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過去の話①
(夕暮れ時、静まり返った公園。少し錆びついたベンチが、風に吹かれた枯葉を足元に溜め込んでいる。)
夢主+少年:
「はぁー……。」
(同時に響き渡る、深いため息。)
(遠くで木々がざわめき、風が頬をかすめる中、夢主と少年は偶然目を合わせる。けれど、気まずそうにすぐ視線をそらす。)
夢主(心の声):
「あ、ひといたんだ……。気づかなかった……。」
「……まぁ、今はどうでもいいか。」
(ふいに、また――)
夢主+少年:
「はぁー……。」
(再び重なる、深いため息。)
夢主(心の声):
「ああっ、もう!!」
「なんでこんなにシンクロしてんのよ!他の場所行こう……。」
(立ち上がった瞬間――)
ガタンッ!
(夢主の足元に置いていた紙袋が倒れる。中身のホラー映画のDVDや漫画が、隣に座る少年の方へ音を立てて散らばる。)
夢主:
「す、すみません!すぐ片付け――」
少年:
「こんなの……面白いのかよ?」
(フンッと鼻で笑いながら、投げやりな声を出す。)
夢主:
「はぁぁぁぁん!!なんだと少年!!」
(思わず声を荒げる夢主。)
夢主:
「ホラーの面白さを知らないなんて、人生損してるよ!!」
(地面に散らばったDVDを拾い上げながら、勢いよく話し始める。)
「これとか!この『シャイニング』って映画とか!ほんっとにゾクゾクしてたまらないの!!」
「現実世界では絶対に味わえない、至高の刺激を体験できるんだからね!」
(少年、驚いたように目を見開く。)
夢主:
(少年を見て、少し口調を柔らかくする。)
「なにがあったかは知らないけど……。」
「こんなとこでため息ついてるくらいなんだったら、ホラーの世界から刺激もらって、気分転換すればいいのに。」
少年:
(視線を逸らし、少し悲しそうな顔で)
「そうかもな……。」
夢主:
「……それ、全部あげるよ。」
「私にはもういらないものだし。本当にそれで気分転換しなよ。」
少年:
「はぁ?いきなりなんだよ。」
(驚いたように顔を上げて)
「あんだけ力説しといて……。」
夢主:
(少し視線を落としながら)
「……私、ゲーム作ってるんだけど……。」
「それを辞めるために、未練を断ち切ろうと思って。」
「だから……これ、売りに行くとこだったの。」
(か細い声で続ける。)
「目に入ったら、未練がましく続けてしまうから……。」
少年:
「なおのこと、いらねぇ。」
(鼻で笑うように言い放つ。)
「俺に負け犬のゴミなんか押し付けんな。」
夢主:
(ピタリと動きを止め、目を細めながら)
「……ゴミなんかじゃない。」
(声に少しだけ力を込める。)
「私は負け犬かもしれないけど、その作品たちはゴミじゃない。」
(少年の顔を見据え、言葉を続ける。)
「作品に触れてないくせに……あなたにわかるわけない。」
(胸の奥から込み上げる感情に任せて、彼を睨みつける。)
「なんか……ムカついてきた。」
少年:
(目を見開き、少しだけ面食らった表情を浮かべる。)
夢主:
(紙袋から一本のゲームを取り出し、少年に突きつける。)
「こうなったら、あなたにホラー作品を好きだと言わせてやりたくなってきたわ。」
「ここに、私が作ったゲームがある。」
(少年の手に強引に押し付けながら)
「負け犬が作ったゲームくらい、簡単にクリアできるでしょ?」
(わざと冷たく笑みを浮かべて続ける。)
「やってから文句言って。あ……もしかしてできないの?」
「負け犬は、あなたの方だったりして?」
少年:
(顔を真っ赤にして睨み返しながら)
「はぁ?クソみたいな煽り方しやがって……!」
(ゲームを乱暴に受け取る。)
「貸してみろよ!負け犬のゲームなんて、簡単にクリアしてやるよ!」
あとがき。
中学生凛ちゃんは絶対煽り耐性劇弱。
時系列的には、冴ちゃんが海外に行ってしまって、
チームから疎外感を感じてる時期くらいです。