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(小さい男。そんなだから奥さんに相手にされないんだよ。)
「まああたしは、あんたが何しようと口出しはしない。人それぞれだしね。けど、あんまりやりすぎると客が逃げて…」
「もう逃げられた。てか、私そんなことしてない…」
溜め息混じりに言う。すると、気の抜けた声が間髪入れずに聞こえてきた。
「えっ?じゃあ何で…」
「色々と厄介なことがあって。そのおかげで今日全滅なんだけど。」
「…まあいいや。詳しくは聞かないよ。じゃあ、今度その噂を客から聞いたら、誤解だって言っとくよ。1人ずつね。そしたら、少しずつ戻ってくるでしょ。」
「…ありがと。」
それだけ言って通話終了ボタンを押した。
姫菜はいつもこうだ。深いことは聞かず、その上何かを察知してくれて気を利かせるのが得意。
出会い方はあまりよくなかったが、そのサバサバしたところに救われている。
「はあ。ま、しばらくは大人しくしてるか。」
新しい出会い系サイトに登録するのもいいかもしれない。
なんてことを考えながら、荷物が休憩室にまだあったことを思いだし、しぶしぶ戻る。
そもそもこんなことになったのは店長のせいだ。あの日見つからなかったら普通にできていたのに。
けど、不思議と恨む気持ちはあまりなかった。