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〜side北見〜
あれから数日
俺は犯人の護送をして牢屋対応を終えて鍵を閉め廊下に出た
すぐそばに気配を感じる
手には山程の書類を持ち、エレベーターを待っているロウさんが立っていた
「ロウさん!ロウさんロウさん!!」
「北見!どこいくんだ?」
「牢屋対応終わって暇してます!」
「俺も今日はローレンさん達が修習生の指導してるから手が空いてるんだ」
俺はまた気づくとロウさんの周りを嬉しくて歩いてしまう
「それ、どこ持ってくんですか?資料室? 」
「そうだよ。暇ならお前も来る?少し話そうか」
「行きます!ロウさんロウさん!」
「分かったから落ち着けよ」
俺との時間作ってくれるなんて嬉しすぎる
ロウさんが持っている資料を全部奪い取るとエレベーターに2人で乗り込んだ
「ロウさんってこんな事してくれるんですね」
「ん?こんな事?」
「2人の時間作ってくれたり」
「もうしねぇよ」
「やだ、ごめんなさい!そんな事言わないでくださいよ」
「やだね」
「だったら俺が作りますから!」
「嘘だよ。こうでもしないと会えないもんな」
休みも合わない、遅番早番もズレるとなるとなかなか顔を合わせようが無い
「俺、会えなさ過ぎてストーカーになりそう。夜とか電話したいと思うんですけど」
「なんで?かければ良いじゃん」
「ロウさんだって疲れてるのに。早く寝かせてあげた方がいいんじゃないかなぁって」
資料を机の上に上げ、棚に戻す
「気にするなよ。俺もかけるから」
「ロウさん‥‥」
2人並びながら棚に資料を戻している手を止める
俺が横を向くとロウさんも俺を見つめた
ロウさんの腕を取る
ゆっくり瞬きしながらロウさんが俺の手を握る
“ロウさん無線取れますか?”
ネス‥‥‥‥
アイツは良いところで邪魔を‥‥
“どうした?”
“書類にハンコ欲しくて、ローレンさんがロウさんからもらってくれとの事でして‥‥”
“OK、分かった。どこにいる?”
“俺は詰所ですけど行きますよ”
“大丈夫。そこで待ってな”
“了解です”
無線を終えると握られた手が離される
その手が腕の側面を撫でて耳元で囁かれた
「続きはまた今度な。夕方暇だったらまたカーチェイスやろうぜ」
「う!‥‥あ、はいっ!」
俺の高校生の様な態度にクスクスと笑いながらロウさんが部屋を出ていく
「か、からかってる?ロウさん‥‥!」
耳まで赤くなった顔を両手で触る
「はい‥‥ってなんだよ‥‥」
今の俺のレベルじゃ『はい』以上何も出てこない
それよりもロウさんのあの艶っぽさは勘弁して欲しい
「ああっ!もっと長く一緒に居たいっ!」
もしかしたら俺の恋愛レベルは『高校生』じゃなくて『中学生』なのかもしれない
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