………
『………夢…?』
背中に服がくっついて気持ち悪い…
なんだよ…あの夢…
妙に現実っぽかったなぁ…
『…みこちぃ』
ふと、隣を見た
そこには私の気を知らずに
すやすやと気持ちよさそうに寝ているみこちが居た。
『ん………』
みこちの腕の中で眠った
こうゆう時は寝るに限る。
温かいものに抱き締められたような気がして
目が覚めた
そしたら…
「ん…ん?…あぁ…なぁんだ…すいちゃんかぁ…
って…すいちゃん!?」
『うるさぃ…すいちゃ…ん…ねる…からぁ…』
あのツンデレなすいちゃんが!?と驚いていたが
すいちゃんの汗が尋常じゃないことに気付いた
多分…酷い悪夢を見たんだろう
よくあるからにぇ…
みこがすいちゃんを守らないと…
この幸せを一生噛み締めたいなぁ
………本当に…妙に現実っぽかったなぁ…あの夢
まるで夢じゃないみたい…
…いい匂いだなぁ…本当…大好き…みこち
気づけば寝息が聞こえてきた
「…!ふふっ 」
おでこに張り付いた髪をとってあげて
起こさないように、壊れ物を扱うように撫でる
まだまだ思い出さないでいいよ。
一生みこを想って
………こよりの薬って凄いなぁ…
本当にみこ以外忘れられるんだにぇ…
…すいちゃんはここでみこに甘やかされてればいいの…
もう離さないから…
ホロライブの皆も星詠み達も忘れて?
みこだけを想って?
もう皆の一星じゃなくていいの
みこだけの星になって
綺麗なほど寿命が近いんだから
「もういいんだよ?
みこと短い一生を過ごそう?」
独り言を呟いてしまっているのことに気づくことはなかった。
………うん
…全部覚えてる
あの情熱も…輝きも全部
でも、多分もう死んじゃうから
…好きって言いたかったのになぁ…
でも、それを言ってしまったら
みこちに真の呪いを掛けてしまう。
まぁ…私の存在自体が呪いみたいなものだけどね?w
…ふはっw…なんでこんなことになったのかなぁ…。
星が輝くのは死期が近い時か、死ぬ時だけだから。
…まぁ…死ぬことは無いし、これは過去のことだけどね
このまま幸せにいよう
責任は取るから
私があなたを狂わせてしまったから。
でも、みこちは本当ばーか…
私の為にこんなことを…
いや…それを言う立場じゃないなぁ…
彼女は私を想ってくれてる
それだけでいいから
もう………やだよ…
「幸せだなぁ…すいちゃんも幸せ?」
すいちゃんはみこの腕の中でもぞもぞと動きながら
こう言った
『ッ…うん、幸せ
後、みこち…すき』
「…へっ!?////」
………おめぇよぉ…飛んだ呪いを掛けやがって!w
「みこも好きだよぉ!!!バカ街ぃ!」
『…ふっはw私も好き
呪い…掛けちゃった!てへ!』
「おめぇよぉ…w」
あー…幸せだなぁ…
すいちゃんのドナーはとっくに見つかっていて
もう心臓病は治っているだなんて…言えないなぁ…
そして、みこがホロライブから星街すいせいを消したのも
これはみこの業だ
そして、みこのわがままだ。
みこだけの…!一星で居て
みこの一星で居るしかないから
すいちゃんの全てを全部奪ったから
捨てたから。
アイドルとしての星街すいせいはもう居ない。
あの輝いた瞳は無いのは悲しいけど
みこだけを見てくれればいい
みこを狂わせたすいちゃんが悪いもん!!!
『………』
ポルカ…
「…すいちゃん?なんでみこ以外の名前を呼ぶの?ねぇ…?」
…!?!?
や…やだやだやだやだ!!!
『…ぁ…ごめっ…ごめんなさい…』
「…悪い子には…お仕置きがいるよにぇ?」
痛いのは嫌だよ…
昔のみこが…好きなのに…
それに…もう全部知ってるから
みこちが私をホロライブから消したもの
あの薬も
私は責任を取らないと…
これは私の業なんだ。
でも、このお仕置きをされる毎日はやだなぁ…
怖い…
…なんですいちゃんがこんな目に遭うの…?
すいちゃんが…悪かった…?
「すいちゃん…泣かないで?」
やめてよ…優しくしないでよ…
依存なんか…洗脳なんかされたくない
私は私で…いたい…
幸せ…なんかじゃない…!
みこちなんか………
………?
でも…幸せ…?
ぁえ…?
私って…?
あれ…
夢…?
違う。
現実だ、これは現実。
私もう堕ちるしかないんだ。
遊び半分でキスをした
喜んでいた、だから
あなたの死を願った
すいちゃんがみこちを殺せば
全てが手に入って、戻れるんだ!!!
「すいちゃん…♡愛してるよ?」
『うん!私も!』
偽物の愛なんかくれてやる。
最期の安らぎまで後少し
今日は最期の晩食。
…先ほどまで強く抱き締められていた手は力を失って
だらんと垂れていた
孤独な愛がお似合いだよ
あたしには、愛せないから。
永遠の愛なんか…!
…髪が靡く
光が私を包む
背徳感と罪悪感を孕みながら
私は舞台に立つ
全てあなたのおかげ
ありがとう、みこち。
私は一人でまた這い上がるから!!!
桜の花びらが風を舞った。