地獄とは正にこのことを言うのだろう。
どこを見ても希望はない。
青い空とは裏腹に、緑色の草は赤い炎や血液で埋め尽くされている。
腕の中の仲間は動く様子もなく、ただただ冷たくなってゆく。
どこで間違った。どうしてこうなった。
涙を流すこともなく、身体が内側から熱くなる。
今まで無かった記憶が一気に流れ込んで頭痛とともに吐き気がする。
「#Д*→∅」
思わず呟いた。目の前が真っ白になる。
あぁ思い出した…全てを…。
こうして地獄のループはまた続いていく。
何かの実験施設だろうか。
薄暗く、機械が沢山並んでいる。
人が2人並んで通れそうな程の通路に、1人の少女が横たわっていた。
「ん…。」
少女は静かに起き上がった。
寝違えたのか首を抑え、何が起きたかわからぬ顔で辺りを見回す。
とりあえず、出よう。
出口を探すのにそう苦労はしなかった。
あの通路は一本道になっていて、勘で辿った先に光があった。
施設の外は森だった。
振り向いて見上げた施設は大きく、こんなところにいたのかと少女は驚いた。
木漏れ日が綺麗な森の道を進んで行く。
裸足で踏む芝生や落ち葉は、冷たいが、とても心地が良い。
風が吹き、それに応えるように木がさわさわ鳴る。
不意に近くの茂みが不自然にがさがさ鳴った。魔物かと思い少女は警戒したが、出てきたのは猫だった。
なんだ、猫か。驚かすなよ。
するとまた茂みががさがさ鳴って警戒したが、やはり猫が飛び出して来た。
誰かに見られている訳ではないが、2度もこのようなことがあると恥ずかしい。
少女は少し顔が熱くなるのを感じながらそれでも進む。
しばらく行くと、また茂みが鳴った。
今度は騙されるものか。
少しは警戒しながらも堂々と進んでいると、茂みからなにかが飛び出した。
ほら。また猫…え?大きな猫ちゃんだね…。
そこにいたのは虎のような魔獣だった。
少女に気が付いた魔獣は目をギラリと光らせ、ヨダレを垂らしながらジリジリと詰め寄って来る。
これは…やばい…!
((㊗️初投稿))
((物語初心者です。三人称視点で書けるように修行中です。どうか温かい目で読んでやって下さい。ダメ出しやアドバイスなど、大歓迎です。よろしくお願い致します。))
((思い付き次第、続けます。))
コメント
2件
ストーリー素敵、