——-ここはとある魔法世界。ここに魔法が使えないものなどは存在しない。そしてここの住人、3分 1は転生させられてきた者たちだ。この世界には有名な学校・学園がたくさんある。伝説の魔法使いを 召喚するために日々転生者を探している……。
「あー疲れた。」
ボクは楓。女だけど一人称はボク。今日も平和な一日だったな。
ードン。
ん?何だ。本が落ちただけか……。この本は昔からある。内容は魔法学園。小さい頃はよくこれに憧 れていた。
「ふぅ。もしも魔法が使えたら闇を操ってみたいけどなぁ。難しそうだし……。ま、そんなことなん てありえないんだからどうでもいいけど。」
と思いつつ、またその本を読んだ。小説なので読み終わるのに1時間はかかる。
ー昔々あるところに可愛い少女がいました。少女は魔法を使いたいと夢を見ていていつもオーロラの輝くところで願っていました。そのときそれが白く輝き、少女を取り込んだのです。
少女はびっくりして暴れました。
気がつくと眼の前には大きな学校がありました。
「ようこそ。フェレンツェ学園へ。」
「こんにちは!」
少女は元の世界のことなんかすっかり忘れて魔法の世界を楽しむのでした。
その頃、お父さんとお母さんは少女のことをとても心配していました。なぜなら急に部屋からいなくなったからです。お父さんは謎の光について調べました。
「そうか、あの光は1年に1回しか出ないんだ。」
やっと突き止めたと思ったのに、少女に会えるのは1年後だったのです。
少女は魔法の世界を思う存分に楽しみました。しかし、もう両親に会うことはありませんでした。 やがて時が過ぎ、少女は最初に会った、魔法使いに見守られながら天の昇っていったのです
「…………。」
読み終わり、時計を見てみた。
「!?10時だって?」
熱中しすぎて遅くまで読んでしまった。早く寝なければ……と思うとすぐに眠り落ちた。
ージリジリジリ。
時計がなってようやく起きた。ん?ここはどこだ。ってベットが浮いてる!
「起きたまえ。」
「え?ここはどこ?」
「お前には転生をしてもらう。」
「は?なんで?」
「話すのめんどいなぁ。」
「はぁ?……ぐっ。」
いきなり首を掴まれて意識を失った。
「頑張りたまえ。」
ふと目覚めた。
「楓様お目覚めください。」
?王女にでもなったんか?
「合格発表の日でございます。」
「え?なんの?」
「まぁ。お忘れになられたんですか!大変だったのですね。」
「まぁ見ます。」
結果は……合格。
「えぇ。」
「おめでとうございます!早速ご両親にもお伝えに行ってきますね!」
「えっちょ。」
「失礼しました!。」
うん?急展開すぎて全然わからんぞ。
「楓!よくやったわね!」
「あ、母上……。って。誰?」
「何をおっしゃってるの。あなたの母、喜美子でしょ。」
「ご、ごめんなさい。」
明らかに僕の母親じゃなかった。だって金髪の外国人なんだもん。
「まぁ。いいですわ。じゃあ早速明日の準備をしましょう。」
「準備?」
「あなた。大丈夫?準備は準備よ。クランチェリア学園の入学式の!」
「ああ。そ、そうだったね。ごめんなさい。」
「執事様と一緒に準備するのよぉ。じゃあこれからはよろしくね。メリーさん。」
「かしこまりました。」
「よ、よろしくお願いします。」
「大丈夫ですか?体調が悪いですか?」
「い、いえ。ただ、戸惑ってるんです。」
「どうぞ。お座りになってください。」
「じ、実は多分ボク転生してきたんです。」
「まあ。それは……大変でしたね。じゃぁすべてを教えしましょう。」
「ありがとうございます。」
ボクの執事?メリーさんから聞いた所、この世界は魔法世界でボクが受かったところは世界最大級の魔法学園らしい。そして明日の入学式で実技をするらしい。
「そ、そんな……。魔法なんて使えませんよ。」
「いいえ。使えますよ。試しに、ショートワープ〘短距離移動〙と言ってみてください。」
「ショ、ショートワープ!」
ービュン。
短い距離だけど一瞬で移動することができた。
「できましたね!これで大丈夫です。」
「いやいや無理です。覚えてないんですから。」
「これをお渡ししますね。あなたが以前使っていた、マジックブック〘魔法辞典〙です。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ準備を始めましょうか。」
「はい。」
「じゃ。まずはアイテムBOXを出してください。」
「は、はい。アイテムBOX〘亜空収納箱〙。」
そう言うとボクも入れる謎の空間が出てきた。
「ここには貴方様のものをいれることができます。バックとして使えるので覚えといてください。」
「わかりました。」
なんか覚えることがたくさんありそうだけど頑張らなきゃな。そう思って今日は徹夜して今までずっと使っていた魔法を暗記した。
「楓さま。起きてください。」
「ふぁ。」
「じゃあ行ってきてください。」
「はーい。」
そう言ってベランダに行きほうきを取り出した。
「フライ!〘飛べ〙。」
そうほうきに言うと宙に浮いた。
「行ってきます!」
目指すはクランチェリア学園!自動運転に切り替えて今日の実技のシミュレーションをした。
「ああ。眠い。なんか魔法かけるか……。ディープスリープ〘熟睡〙。」
その瞬間今起きたてのような快適さがやってきた。
「おお。結構すごいな。」
案外魔法なんて楽なものなのかもしれない……。
そう思っているうちにクランチェリア学園に到着した。
「デカ……。」
その学園はボクが思っている3倍4倍はあった。こんなんじゃ迷子になるって。
「新入生のみなさーん。こちらに来てくださーい。」
そんな声が聞こえたのでそっちに向かったら結構な人がいた。
ーヒューン。
「はーい。ほうきはここまでです。アイテムBOXに入れておいてくださいね!。では早速実技となりますので中庭にてお待ち下さい。」
なんか先生、謎の喋り方だったな。そういえば自分の顔ってどんな感じなんだろう……。
ってうわ。夢がかなったのか?
そこには男の子っぽいけど美少女のボクがいた。
「うわぁ。」
自分でも見とれた。
早速中庭に行く。入った瞬間、苦しい空気が流れた。でもそれは最初だけで、端っこにいるとみんなから視線を感じる。なんかコソコソ言ってる。聞いてみよ。
「イヤリング〘聴力up〙」
「あの子男の子?女の子?」
「めっちゃ美少女じゃね。」
「お前なんか話しかけてこいよ。」
うわぁ。意外とめんどくさいな。
「わぁ。」
眼の前で美少年が転んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます。……男ですか?すみません失礼で。」
「いや。女です。」
「え……。」
長い沈黙。
その美少年は顔が赤かった。
「大丈夫ですか?顔赤いけど……。」
「だ、大丈夫だ。気にすんじゃねぇ……。」
えー!何このギャップ。美少年なのにツンデレなんすか?
「あ、そうですか。じゃあ……。」
ふう。なんとか危機回避。
ーボワァ。
炎が壁を覆った。みんな怯えている。
「ようこそ我が、クランチェリア学園へ。早速実技と行く。1人ずつ前にきたまえ。」
僕たちは一列になって実技試験を受けた。後ろにはあの美少年がいる。
そしてボクの番になった。
「よ、よろしくお願いします。」
「ああ、じゃあ早速魔法をやってみてくれ。」
「はい。」
ボクは昨日徹夜して覚えた魔法の中から一番好きなものにした。
「ダークネスドラゴン〘闇龍〙。」
その瞬間黒い大きな龍が現れ、倒すはずのピグリンなんて一発で殺った。
「これは……すごいぞ。もう終わりにしてくれ。」
「はい。」
そう言うと龍の頭をなでて「イレース〘消えろ〙」といった。
「君は、特待生クラスだ。」
「えぇ。」
特待生クラスになってしまったもんだから仕方ない。みんなの魔法を見学した。
「そういえばあの子はどうだろう。」
ちょうど美少年は実技をしていた。
「フィーラーファイヤー〘火柱〙。」
「すごい。これも特待生クラスだ。」
おお。同じなんだ。こうして30分ぐらい見続けた。
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