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十一話 scary Forest
◆ 森を駆ける者
テクノコブラの尾が空を薙ぐ。
その瞬間、ロストロビンが疾風のように走り出す。
ズバァァァッ!!
それを認識できた頃には――
蛇の尾は切断され、胴は輪切りになっていた。
⸻
真理(硬直)
「──っ!? 速──」
世界がスローモーションになる中、
ロストロビンだけが通常速度──いや、それ以上で動いている。
テクノコブラが口を大きく開け、噛みつこうとする。
だがロストロビンはフォレスピアをわざと投げ捨て、餌にさせる。
噛みつかせている間に、
ワイルドセプター(斬撃特化の剣)を地面に突き刺し、
モルタルヴァインズ(蔦で構成されたモーニングスター)で首に巻きつけ──
ギリギリギリギリ……!!
首を締めあげ、断裂。
直後、地面に刺しておいたセプターを抜き、
真上から──
ズバァアアアア!!
真っ二つ。
テクノスネイクは、もはや動かない。
胴体から火花が散り、爆発が背後で起こる。
真理
「……な、なにが起きたの……?」
⸻
ロストロビンは、何事もなかったかのように手袋をはめ直す。
リン(大混乱)
「!?!?!?!?! なに!?どうなってたの!?!?!?」
真理(呆然)
「……見えなかった……よね?」
バルト
「……マジでなんなんだ、おっさん。
いや、てか、お前……ほんとに”おっさん”か?」
⸻
ロストロビン(静かに)
「俺は、森そのものだ。」
「《ヴェルデリア》。それはこの世界を創造した創造神の名。
昔、俺はそいつをこの森に封印した。」
「今やヴェルデリアは、森に溶け込み“草気”としてこの地に循環している。
つまり森の命そのものだ。そして俺は、それを抑える存在。」
「だから森からは離れられない──
新月の夜を除いてな。」
真理(固まる)
「???????」
リン(若干理解)
「つ、つまり……神に近いってこと? その、ランクは?」
ロストロビン
「ランク?……人間だった頃はZだったな。
今は──」
バルト(割って入る)
「特異Z(とくいゼータ)。
神や半神、理そのものが存在する場所……人の域を超えた存在に付けられる、最上位ランク。」
⸻
ロストロビン
「……もう話すことはない。
この遺跡の壁画を解読する。内容が気になるなら──勝手に見ていろ。」
彼の背後では、封印の遺跡が静かに呼吸を始めていた。
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