熱帯夜の中、隠れ基地の様な所でいつも通り弟子を鍛え上げていた
「はぁはぁ……」
「大分動ける様になったね。まだ1ヶ月も経たないのに…」
「へへっ急いで強くならないといけないので」
「…何で急がないと行けないの?」
急ぐ事に止めはしない武道だが急ぎ過ぎて怪我をしてしまう事に心配をする
「月1位に集会があるんデスけど、偶に終わった後隊長副隊長がタイマンするっていう行事があるんですよ」
「それで、そのタイマンにいつも負けてると」
「ウッそうっス…だから強くなって名誉挽回!ってヤツっす」
聴くによるとトーナメント式であり気分によっては副総長と総長も参戦する(まぁほぼ毎回出てますけどねBy千冬)千冬は頑張っても1回戦負けで心がもろ折れている
「ふーん。面白そうだね」
「そうっすか?俺喧嘩が好きじゃないからあんまりやりたくないんすよね」
「?…なんで不良になったの?喧嘩が好きではないのに」
「師匠、不良🟰喧嘩が好きではないんすよ。想いがあって不良になる人だっていますし不良に憧れて不良になる人もいるっす」
「……じゃあ、君は何で不良になったの?」
その言葉を待ってましたとばかりに千冬の口角が上がる
「俺は憧れて不良になった人っス!」
「憧れて…憧れの人は誰なの?」
「場地さんって人っス!中一の時にカツアゲされてた所を助けてくれたんです!」
目を輝かせながら話す千冬を見て武道は考えた。
不良はそんな思いでやっていくのか?
憧れたから不良になる?
だから、東京卍會が反社になってしまうのではないのか。だから人を殺すのではないのか。だから監禁するのではないのか。
だから、
だから…あの人を殺したのではないのか
俺の…大切な……大切な…
…………誰だったっけ?
「師匠?」
「…ん?嫌、何でもない。ただ…」
「なんスか?」
「楽しい?弱くても、不良をやるのって」
「……楽しいっすよ。とっても」
「師匠〜めっちゃ緊張するっスゥ〜」
『だからと言って電話してこないでよ』
いつもは少し憂鬱だったはずの集会にとても緊張をしていた
「師匠〜助けて下さいっすぅ」
『無理だから。それにタイマンは偶になんでしょ?やらないでしょ』
「それがするんスよ〜総長の気まぐれなんで」
『意味わからん』
まぁ頑張ってと言う師匠に千冬は喚く。それに呆れた師匠は画面越しから千冬を励ます
『今までやった事を思い出してやればいいんだから、貴方だったらいけるよ』
「…師匠」
『じゃ、またね』
プツ、ツーツー
「師匠〜…」
「ア?なんか言ったか?」
「わわっ場地さん!?」
いつの間にか尊敬する男が後ろにいた
「今誰かと話してたのか?」
「はい、そうっス」
「……………?」
「……えっと…どうしました?」
「お前…太った?」
「エ?」
太った…?何そのワード。オレジンセイデイチドモキイタコトナイナー
「いや、肥えるの方じゃねえぞ?筋肉がついたなの方だぞ?」
「あっ良かった〜肥えたの方だったら失神してやろうかと…」
「物騒だな」
「集会始めんぞ〜」
「ほーい、千冬行こうぜ」
「うっス」
あ〜…集会ってこんなに緊張するもんだったっけ?今心臓がバクバクとなってるんだけど周り聞こえてないかな?
「最近色んな連中が暴れてるから気をつけとけよ。」
副総長こと龍宮寺堅が話しているが千冬は右から左、全くもって話を聞いていない。隣の場地がいつもと違う相方を心配をしていた
「よっし、これにて集会終わり!今からタイマンするぞ〜!」
総長こと佐野万次郎の声により隊員達は盛り上がったが…
「バタン!」
「千冬ー!!?お前マジで今日どうした!?」
「毎日が…Everyday」
「どっかで聞いたことある言葉だなぁ!」
「おいおいどうしたお前ら」
隣の弐番隊隊長、三ツ谷隆が声をかけた
「ん?松野今日たいちょー悪いの?」
三ツ谷の後ろにいた弐番隊副隊長、柴八戒が心配する
「だ、大丈夫…足がもつれて…… 」
後に千冬は黒歴史として思い出す度心が痛くなるだろう
「1回戦は〜っと」
佐野ことマイキー君がくじを引くと…
「一番隊副隊長と弐番隊副隊長!!」
初手から俺のターン?ついてないな今日!!
「頑張れよ千冬!今日こそ勝て!」
「うっす」
「よろしくね〜松野」
俺より圧倒的に高い柴から挨拶される。どうもこの人が苦手なんだよな
「お前ら位置につけ」
野次が飛んでいるな。そうだよな、皆柴が勝つって確信してるよな。不正解だな、お前ら
「………!?」
勝つのは俺だ
「はじめ!」
「!」
「え!?はや!」
戦いのコングがなった瞬間が命、属に行く先手必勝だ。
『なんで後攻の方が有利だろう』
『逆転しやすいから?相手の動きが読みとれるから?違う、先行後攻に有利なんてない』
状況に応じろ。相手は俺が何回でも戦った奴だ
「うっ!」
「どうした柴?さっきのホンワカ面は何処に行ったのやら」
何回も戦うとその人の癖や戦い方が自然と分かるのはこう言うことなんだな。前は分かってても避けきれなかった。避ける為の技術が無かったから。でも、今は違う
「ッ!当たんない…!?」
「おらっ!」
師匠によって身につけたからもう避けれる
さぁ、この拳に今まで俺が殴った分の力を入れろ!力まず、体重を乗せて!
ボコ!!
「ヴッ!…バタン」
「しょ…勝者、一番隊副隊長松野千冬!」
驚愕に近い歓声が鳴り響く
「………」
場地さんや他の人達はこの野次の中殴り合って勝つのか…ハハッ
「楽しい……」
呼び起こしてはいけないモノが覚めてしまった
「千冬やったな!」
「うっす!まぁ二回戦負けでしたけどね…」
「いやあれは運が悪いな、今日に限ってドラケンが出てたし」
「悪かったな」
ドラケンと言われる男龍宮寺堅が話に入る。その顔には痣があり、痛そうにしていた
「でもすげぇな千冬、頬マジ痛エ」
「それはすいませんッス」
「なんで謝るんだ?強くなった証拠だろ?」
この二枚目、心も二枚目だった
ブー ブー
「あっすいません、席外します」
「おー行ってら〜」
「………」
「いやぁ急につよくなったな千冬」
「1ヶ月前とかは絆創膏だらけだったのにな。見当たら無くなったぞ」
「そういえば、しゅーかい前に千冬に会った時も電話してたな」
「電話?誰と?」
「さぁ分かんね。でも千冬、話してる人を【師匠】って呼んでた」
「師匠?もしかして千冬を強くした奴か?」
「そうかもな」
「聞いてみるか?」
「嫌、いい。聞いても千冬教えてくれなさそうだからな」
1年も一緒だったからわかる。アイツ、師匠っていう奴に執着しているってな
「場地…お前急に賢くなったな、何処か頭に打ったか?」
「なんだドラケン喧嘩売ってんのか?」
『もしもし、千冬大丈夫?』
師匠から電話掛けたくれた!しかも心配してくれてるし…師匠って結構心配性?
「師匠〜!無事に1回戦突破しました!」
『そう、良かったね』
「これも師匠のお陰っすよ〜」
『ううん、君が頑張った証拠だよ。俺はただ教えただけ』
「師匠…」
『…じゃあ、またね』
プツ ツーツー
師匠ってツンデレなんだな。少女漫画でこう言うキャラいるよな
「ふー疲れた。次は二回戦突破だな」
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