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rk「毎度で申し訳ないけど、お留守番しといてね。」
「うん、いってらっしゃい。」
私はにぃを見送って、部屋に戻った。
当たり前だけど、私しかいないからシーンと静かだ。
早速部屋に戻った私は、自分の部屋のタンスを引いて奥をあさる。
「あった!っと…これこれ」
私は謎の小さい機械のようなものを取り出す。
これは───小さいトランシーバーみたいなやつ。
これでmmさん達との通話ができるようになっている。
いつもはにぃが遠征に行ったこの間に、このトランシーバーで情報の取引をする。
このトランシーバーの小さなボタンを押すと、ジジッジジッと機械音が鳴る。
電話で言う、コール音的な?
しばらくすると、
mm[ はい、mmntmrです。 ]
例のmmさんから返答があった。
今日もトランシーバーに問題なしっと…!!
「mmさん、hnです!rkにぃが、丁度遠征に行ったんで!」
mm[おけです。報告ありがとうございます。
…ちなみに他に変わったこととか、報告することはあります?]
「特にないですかね〜…」
こんな感じで、毎回近況報告を行っている。
これも見つかると危険なので数分で終わるんだけどね。
mm[それでは、報告ありがとうございました。
また次の機会で。]
「はい、お気をつけて下さいね、mmさん」
そう言って今日の報告も終わった。
またミニ型トランシーバーをタンスの奥深くに直して、ソファーに座った。
さっきまで見ていたテレビ番組も終わっていたらしく、ニュース番組に変わっている。
うーん、なんか面白い番組ないかなぁ。
そう思ってリモコンを取ろうとした時、私の胸を貫くようなニュースが目に入った。
newscaster«続いてのニュースです。先日〇〇地区の周辺で、新たな人外を捕まえたと、狩人から連絡がありました。
これにより、狩人側は情報聴取や地域捜索等を強化するとのことです。»
その音声とともに、映像が流れ出す。
あれ…この人、見たことある?
映像に写った独特な髪色が特徴の女性二人に、見覚えが合った。
しばらくその画面に目を吸い込まれていると、顔がちらりと見えて、確信した。
「chkさん、kcさん … !? 」
私は思わず呟いてしまう。
そうだ、やっぱりchkさんとkcさんだよ…
私は恐ろしさと恐怖で足が強張る。
お二人とは仲が良く、たまに裏の世界の見張りを任せられているから会うことがあった。
最近はにぃが活発に動いていたから、私が外に出る機会も減って会うことは減っていたけど…
…まさか捕らえられたのがchkさんkcさんだったなんて。
近しい立場の人が減っていってしまうことに、怯えが止まらない。
私もいつかバレてしまうんじゃないかって。
私は何も出来ずに終わってしまうんじゃないかって。
そう思うと悔しさで胸が苦しくなる。
違うよ違う、何も出来ないかも、バレてしまうかも、そう思ってるだけだから、何も出来ずバレてしまうんだ。
自ら動く勇気がないと。
自ら動かないからこそ、何も出来ないんだ。
最終的取り残されてしまうんだ。
だったら……
少しでも私だけでも動かせて。
ダッ
私は深く考えるのを後にして、外へ飛び出した────。