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「うーん…『嫌い』じゃダメかな?」
山本先生は多分嫌いではないのだ。
「…とりあえず、退けてくれませんか?たな。」
北村先生は腕が限界に近かった。
少し顔が赤くなっていた。
山本先生は少し考え、こう言った
「んじゃ、キスしたら退けてあげますよ?」
沈黙が続いた。
「さっきしたけどな。」
「えっ?」
「まじっすか?」
幻覚ではなかったみたいだ。
「棚が落ちて来たからちょっと唇が触れた…。」
まさか先生がキスしたことを気にしていたとは思わなかった。
「お、俺が見てなかったらノーカンです!!」
何が目的なのかは全く分からなかったがどうしてもキスさせたいということはわかった。
「…生徒に危害は加えられまい。」
先生はボソッと何か言っていた。
「ほらほら早く〜!」
山本先生は煽るのがなかなかに上手かった。
「💢…中野さん、もう一回泣いてくれへん?」
「えっ、えーっと…」
そんな山本先生に北村先生は少し腹が立っていた。
「ずっとこのままか…」
北村先生の顔がどんどん赤くなっていく。
そんな時、チャイムがなった。
「あ、俺授業あるんで。また!」
山本先生はそう言って走り去ってしまった。
「俺も授業あんねんけど!?」
そう言ってしばらくして、先生はため息をついた。
沈黙が長引くのは嫌だったので、
「先生、次の授業どこですか?」
と聞いた。
「三組やな…。…中野さんこそ、次の授業何?」
「数学です………」
そこで私たちはハッとした。
「数学…?」
「三組…?」
山本先生は三組の担任で数学担当だったのだ。