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どもども、ローズちゃんです。
鬱先生が終わらせてなかった書類をくすねて出してきました。
いやー、受け取ってもらえて良かったぁ。
あの書類、超重要書類で4回目の時に鬱先生が出さなかったせいで幹部が何人か死にかけて大変だったんだよね。
ただでさえ戦争が多い我々軍、やっぱりリスクは最大限除かないとね。
さて、俺の中の今日のノルマは終わり______にしたいところだけど、
今日はオスマンが他国のくそ狸と喋る予定だったはずだ。
確認ついでに鍵付きの手帳を開けば、今日の日付の場所に刻まれる”書類”と”外交”の文字。
うん。この色とマークから分かる通り、やっぱり今日は毒殺未遂の日だ。
1回目はオスマンに信用されてたから、外交のときに護衛として側に居れて気付けたんだけど、今回は違う。
俺の素性があやふやなことを一番危惧しているのはオスマンだし、俺の媚びに笑顔を返しながらも一番辟易しているのも彼だ。
だから今回の護衛は俺じゃなくてひとらん になってるけど…
「ひとらーん♡おはよぉ♡」
「げぇ…
……何か用、ローズ。」
おい、今こいつげぇって言ったぞ。
俺の顔を見るなり嫌そうな表情こちらを見つめる赤のバツ印がついた白マスクがトレードマークの彼。
多分朝だし畑に居るだろうなと思って来てみたら案の定そこにいてくれた。
「ねぇ、ひとらん。今日のオスマンの護衛代わって欲しいなぁ?♡」
ひとらんが俺に最大限の嫌悪を抱いて話を早く切り上げたいが為に了承することを願って、偽物の胸をグッと押し付け媚びるような視線を向ける。
おい、そんな顔しなくていいだろ。
なんだその汚物でも見るような目は。
「いくらなんでも急に護衛を代わるのは無理。」
ぐう正論。
正論過ぎる。しかしここでめげてはいけない。
有能幹部ローズちゃんはちゃんと理由を持って来てるのである。
「でもぉ…今日の外交相手の△△国ってぇ、警戒心強いんでしょぉ?
ひとらんみたいな見るからに強い人が行くよりぃ、私がメイドのフリとかで側に居た方が警戒されないと思うけどなぁ?
ね?代わってくれる?♡」
はい、決まったぁ!
明らかにこじつけみたいな理由だし
そう思うならもっと早めに言えよ案件だが
これを拒否する理由はない。
これが当日でも通ることを信じて、できるだけ好感度を下げれるようギリギリまであっためて置いたのだ。
ぐっ…、と歯を食いしばってこちらを睨むひとらん。
ほらほら、了承した方が得だよなぁ?
「……チッ、分かった。
オスマンには俺から伝えておくから。
でも次は無いからね。」
軽く殺気を向けてくるが、ぶりっ子スマイルで受け取る。
ストレスを与えるのは申し訳ないが、未来の為にも嫌われる布石はいくらあっても足りないのだ。
まあ、ちょっと可哀想だから畑に関する予算案を通しやすくしといてあげよう。