイフを投げるがかわされる。
「そんなの当たんないよ、君天使でしょ?」
うさぎのように飛び回りながら逃げ回っている。
「天使…だったよ」
「堕天使ってこと?」
ふわりと翼を出す。
が、ぼろぼろ破けていてその傷は痛々しくリングは割れていた。
「俺はもう天使やない、やけど悲しいなんて気持ち一つも無い。好き勝手暴れるからなっ!」
人差し指を立て相手を指す。するとどうだろうか? まるで操り人形にでもなったかのように指を動かすたびに同じ方向に動く。
「くっ!」
勢いよく紅蓮華色の髪の人物が壁にぶつかる。
ドカァンッ!
「派手にやってんね~?」
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