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ー殺人鬼の子でも桜のように舞い散れるー
「、、、よし。」
あの後、赤と黄と物を買いに行ったり少しゲームをしたりなど。沢山遊んだ。
その時に買ったお揃いのキーホルダーを見る。初めて友達とお揃いのものを買った気がする。
なんなら前世なんて、友達すらいなかった。だからか買った時に何故かとても嬉しく感じた。
「準備完了」
今日は学校の日。昨日買ったカーディガンを制服の上に羽織って、髪飾りも丁寧につけた。
「行ってきます」
いつも通り小さい声でそう言い、外を出た。
「桃くーん!!おはよっ!!」
朝から大きな声で赤が挨拶をする。
「おはよ。」
俺も短く挨拶をした。
「あっ!桃くんもちゃんとガーディガン着てるじゃん!」
「あー、まあな。赤もちゃんと着てんじゃん」
「そりゃあ皆で買ったものだしね!!」
赤はえっへんという顔をしている。可愛い。
「あっ!そういえば聞いてよ!今日さ!」
「うん。」
そう言い、今日も世間話や赤の好きなゲームの話をする。
赤が好きなゲームは大体リズムゲームだったり育成ゲームだったり、簡単なゲームばかりやっているから俺には少し理解ができていない。
ただ赤が楽しそうに話していると、俺も嬉しい気がする。
(赤と話すのが楽しいからか?)
「とりあえず!!あとちょっとで推しが出そうなんだよね〜」
「頑張れっ、赤」
「うーん、やっぱりそうだよね〜。頑張るしかないよね〜、、、。よしっ!頑張るぞっ!!」
そう言って赤はやる気に満ちた顔をし始めた。
(赤の表情はよく変わって面白いな。)
「よーし!じゃあまた後でね!桃くん!」
「うん。じゃあな。」
今日もあの教室の中に入る。
ガラガラガラ
どうせまたなにか仕掛けているのだと思い、慎重に行ったが何も無いみたいだった。
その代わり、クラスの女子達は俺の事を睨んでいた。
「桃くん、おはようございます!」
「ああ。おはよう。」
「あっ!ちゃんとガーディガン着てきたんですね!」
「まあそりゃあ買ったんだから着ないと勿体ないだろ?お前も着てきたんだな。」
「!はい!そりゃあ大好きな友達とのお揃いですからね!」
「お揃い、、、。そっか。」
「はい!」
「る、黄くん、、、またあの女と一緒にいる。」
「僕がいるのに、、、。」
「、、、」ゾワッ
「なんか、、、視線を感じる、、、。」
「え?うっ、た、確かに、、、なんでしょうか 」
「さあ。」
またあの男達だと思ったが、今回はどっちかって言うと、嫉妬の視線、、、な気がする。
「こわ、、、」ボソッ
「今日は歌唱練習をするで!」
「か、歌唱練習?」
「はーい!具体的になりするんですかー?」
「具体的には、、、好きな曲を歌う感じやな。」
「ここにカラオケマシンがあるからこれで歌って練習するんや!」
「それじゃあ各自練習頑張ってな!」
「はーい!!」
「黄!一緒に組まないか?」
「はい!いいでs((」
「流雨さん!私今日ペアいなくてさ、、、。良かったら一緒に組んでくれない?」
「えっ、ぼ、僕は桃くんと…。」
「1人なら仕方ないし、別にその子と組んでいいぞ。俺は違うペアを探すし」
「そ、そうですか…?ならわかりました…。」
なんかしゅんっと顔した黄を見ると罪悪感が…いや、特に何も無いな。
別の体になったとしても、そこら辺は変わんねぇんだな。
それで、俺は誰と組もうかな…。
「それなら僕と組んで!」
「えっ。」
急に話しかけられ思わずびっくりしてしまった。彼は誰だろうか…。
水色の髪で、目はそれに合うように青色の目をしている。顔的には少し黄に似ている気がした。彼は腕輪をつけてるようで、紫陽花の形をしたブレスレットがとても似合っている。
「えっと…君は?」
「はあ!?僕のこと知らないの!?」
「えっ、うん…。」
「僕は同じクラスの青!!碧笊青(あおざる ころん)!!」
「あ、碧笊?」
そんなやつ居たっけな?
あー、いや。居たわ。地味に嫌がらせしてくるやつ。
俺が虐められてるのを黙って見てたくせに何もせず、俺が1人の時によくちょっかいかけてきたやつじゃん。
前は弁当に虫入れられたっけな。
昔の主、そのまま食べてるの草すぎる。
「それで、ムシくんがペアになってくれるの?」
「む、ムシくん?!なぜに?!」
「前弁当に虫入れただろ?だから。」
「失礼すぎるでしょ!!」
「あー、はいはい。まあペアになったからにはよろしく。」
「し、仕方ないな〜!よろしくね!!」
こいつ、情緒不安定か?まあいいや。
「ムシくんはそんなガサガサボイスで歌えるの?」
「失礼だな!!歌えるよ!!歌は上手いって言われるよ!」
「ふーん、歌ってみてよ。」
「そこまで言うんだったらいいよ!」
「そこまで言ってないがな。」
「それじゃあ…[だいよげん]でも歌おっかな。」
「おぉー。」
「〜♪♪」
わお。ホントだ。確かに歌は上手い。さっきのヤギボから急に天然水に変わったぞ?
コイツさては中の人違うな?
「はい!歌ったよ!次は君が歌ってよ!」
「ん、わかった。」
(どうせ歌は下手なはず、、、)
「〜♪〜〜♪♪」
(えっ!うま!)
なんかこいつ、表情が分かりやすすぎて面白いな。まるで赤みたいだ。
「〜…よし、歌ったぞ。」
「、、、」
「な、なんだよ、、、。」
「、、、ねぇ、どうしたらそんな歌上手くなれるの!? 」
「は、はぁ?」
「僕あえて難しい曲選んだのにそんな音外してなかったし!」
「お前、わざとだったんだな。難しい曲選んだの。」
「うっ、それは、、、ごめん、、、。」
「別にいいけど。」
「うぅ、女のくせにすごい低い声でるし、これがハスキーボイスってこと!?」
「、、、?」
こいつ、俺の事を女だと思ってる?
「運動神経すっごくいいし!」
「なんなんだよぉ、、、。僕、君に一生勝てないじゃん、、、。」
「、、、」
『うぅ、また負けたよぉ、、、。僕、一生君に勝てない気がする、、、。』
、、、こいつも、前世にいた変なやつに似てるな
「別に、そんなことはないだろ。」
「、、、慰めなんていらないし!なんでも出来るやつはいいよね!」
「努力しなくてもすぐに報われるし、、、。僕の気持ちなんてどうせわかんないでしょ!」
「、、、確かにな。」
「俺にはお前の気持ちはわからない。 」
「、、、知ってたし」
「でも、分かることはあるぞ。」
「え?」
「俺は、お前の声が好きだ。」
「、、、はぁ!?////」
「正直、俺はお前が羨ましいと思うぞ。俺にはそんな声は出ないしな。」
「お前はお前なりにいい所があると思う。 」
「俺に勝ちたいなら俺に嫌がらせをするんじゃなくて、自分の得意分野を磨いてみろよ。 」
「その時、きっとお前は本当の勝利をゲットできるんだ。」
「、、、ふーん。そっか、、、。」
「、、、?」
どういう表情だ?それ
「ふーん、そっかそっか♪」
「君は僕の声が大好きなんだ♪」
「?まあ、好きだが、、、。」
「そうなんだぁ、ふーん♪」
なんなんだ?こいつ。急にニヤニヤしだして、怖いんだけど、、、。
「よし!決めた!今日から歌唱練習の時は僕とペアを組んで!」
「な、なんで?」
「そりゃあ、戦うため!」
「?」
「だから!これから毎回勝負して!絶対勝ってやる!」
「そ、そんなことしてメリットは、、、?」
「はぁ?そんなのないよ!僕がそうしたいだけ!」
「ね!いいでしょ?」
「、、、本当にこいつは。」ボソッ
あいつに似てるな。
『これから僕とずっと戦って!!絶対勝ってやるから!!』
「な、なに?別に断ってもいいんだよ、、、?」
「、、、ははw」
「!」
「仕方ねぇなwいいよ。お前が勝つまで相手してやるよ。」
「!!うん!絶対勝ってやる!!」
「あ、あと俺男な?」
「えっ、そ、そうだったの!?」
「て、てっきり女の子かと、、、。」
「だとしたらお前女子に身長で負けてんぞ。」
「うっ!うるさいなぁ!!」
こいつもやっぱり反応が面白いな。やっぱり赤みたいだ。
「、、、えっと、桃くん?どうしたんですか?」
「あっ、黄。」
「げっ!黄くん!!」
「、、、青?どうして桃くんと?」ゴゴゴ
な、なんか黄から黒いモヤが見えるんだが?
「こ、これはちがくて、、、。」
「何が違うんですか?」
「うっ、うぅっ、、、。」
「な、なあ。2人はどういう関係なんだ?」
「え?あー、うーん、、、。言うと青と僕は双子です。」
「、、、そ、そうなんだな。」
確かに似てるなとは思ったが双子とは、、、。
いやだって苗字が違うんだぞ?そんなん分からんだろ。
「あっ、苗字違うなって思ったでしょ?」
「それはただの芸名だよーん!」
「本名はー」
ベシッ!
「い”っっっ!!」
「なんで殴んの!?」
「、、、桃くんに、知られたくないんですよ。あの名前、、、。」
「?」
なんだ?俺に知られたくない名前、、、。かなりやばい苗字とか?そんなんあるのか?
「別にいいじゃん!過ぎたことだし!ていうかお父さんは冤罪だし、、、。」
冤罪、、、?てことは犯罪者ってことか?
「青ちゃん!」
「もう言っちゃうよ!僕たちの本名は青柳青と青柳黄!あの青柳裕翔の息子だよ!」
「、、、」
青柳裕翔?って誰だ?
「っ!青ちゃんのバカ!!絶対引かれました、、、!!」
「はぁ!?何時までも言わない方が嫌でしょ!僕達はなんにも悪いことしてないじゃん!!」
「だからと言って桃くんに言うことないじゃないですか!!」
「、、、」
どうしよう、これ。今更誰?とは聞けねぇよな、、、。
いや、あえて空気を読まないスタイルで行こう。よし、言ってしまおう。
「なあ、その青柳裕翔って誰?」
「、、、」
やべ、やっぱ言わない方が良かったか?
「、、、え?本当に知らないんですか?」
「うん、マジで知らない。」
この主の記憶を遡ってもなんの情報もねぇしな。
「、、、よ、よかったです!!」ギュッ
急に黄にハグをされてビックリした。
「ちょっ!黄くん!?さすがにハグは、、、」
「別にいいよ。ちなみにどんな人なの?」
「、、、青柳裕翔は連続殺人の罪を擦り付けられた僕達のお父さんだよ」
「連続殺人って、、、。」
なんか、俺みたいだな。いや、俺は捕まったし違うのか。
でも冤罪ということは違うやつが捕まったってことだろ?それなら、、、
「まだ犯人は捕まってないんだな。」
「そうらしいですね。」
「その連続殺人犯はアイドルを狙っていたらしい。」
「だから僕たちはアイドルを目指したの。そいつに復讐するために。」
「、、、まあ間違ってはないですね。」
「桃くん、僕達のこと拒絶してもいいんですよ?」
「?なんで?」
「え、だって復讐のためってことはこれから犯罪者になる可能性があるってことですよ?」
「うん。」
「そんなの、怖くないんですか?」
「?なんで怖いの?」
「え?」
「怖くないよ。犯罪者でも黄は優しいし。それに、、、。 」
昔の俺よりはマシでしょ。
「、、、桃くんって優しいですね。」
「?そんなことないが、、、。」
「ありますよ。ありがとうございます。僕達、頑張りますね。」
「ああ。俺もいざとなったら協力する。その時は相談してくれよな。」
「はい!ありがとうございます!」
「、、、桃くんって変だね。」
「な、なんだよ急に。」
「普通お父さんの名前を言っただけで距離置かれたのに、、、。」
「ふーん、そうなんだ。」
「俺はお前達のこと一応、信用してるからな」
「だから、それだけでいなくならないよ。」
「、、、会ったばっかなのに。、、、ありがとう」
「?どういたしまして?」
「桃くーん!!」
「!赤!」
「あっ!黄くんもいる!」
「どうしたんですか?赤」
「そりゃあ迎えに来たんだよ!」
「そうだったんですね!ごめんなさい。遅くなっちゃって、、、。」
「全然大丈夫!!あれ!青ちゃんもいる! 」
「え?赤もムシくんと知り合いなの?」
「うん!元同じクラスだよ!」
「そうだったんだな。」
「ていうか、なんでムシくん?」
「弁当に虫入れてきたから。」
「えっ。」
「青?」
「うっ!!もうやらない!だからいいでしょ!」
「よくありません!!嫌がらせをしたらダメって言いましたよね!」
「うぅっ、、、うるさーい!!!」
「青ちゃん。これは青ちゃんが悪いよ。」
「ムシくん、ドンマ〜イ。」
「桃くんのせいだ、、、!!絶対に許さないからなー!!!」
「ねぇ、ねぇってば!!」
「どうして無視すんの!!」
「、、、お前なぁ。勝手にこっち来てるくせに叫ぶなよ。」
「むっ!うるさいなぁ。今日は大事な話があんの!!」
「、、、なんだよ。」
「、、、あんま君に頼りたくないけどさ。」
「、、、またか。」
「、、、またって。どれだけの人を殺してきたの?」
「、、、」
「そうやっていつも黙り。」
「僕、そんなに信用ない?」
「、、、」
「、、、もういいよ。殺したくないなら自殺する。」
「じゃあね。」
「!待って!!」
「!!」
「違うよ。信用がないんじゃない。」
「逆だよ。信用してる。だからこそ嫌なんだよ。」
「また、自分の友達が消えていくのが、、、。」
「、、、ごめんね。」
「、、、なんで謝るんだよ。」
「別に、、、。」
「、、、大丈夫。悲しまないで。」
「まだ、君と一緒にいれるからさ。」
さよならまたねおれのともだち
さよならまたねおれのしんゆう
さよならまたねおれのかなしみ
まだまだつづくこのじごくに。まだまだつらいいろどりをくわえて。
うしろのしょうめんだーれだ。