テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
(……これ、返したらどうなる?)
蒼真は可愛がる。
でもクォーツ組織は敵。
しかもGPS付きで放置されてたってことは——
「……捨てられた可能性もあるな」
誰かが冷静に言う。
僕は少しだけムッとした。
「捨てるわけないでしょ」
「?」
「この子、あの環境嫌がってる」
さっきの震え。
あれはただの迷子じゃない。
⸻
赤ちゃんオオカミは僕の胸に顔を埋めた。
「……ここ、いる……」
「……え」
「……いっしょ……」
完全に懐いた。
早すぎるくらいに。
⸻
「……はぁ」
僕はため息をつく。
でも、優しく頭を撫でた。
「……しゃーないな」
「しばらくうちで預かる」
「は!?いいのかよ!」
「いいよ」
即答。
⸻
「だって」
僕は少しだけ笑った。
「この子、もう僕のこと好きじゃん」
⸻
その夜。
クォーツ組織では——
蒼真が机を叩き壊していた。
「……どこ行った」
目は完全に狂気。
「俺の弟、どこ行った」
そしてその隣で、
凛が静かに笑っていた。
「面白いことになってきたね」