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音魅「ケンカ?したの?」
陸徒「うん、はぁやっちゃたな」
音魅「よくあるの?」
陸徒「ないよ、こんな怒鳴りあったケンカ中学の頃以来かな」
陸徒「…俺のせいなんだろうな」
陸徒「この前俺も中学の時クラスに馴染めなくていじめられてたって言ったの覚えてる?」
音魅「うん」
陸徒「そうなった原因は多分俺自身なんだ」
陸徒「俺は昔から相手が思ってる自分の姿になろうとする癖があってさ」
陸徒「もし相手が俺のことを、優しいくて清潔な人…みたいな感じだと思ってたら俺はそうなろうとしちゃうんだ」
陸徒「だから相手に話を合わせたりしてたんだ。そんなことやってたら気味が悪いなんて言われてさ」
陸徒「それでも俺はその時、『そっか』なんて言って自分から離れていったんだ」
陸徒「…俺には自分の意思なんてないんだろうな」
陸徒「今だって…こんな事話してるけど言い訳にしか思えない。俺は、本当の自分が分からない」
陸徒「…それに俺は自分から逃げたのに、人のせいにしたんだ。俺をこんな風にしたのはお前らだろって。そのせいで人を信じきれない。」
陸徒「俺は自分を変えたいって言ってあまり知り合いがいない高校を選んで、燈真やみんなついて来てくれた」
陸徒「それなのに俺がこんなんだから怒ったんだろうな」
音魅(重ねられても…なんて陸徒くんは言ってたけど、私なんかよりもずっと今を変えたいって思って苦しんでたんだ)
陸徒「でも、しょうがないだろ」
音魅「!!?」
音魅「陸徒…くん?」
陸徒「怖いものは、怖いんだよ」
陸徒「人が怖い、信じ切ることができない。これを変えようとしても…変えられない…」
陸徒「もうどうしたらいいか分かんないや」
音魅「…陸徒くんは、自分が好き?」
陸徒「嫌いだよ、いっそ消えちゃえなんて思うくらいに」
音魅「…どう言う自分が好き?少しでも自分の誇れるものってある?」
陸徒「ない」
音魅「私はね、陸徒くん。私は陸徒くんって凄く優しい人なんだと思うんだ」
陸徒「…そう見えてるー」
音魅「ううん、根から優しい人じゃないと私を助けようなんてしないでしょ?」
音魅「普通なら無視するんだよ。陸徒くんが話しかける前の私がそうだったように」
音魅「でも、陸徒くんが話しかけてくれて燈真に羅輝に柚璃が私を助けようって動いてくれた」
音魅「私が知ってる陸徒くんは行動力があって、優しくて、気遣いができる人」
音魅「それだけは揺るがない事実だよ。相手に合わせるのも陸徒くんが優しいからなんだと思う」
音魅「だから私は…そこを大切にしてほしい…な」
陸徒「……」
音魅「…だ、ダサいよね、ごめんね。急になんだよって感じだよね///恥ずかしい///」
陸徒「…音魅って凄いな」
音魅「す、凄い?」
陸徒「俺がこんなに悩んでたのに、それを解決してくれたんだから」
陸徒「うん、なんかめっちゃ落ち込んで言いたくないことも言っちゃったけど、音魅のおかげでスッキリした!」
陸徒「…ありがとう!音魅」
音魅「!う、うん。どういたしまして」
陸徒「そういえば聞きたかったんだけど、優真のことどう思ってる?」
音魅「どうって?」
陸徒「友達?」
音魅「うーん、柚璃がいるからなんとかなるけど、いなかったらちょっと気まずいかも」
陸徒「そっか」
音魅「?なんでちょっと嬉しそう?」
陸徒「別に。そういえば音魅もう俺らの前だとオドオドしなくなったな」
音魅「あ、話題変えた」
陸徒(俺はやっぱり音魅のこと好きだ)