「本気のデート?」
バタンと、ドアが閉まる音が響く。
となりに 佐伯(さえき)が座ると、動悸は一気に加速した。
この車は 川崎(かわさき)さんの車と雰囲気が違うし、緊張で息をするのもやっとだ。
「……免許持ってたんだ……」
「アメリカでは車で通学してたよ。 この車もあっちで乗ってたやつ」
「そ、そう」
頷いたけど、いつも移動は川崎さんの車だから、彼が運転できるなんて思いもしなかった。
膝に置いた鞄を握りしめた時、となりから小さな笑い声がする。
「な、なに?」
「なんでそんな緊張してるの」
「えっ」
うわずった声をあげた時、信号が赤に変わった。
佐伯は少し顔をあげ、おかしそうに私を見る。
「そ、そんなこと―――」
「ないっていうの? こんなに目が泳いでるのに」
彼の右手がハンドルから離れ、指先が私の頬に触れる。
その瞬間、体が思いっきり跳ねて、肩************
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