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日本 朝。
あっきい「……。」
パンをくわえたまま、空を見上げる。
あっきい「……なんだっけ。」
昨日のこと。
消えた三人。
聞いたことのない言葉。
あっきい「確か……」
頭の奥で、音が引っかかる。
あっきい「……ダメだ、思い出せねぇ。」
学校 教室。
ぷりっつ「おーい、あっきい。」
あっきい「ん?」
ぷりっつ「ボーっとしすぎやろ。」
まぜた「顔やばいぞ。」
あっきい「そんなか?」
ちぐさが近づいてくる。
ちぐさ「大丈夫?」
あっきい「ちぐちゃん。」
一瞬、言葉に詰まる。
あっきい「……昨日さ。」
ちぐさの肩が、わずかに揺れる。
あっとが静かに視線を向ける。
けちゃが息を止める。
あっきい「なんか変な夢見た。」
ちぐさ「夢?」
あっきい「空がさ、割れて。」
まぜたがゆっくり顔を上げる。
あっきい「で、ちぐちゃんたちが……」
言葉が止まる。
あっきい「……その先が思い出せない」
ちぐさ「……そうなんだ。」
少しだけ、安心したような顔。
あっと「気にするな。」
けちゃ「疲れてるだけだよ。」
ぷりっつ「せやせや、寝不足やろ。」
あっきい「俺そんな弱くねぇし!」
笑い声。
でも。
まぜただけは、笑っていなかった。
昼休み 屋上。
風が少し強い。
まぜた「なあ、あっきい。」
あっきい「ん?」
まぜた「本当に夢か。」
あっきい「え?」
まぜた「昨日の話。」
あっきい「……わかんねぇ。」
空を見る。
あっきい「でもさ。」
あっきい「夢にしてはリアルすぎた。」
ぷりっつ「どんな感じやったん?」
あっきい「空が裂けて。」
あっきい「風が逆に流れて。」
あっきい「なんか……言葉が聞こえた。」
まぜた「言葉。」
あっきい「聞いたことないやつ。」
195
瑠南
あっきい「でも、意味はわかる気がした。」
その瞬間。
まぜたの目が変わる。
まぜた「もう一回言えるか。」
あっきい「いや、思い出せねぇって。」
まぜた「いいから。」
あっきい「……。」
目を閉じる。
あっきい「……び……」
頭が痛む。
あっきい「っ……!」
まぜた「無理するな。」
あっきい「いや、いける。」
あっきい「……たぶん……」
そのとき。
屋上のドアが開く。
ちぐさ「あっきい!」
全員が振り向く。
ちぐさの顔は、明らかに焦っていた。
ちぐさ「先生呼んでる!」
あっきい「え、俺?」
ちぐさ「うん!」
まぜたがちぐさを見る。
一瞬。
目が合う。
ちぐさが目を逸らす。
放課後。
まぜた「……怪しいな。」
ぷりっつ「何がや?」
まぜた「ちぐ。」
あっきい「ちぐちゃん?」
まぜた「話を止めた。」
あっきい「偶然じゃね?」
ぷりっつ「いや、俺も思ったで。」
あっきい「マジで?」
まぜた「昨日のこと。」
まぜた「本当に夢だと思うか。」
あっきいは空を見る。
あっきい「……思えねぇ。」
その頃。
天空の丘。
けちゃ「危なかった……。」
ちぐさ「ごめん。」
あっと「正解だ。」
ちぐさ「でも、まぜたん気づいてる。」
けちゃ「うん。」
あっと「時間の問題だ。」
空の亀裂が、さらに広がる。
けちゃ「もし言葉を再現されたら。」
ちぐさ「……開いちゃう。」
あっと「だから止める。」
日本 夕方。
まぜたが一人で歩いている。
まぜた「……言葉。」
空を見上げる。
まぜた「音は、覚えてる。」
小さくつぶやく。
まぜた「ብ……」
風が揺れる。
まぜた「……なんだ、これ。」
まぜたの声に、空が反応した。
物語は、もう戻れないところまで来ていた。
第4話 終わり
次回 「笑いの裏側」