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あれから少し経った頃に一通の連絡が入った
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KJside
[は、?なんなんこれ]
俺のスマホに連絡が入っていた
それは信じたくない、内容だった
《俺ね、乏突起膠腫っていうやつで手術して直して絶対に帰ってくるからね!》
めめからの連絡は嬉しいけど
内容があかん、なんやねん乏突起膠腫って
これって、他の人には言ってるん?俺だけ?あべちゃんには?しょっぴー達は知ってるん?
《めめ、どういうことや》
少したったぐらいに既読がついた
《ごめんね、》
この一言だけ、それ以外の言葉はこなかった
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[ふっかさん!!!]
大事な事だからなるべく早く皆に伝えようと思って走って、走って、ふっかさんの家にいった
普段は上がらせてくれないけど、今日だけはなにかを察したかのように招いてくれた
[これっ!めめからやねんッ]
【あ、…そっか】
【手術受けるんだね..】
[知ってたんか?]
【康二と亮平くん以外全員知ってる】
俺とあべちゃん以外?
[…なんでや]
【めめの口から話すって言われたから、】
[ッ、そうなんやッ]
【ッ亮平くんにも話そっか】
[それはめめの許可がないんちゃう?]
【いいよ、元々言うきはなかったと思うけどさ…言お?】
〈俺は嫌だね〉
[舘ぇ!]
〈目黒がそうしたいから、言ってないんじゃないの?〉
〈それを俺らが破るなんてヤダよ〉
【..ごめん、笑】
【頭冷やしてくるわ】
[あ、]
〈康二、お願いがあるんだけどさ〉
[なんや]
〈思い出アルバム的なの作らない?〉
[それって?]
〈康二が撮った写真を、目黒に送る〉
[ええな、]
__________
__________
『ふは、っ笑』
『康二なにしてんだよ、』
『舘さん凄っ!うわぁ美味そうな料理』
さっき舘さんから送られてきた写真を1枚1枚見ていってるけどどれも楽しそうで、こっちまで笑顔になる
『はぁ、亮平に言おうかな』
この手術が100%成功するとは言いきれないし、成功したとしても後遺症が残るかもしれない
なにより、今亮平が1人になる事はやだ
せっかく幸せにしてやる!って思いがあったんだけど叶わなかったらどうしよ
…亮平、ごめんね
『ッ…ふ……、((涙』
__________
手術当日
__________
[めめっ!]
「ッ!!」
《目黒さんの関係者さんですか?》
【はいッ、そうです】
【めめはっ?】
《目黒さんの手術は成功しました、ですが後遺症が残る可能性が高いです》
〈は、?嘘…だろ〉
《記憶のズレ、感情の薄れ、この2つがでやすいんです 》
{そう、…ですか}
「…??」
そっか、亮平は8歳だもんな
分からない…か
__________
『…((ぼー』
【めめ?】
『……あ、』
ゆっくり視線がこっちに向く
ちゃんと目は合ってるのに、どこか遠い
【分かる?俺、】
『…ふっかさん、でしょ』
【ッ、…そう、そうだよ】
名前は出た
それだけで、少しだけ安心した
〈よかった…〉
{ほんとに、}
[めめ!大丈夫か?]
『…康二』
[おお、!分かるんやな!]
『うん、』
ちゃんと会話はできる
ちゃんと、俺たちのことも分かってる
――なのに
【…亮平くんは?】
その一言で、空気が変わった
「……ッ」
ドアの前で立ち止まってた亮平が、ゆっくり入ってくる
『……』
「……めめ、」
『…阿部、亮平』
名前は、呼んだ
「ッ、…うん、」
一歩近づく
でも、その距離がやけに遠く感じる
「俺、分かる?」
『分かるよ』
即答だった
――でも
『なんで泣いてんの?』
「……え、」
『どっか痛い?』
その言葉に
誰も何も言えなくなる
「……違う、よ、」
「……嬉しくて、」
無理やり笑った声
でも
『そっか』
それだけ
それ以上、何も返ってこない
好きだったはずの人に向ける顔じゃない
優しいのに、温度がない
[……ッ]
〈……〉
{……、}
【……めめ、】
『ん?』
【……なんでもない】
何も変わってないようで
全部変わってしまった空気
それだけが、はっきりしてた
__________
2人きり
__________
「……ねぇ」
『ん?』
「これ、」
「たのしかった?」
『……うん、楽しかったと思う』
「……“思う”ってなに?」
ページをめくる手が、少しだけ止まる
『……覚えてるけど、』
『そのときの気持ちが、よく分かんない』
「……そっか」
小さくうなずく
でも、その手はぎゅって俺の服を握ってる
「ねぇ、」
『ん?』
「ぼくのこと、すきだった?」
まっすぐな目
逃げ場がない質問
『……うん』
「いまは?」
『……』
少しだけ、考える
『……きらいじゃないよ』
「……ッ、」
一瞬、息が詰まる
「……やだ、それ」
『……え?』
「“きらいじゃない”じゃやだ」
ぽろ、って涙が落ちる
「ちゃんと、すきっていってよ…」
『……』
困った顔
でも、嘘はつけない
『……ごめん』
その一言で
「……ッ、」
声が震える
「……じゃあさ、」
袖で涙をぐしぐし拭く
「もういっかい、すきになって」
『……』
「ぼく、がんばるから」
「いっぱい、いっしょにいるから」
必死で言葉をつなぐ
『……努力、する』
「……ほんと?」
『……うん』
その答えに
「……そっか、」
ちょっとだけ笑う
でも
その笑顔は
前みたいに無邪気じゃなくて
どこか、我慢してる顔だった
「……あのね、」
『ん?』
「ぼく、まってるからね」
『……』
「めめが、ぼくのこと、すきになるまで」
静かな宣言
『……うん』
小さくうなずく
その約束が
どれくらい重いのかも分からないまま
__________
それからある程度日にちがたち、退院できるようになった
ふっかさん達は皆忙しいみたいで来れなかった
代わりに、亮平がくる
家から病院までの道のりは覚えたらしく、1人でこっそり来ていた
『…長かったな』
がらがら
『亮平』
「めめっ、…」
『帰ろっか、俺らの家に』
「うんっ!」
ふっかさんやしょっぴー康二、舘さんが交互に来てたんだけど寂しいと感じてるのかな…
帰り道
「ねぇ、めめ」
『ん?』
「ぼくね、」
「はやく大きくなりたい」
『……なんで?』
「めめを、まもれるようになりたいから」
足が止まる
『……え?』
「めめ、むかし言ってたもん」
「ぼくが大きくなるまで、ちゃんといるって」
『……』
その言葉で
“どこか”が引っかかる
『……俺、そんなこと言ってた?』
「うん!」
「ぜったい、しなないって」
沈黙
『……そっか』
小さくつぶやく
でも、その顔は
少しだけ
前よりやわらかい
『……じゃあさ』
「?」
『……ちゃんと見とくわ』
「なにを?」
『……亮平が、大きくなるまで』
「……!」
『……約束、なんでしょ』
「……うん!」
今度は、ちゃんと笑う
その瞬間
“思い出した”わけじゃない
でも
“同じ場所に戻ってきた”感じがした
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関係性とか気にしないでね
最後まで読んでくれてありがと!!
これにて完結です
すごいよ3500文字いった…
えぐすぎてしぬぅ