テラーノベル
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パチパチと炎が踊り狂う
人々の悲鳴がその” 美しく狂った劇 ”をより象徴させる
真っ赤な波に飲まれていく国の様子を見て一人静かに嘲笑う
その者の顔は隠されており、よく見えない。
「 ……ははッ笑 」
「 ほんま、哀れな国やわ 」
そう一言を残して去っていく
黒いフードマントを付け、新たな武器となった斧を引きずりながら一人静かに拠点へ戻る
『 ッ……は、? 』
すれ違うように、一人の紫色のマフラーの男がその様子を眺める
ジジッ
【 ■月■日、我々国が奇襲されたようです 】
【 なおその犯人は現在逃走中で、被害はゼロとのこと。 】
【 その事態に総統であるgr氏はーーーーーーーー、ーーーーーー……ーーーー____ 】
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風が歌うように吹き、森が踊るように葉を舞って揺れる森深くの場所、
そこにはポツンと一つだけ建っている一軒家があった。
それは木で出来ており、自然に溶け込むようになっていた
その時、一人の黒いフードマントを被った男が戻ってきた
「 ……これで彼奴等はしばらく戦争出来ひんな、笑 」
そう言いながら嘲笑うその男の被り物は外され、鏡に隠されていた顔が映る。
そこには、黒髪で真っ赤に燃えるような赤い瞳を持っていた男の顔が映される
フードで隠れていた首元をよく見ると、「 1945_T 」と小さく書かれている
男の瞳は赤黒く濁っており、光を通すことを拒否しているようだ
その姿を見て吐き気がしたのか、口元を抑え、トイレの方へ走っていく
トイレへ着いた途端、喉まで逆流していた異物が一気に上がってきて思わず吐く
「 オェッ……ゴホゴホッ…あ”、… 」
吐いたが吐き気は治らず、胃液だけが口から吐き出るだけ
最近まともに食事を取ってなかったからかと考えたが、徐々に頭痛もしてきた
うまく体を動かすことが出来ない
吐き気に耐えながら近くの棚を漁る
棚を漁っていくと予備の薬があったからそれをすぐさま数錠取って口に無理やり放り込んだ
次第に時間が経っていくと頭がぽわぽわしてきた
適量を飲むということを忘れていたが、んなことはどうでもよかった
フラフラしながらも寝室まで行き、ベッドに寝転ぶ
力の入れ方なんて今は分からなかった
後からくる苦しみがあると分かっていても、今だけはこの楽な方で居たい
そう思いながらゆっくりと瞼を降ろす
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ベッドで仰向けになり、天井を見上げていたら痛みが引いてきた
嫌な夢を見た気がするが、もう忘れた
無駄な夢だったから
「 流石に腹減ったな… 」
そう一人静かな空間で呟きながらキッチンへ行く
適当に冷蔵庫から栄養補助食品とか取り出して机に座って口へ放り込む
味は全くしない、でも食っとけばなんとかなるやろ
「 昔は食べること好きやったな…w 」
「 今では味覚すら忘れてもうてまともに食べとらんしな 」
何も味がしない食事は不味い
俺の人生の9割……いや10割ぐらいでもある楽しみの食事がなくなってまさに無
クソ笑える
…はぁ、なにしよ
そう思って本を開く
ちなみに此処にある本は全部読み漁り済み
ちゃんと盗まず自腹で買っとるからな、安心しろよ?
……そういや仕事終わってなかった気がするな…
「 はぁ…仕事あるんかな…♪ 」
PCを開いてメールの方を眺める
依頼は無し
あぁ、言い忘れとったな
俺はあの事件【 亡国奇襲放火事件 】という目的を果たした後、何でも屋みたいな形で仕事し始めた
一応金持っておかんと生活できひんしなぁ…
……ま、殆どが56しの仕事やったりハッカー関連で飽きた()
ハッカーに関しては本とか読んで学んだ。utやrbrみたいなんでもないしな
……あれ、utとrbrって…
「 あ、せやったせやった……俺の信頼できる仲間やったな 」
ほんま、彼処で行われた実験と雑な扱いのお陰で記憶がごちゃごちゃになってもうた
なんかもう記憶が混雑して仲の良かったやつの名前以外よく分からんくなってきた
「 …でも、もう会えへんから 」
俺が勝手に出ていったからな、彼奴等に顔を合わせる権利なんて持って良いわけ無い
彼奴等が良いって言っても俺は気に食わん
…無言で出てって相手国に寝返ったっつー愚か者やぞ
そりゃあ嫌う嫌う
どうせ俺なんか人形程度だろ
「 …ぁッ、やっべぇまたや… 」
最近よくネガティブ思考にいってしまうことが増えた
別にメから始まってラで終わるやつとかヤで始まってラで終わるやつみたいに病んではない
決して(迫真)
「 …もう今日は寝よ 」
考えることを放棄してまたベッドが置かれている寝室へ行ってダイブする
ふかふかの布団で身体の疲れが抜けていく感じがする
あーむっちゃ眠い
そういや最近まともに寝てなかったな…
……今日ぐらいは、一日中寝てもいいよな
そう思って俺は瞼を閉じる
小鳥のさえずりと風が吹く音が耳に残ったまま意識がだんだん遠くなる
コメント
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niッ?!