続きです
『すみませんっ……、でもっ…でもっ!!』
『太宰さんが死ぬなんてっ……僕はっ……!』
『っ……!』
不安定な空中で太宰さんは確かに僕の頭を撫でた。
そして、強く抱きしめた。
僕の体を覆い、 守るように。
「ありがとう。でもね、」
「君はまだ死んじゃ駄目だ。」
「生きて、私の分まで。」
「そして、この世界を守って。」
震えた声。
こんな太宰さんの声を一度でも聞いた事があっただろうか。
涙を流す姿を見た事があっただろうか。
『太宰さっ……、』
「しくじっちゃ駄目だよ?笑」
太宰さんは僕の言葉を遮って云う。
「しくじったら、次会った時、」
「二回殴って、五発打つから…ねっ。笑」
太宰さんは冗談交じりに云う。
もうただ、泣く事しかできない。
太宰さんに抱きしめられながら。
地面が近付く。
終わりが近付く。
屋上から地面迄の僅かな時間。
この世界で、太宰さんと話したほんの少しの 時間。
地面と身体がぶつかる。
鈍い音がする。
人が集まる。
誰かの声がする。
そこで、僕の意識は途絶えた。
目を覚ますと、知らない場所だった。
左側に人がいる。
『此処は……、』
⌜芥川さんっ!⌟
⌜皆さん!芥川さんが目を覚ましましたよ!⌟
探偵社の皆が駆け寄ってくる。
⌜大丈夫か?⌟
⌜聞いた話によるとお前、屋上から落ちたって。それも、ポートマフィアの首領と。⌟
『……、』
それからの会話はあまり覚えていない。
どうやら僕はあの後病院に運ばれ、1週間ほど意識が戻らなかったらしい。
一通り検査を受け、異常がない事を伝えると
探偵社の皆はほっとしたような表情をし、
また来ると云って、去っていった。
あの時、僕は太宰さんに守られた。
あの時僕は太宰さんと死ぬつもりで飛び出した。
でも、太宰さんが僕を庇ったから、僕は怪我だけで済んだ。
太宰さんは僕と人虎にこの世界を託した。
恐らく、全ては織田作之助の為。
太宰さんがあの時云っていた‘’彼‘’とは織田の事だろう。
あの世界の記憶がある今だから分かる。
僕が生かされたのは僕ではなく織田作之助の為。
それでもあの時の「ありがとう」はちゃんと僕に向けられていた。
「生きて、私の分まで。」
「そして、この世界を守って。 」
あの時の太宰さんの言葉。
笑っていたが、涙を流していた太宰さんの顔。
鮮明に覚えている。
僕がやるべき事は一つ。
太宰さんが命をかけて守ろうとしたこの世界を守る。
それが自分にできる最大の事。
探偵社を抜ける事も考えたが、あの人が踏み込んだ光の世界も悪くない。
それに、今更仲間を裏切れない。
悪側に生まれた人間でも、いい人間として世界を守り、人を助け、そして、
いつかは銀を_。
窓から見える青空を眺めながら今はただ、
そう思う。
何か展開がハピシュガと似ちゃったな…笑
それと、
フォロワー様150人ありがとうございます!
いつものように漫画を描きたいところですが、課題がやばかったり、そろそろ学校が始まるのでやる事が結構あったりで描けそうにないのでまた次回にご期待を……。
最後まで見てくださった方、
ありがとうございました!
コメント
11件
あ゙あ゙あ゙あ゙太宰さぁぁぁぁぁぁぁ゙ん゙ッッッ!!!!!もう、本当に、涙だばーってなってる() やつがれぇぇぇぇぇ!!!生きろぉぉぉぉぉぉぉ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ(((( 私も後ちょっとで学校始まっちゃう……、課題も終わらない……、死んだ()