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誰も知らない、高嶺の花の裏側3
第21話 〚分からない拒絶〛(真壁恒一視点)
教室を出たあと、
廊下の端で立ち止まった。
……今の、何だったんだ。
白石湊。
あの場にいた全員。
笑ってた。
空気も、悪くなかった。
だから——
話しかけてみただけだ。
(友達、作りたかっただけなのに)
「キャラ作り?」
冗談のつもりだった。
軽い、いじり。
それなのに。
誰も、笑わなかった。
空気が、一気に凍った。
(……なんで?)
思い返す。
声のトーン。
言い方。
タイミング。
どこが、いけなかった?
(俺、間違ったこと言ったか?)
分からない。
あの瞬間、
全員が“同じ側”に立っていた。
自分だけが、
外。
(拒絶された?)
いや、違う。
拒絶されるほど、
深く関わってすらいない。
なのに、
あの沈黙。
あの視線。
澪も、
見ていた。
何も言わずに。
(……白雪澪)
前なら、
視線を感じるだけで、
胸が熱くなった。
でも今は。
“触れられない壁”が、
はっきりしている。
俺は、
そこに入っていない。
「……分かんねえ」
小さく呟く。
悪意はなかった。
傷つけるつもりもなかった。
なのに、
全員が守る側に回った。
白石湊を。
(あいつ、そんな守られる存在か?)
違和感が、
胸に残る。
(俺は、何を間違えてる?)
答えは、
出ない。
分からないまま、
恒一は歩き出した。
拒絶された理由を、
理解できないまま。
その理解できなさが、
一番、危ういことに気づかずに。