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上野文
9,610
都築七美
278
てく
1,872
「蛇珀、様……私も、逢いたかった、です……寂しかったです……!」
「いろ、りぃ……!」
(もう、もう、このまま蛇珀様のものに——)
いろりがそんなことを考えた時だった。
——不意に、いろりの胸元が温かく光る。
それに気づいた二人は我に返ると、顔を見合わせて、白銀色の明かりを帯びたそこに目をやった。
いろりの左胸と鎖骨の間に位置するそこに、何やらぼんやりと浮かび上がる紋章のようなもの。
次第に色濃く形を成したそれは、直径三センチほどの丸い縁に囲まれた、蛇の刻印であった。
やがて光が収まると、再度蛇珀といろりは互いの目を見た。
「こ、これって……」
「天獄が言ってた、婚礼の儀……ってやつか?」
二人が察した通り、認められた二人が愛を持ち接吻を交わすと、この印が刻まれることになっていた。
婚礼の儀は今完了されたのである。
くっきりと目に見えた愛の証に、いろりは蛇珀のものになれたのだと強く感じ、喜びの涙を浮かばせた。
「……私、私……本当に、蛇珀様のお嫁さんになれたんですね……もう、蛇珀様と、ずっと一緒に、いてもいいんですね……!」
「——当たり前だろっ……!!」
感極まり美しく微笑むいろりに、蛇珀はまた熱く唇を重ねた。