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宝石達の感情  短編小説。

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宝石達の感情 短編小説。

5 - 第四章 再会。

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2024年03月07日

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第四章 再会。


何もかもが不安だった。

虐待はされてない。

いじめられてもいない。

でも、この先の全てが不安で、

孤独を感じた。


「怠けているだけでしょう?」

「何も無いのに辛いなんて言うな」

「気持ち悪い」


「近寄らないで」


当たり前だと思った。

努力をしていないから。

頑張ろうとしてないから 。

でも、

ちょっぴり悲しかったり。




いつも逃げてくる森で泣いてると、

吸血鬼と会った。

殺されるかと思ったら、

花冠を作って頭に乗せて、微笑んでくれた。

嬉しかった。

その人のことは今も覚えてる。

____もしかしたら、これは、


初恋だったのかもしれない。




「たつや! どこに行っとったん!」


「森……」


「その頭に乗せてるんは何!?」


「気っ色悪い!こんなん捨てんさい!」


「あ……」


母はあの人が作ってくれた花冠を投げ捨てた。

……あぁ、この人は、ダメだ

何も分かってはくれやしない。

辛い。


「はぁ……なんでこんな子、」


産んでしまったんやろうか。


「っ……」


これは母の口癖。

いつもの事。

大丈夫。




あれから七年後。

俺は17歳になった。

母が死んだ。

悲しくは無い。

けど、どうやって生活しよう。

頼る宛がない。

どうしよう、どうしようか。

せっかく自由になったのに、これじゃ死んでしまうな。


__そうだ、旅をしてみよう。

魔王討伐の旅。

それには仲間を集めないといけない。

……あの森へ行こう。




「あの人、おらんかな……」


その時、見つけたんだ。

あの人だ。


「なぁ!」


「……なに?」

「俺と旅せん?」


「は? やだよ面倒臭い」


「そんなん言わずにさぁ〜!」


「……なんの旅?」


「魔王討伐の旅!」


「………………!はぁ、暇だったし、いいか」


「やったぁ!仲間ゲット!」


「ちなみに、他の奴らは?」


「いない!あんたが初めて!」


「……大丈夫か?これ……」


「大丈夫やで!仲間は後から集めるから!」


また会えて良かった。


大好きな、


大好き、な……?

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