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〜side北見〜
夕方4時過ぎるとロウさんが声をかけに来てくれた
まだロウさんは仕事の途中だったのを知っていた俺は明日でも良いと言うと『気晴らしだから』と言ってカーチェイスをしてくれる
2人で話しながら駐車場へ行き、車を出していると署の2階から大きな声が聞こえた
「ロウさん!カーチェイスなら俺もやりたいです!」
「ネス君?良いよ、早く来な」
「‥‥ヘリだけ乗ってればいいのに」
「こら、聞こえるぞ。同期なんだから仲良くしろよ」
俺の背中を軽く叩き、白いパトカーにロウさんは乗り込んだ
すぐにネスも降りて来て車に乗ろうとすると、ロウさんが窓を開けてこちらに話しかける
「無線変えろよ。北見、ネス君に教えてあげて。覚えてるか?番号」
「覚えてます!」
俺はネスに番号を伝えた
「え?何この番号‥‥暗号なの?」
「ロウさんが決めたからなぁ」
「ロウさんが?‥‥ふーん」
ネスが俺の顔を見る
「‥‥?なんだよ」
「いや?別に。ロウさんが待ってるぞ」
意味あり気な顔されたら気になるだろ
そして俺達は1時間近くカーチェイスをやり、署へと戻って来た
ロウさんは引き続き残った仕事
ネスは店舗強盗の対応
そして俺は1人で射撃場へ
イヤーマフを着けて射台へ立つ
銃を構えて片目を瞑ると、何処からともなくあの日の香りが漂う
俺は慌てて周りを見渡すが誰もいない
そして香りも消えている
“小柳いる?”
今思っていた人の名前が出されてドキッとする
“あれ?小柳無線取れそう?”
さっき戻ったからまだ署内に居そうだけど、外にでも出たのか?
何かしてるのだろうと少し気にはかけながら訓練を続ける
しかし、集中力が続かず俺は射撃場を後にした
一階の廊下を歩いているとローレンさんが奥の扉から出て来た
「ローレンさん、お疲れ様です。ロウさん居ましたか?」
「お疲れ様。小柳は居ないみたい」
「無線入れてた時は署内に居たと思うんですけど」
「俺も見かけてたから居たと思うんだけど、まぁ急ぎじゃないから後で良いよ」
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様。気を付けて帰れよ」
ネスがロッカールームから私服で出て来た
「じゃあな、ネス。それとローレンさん、ロウさん見かけたら探してたって伝えておきますね」
「あぁ、助かるよ」
「え?ロウさん居ないんですか?」
「そうなんだよ。無線に返事がなくてね」
「そうなんですか。あ、もしかしたらさっきカーチェイスしてたから無線番号切り替えてないとか?」
「確かに!」
ロウさんってで意外と天然なところが可愛いんだよな
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