白いカーテンが揺れ、ふとあの日を思い出した
『——•••貴方は、—–』
「もぉーいや!」
バァン、と勢いよく扉を開け、ソファーにダイブしたころちゃんは声を荒げた
「自業自得です。結局4度寝したんですから」
「自分に甘いんですよ」
カタカタとパソコンを打ちながら理事長の説教を受けたころちゃんにとどめを刺す
ころちゃんは少しでも罪を軽くしようと涙目になりながら言い訳をつらつらと並べていた
実は今日理事長に呼ばれていて、見事1時間の遅刻となり遅刻に厳しい理事長はそれはもうお怒 りで
俺たちは悪くありませーんと生徒会室に逃げて来て
ころちゃんは遅刻した1時間永遠に怒られ続けていたわけで
「最近ころちゃん忙しそうだもんね、しょうがないよ。たとえ自分から忙しい理事長に無理やり約束を結び付けておいて1時間の遅刻をしてしまったとしても、ころちゃんは最近慣れていなかったみたいだし」
ころちゃんのために淹れてあげたココアを渡し、席につく
「なんだろう、この上げて落とされた感じ」
ころちゃんは涙目になりながらココアを口にした
そしていつも通り溜まった仕事を片付けているともう空はオレンジに染まっていた
ひと足先に仕事が終わった俺は窓の外を見てチラッと2人を見る
2人の机にはまだ書類が溜まっており、2人が終わるまで屋上にいようと生徒会室を後にした
階段を登り、重たい扉を押せば外の冷たい風が俺を震わせる
「——ぅおっ、びびったぁ」
誰もいないと思い込んでいた俺は、突然聞こえた声に大袈裟に肩をびくつかせた
「ん?なんや、生徒会の人やないか」
「………橙柳、ジェル」
ふと、あの時のころちゃんの顔が頭をよぎり、俺の背筋を震わせた
「俺の名前知っとるんかぁ、そりゃ生徒会さんやもんな」
ふわりと空と同じオレンジ色の髪を揺らして 「隣どうぞ」と満面の笑みで橙柳は言った
「………じゃあ」
そう言って扉を閉め、隣に座る
いい天気やなぁと呑気なことを言う橙柳はバッと俺を見た
突然の行動に、肩が跳ねる
「なぁ、ころんは…元気、?」
「……何、急に。なんで聞くの」
そう言うと橙柳は黙り、顔を逸らした
「………あぁ、成程。ころちゃんが最近可笑しいのはお前のせいか」
橙柳は俺を見て、目を見開く
「漸く分かったよ」
「俺が聞いても一切口にしようとしないし、近づくなって釘刺されるし」
「あのころちゃんがああまで君を嫌うのってなんでなわけ?」
「……あんた、わざとやろ」
「この俺が一般人の気配に気づかないわけがないしな」
呆れたように、橙柳は言う
「質問に答えなよ。君が今生きていられるのはころちゃんのおかげなんだから」
仕事が終わって、不意に見た窓の先の屋上には此奴がいて、最近のころちゃんを思い返し、ここに来た
「……で?ころちゃんとはどんな関係なわけ」
「……………俺ところんは、兄弟や」
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