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黒ヤミ悪夢

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黒ヤミ悪夢

27 - 第27話散らすように

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2022年08月10日

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川の流れのように。

過去と現在が混ざり合い、 未来へと続く夢想となる。

彼女は確かにいたのだ。

彼女の笑顔……

懐かしい思い出……

記憶の中の少女。

微笑む彼女……

差し出された手は白く柔らかく、温かかった。

優しく語りかける男の声……。

夢想の世界から覚めた後に残るものは、 ただ無力感だけだった。

狂気の中で見た幻……。

彼女はその記憶を抱えながら、 生きていかなければならないのだ。

たとえ、それが偽りの記憶であっても……。

彼女にとって、現実は残酷すぎる。

だからせめて……虚構の中では幸せであれるよう、 私は祈ることしかできない……。

私の役目は、 そんな彼女の支えになることだ。

たとえそれが……私自身を偽ることになっても……。

彼女には、それが必要だった。

しかし、それを手に入れられずして、 彼女は何を望んでいたのだろうか……。

愛した者と共に過ごすことか?……あるいは、その者の破滅か? いずれにせよ、それは叶わぬ夢であり、 彼女の想いもまた虚無へと還ったのだ。

哀れなる娘の、最後の叫び声を聞きながら、 私は思う……。

真実を知るということは、 必ずしも幸福をもたらすとは限らない

……その想いは、確かに本物だったろう。

ただひとつだけ言えるとすれば、 彼女の選択は決して間違ってはいなかった。

彼女は最期まで抗い続けたし、 世界は彼女を受け入れなかったとしても、 彼女は世界に受け入れられていたのだから。

夢の中でしか逢えないなんて、 そんなことってあるんだろうか……? だって……それじゃまるでお伽話みたいだし……

本当に……夢みたいだよ。

ずっと前から約束してたことなのに……

いつの間にか忘れちゃったけど……

やっと、思い出せたんだ。

あのね……わたしの夢の中にも時々出てくるんだけど……

やっぱり、気づいてくれないんだよ。

あなたが見ている夢の中に出てくる女の子と同じ名前……なんだよね。

いつかきっと会えるよ……って言ったじゃない? でも……もういいかな。

このままだと、一生待ちつづけることになりそうだもん。

それに……もし覚えてくれているなら、 あなたの方から会いに来てくれるはずだから……

だから……その時までは、さよならすることにするよ。

うん、大丈夫……

寂しくなんかないよ。

あなたと一緒に過ごした時間はすごく楽しかったから、 またすぐに会えるような気がするもの。

それまで、待っていてもいいかな……

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