とある山道の中、1台の車が走っていた
車の後部座席に座っている少年は、前の座席にいる両親らしき2人に声をかける
『凄い景色だね』
『かなり高い所まで来たからなぁ』
その時、助手席に座っている母親が、上を見て声を上げる
『……あら?』
その声につられて、3人も上を見上げる
見ると、頭上に楕円形に光る謎の物体が此方に向かって俊敏な動きで浮遊してきていた
そして、空中でひらりと身を翻すと、少年の乗ってる車の頭上付近で停止した
両親2人は、眉を顰めて車から降りる
少年も、妹らしき幼女の手を取り、車を降りた
『これは…』
父親は目を見開いてその物体を見つめる
すると、突然、物体が眩く光り始めた
少年は、その物体をキラキラとした碧の瞳で見つめていた___
ラントは鋭い目つきで、Yの校舎を見上げている
ラント「……アゲハ____」
愛おし気にに呟くラントのその声は、桜の舞い散る風の中に溶け込んでいった
~生徒会本部~
ツトム「YSPクラブが、クラブ支持率で第1位となりました」
パソコンの画面を見つめながらそう声を上げるツトムに、ラントが眉を顰める
ラント「何?」
ツトム「七不思議を解決した事が広まったせいで、この様な結果になったようです」
ラント「我が『UFO研究クラブ』の支持率を上回ったという事か?」
ラントは机に肘を突き、手の甲に顎を乗せながら訪ねる
ツトム「そうなります」
ラント「彼らは分かっていない様だな。自分達のやってる事の愚かさを…」
ラント「排除するか」
ツトム「YSPクラブを潰す…という事ですか?」
ラント「だがその前に、どうやって七不思議を解決したのか少し興味がある」
ツトム「その件であれば、既に調査済みです」
ツトムはパソコンを操作する
すると、長机の1番端際に設置されてあるスクリーンがウィーンと上昇してくる
ラント「ほう…相変わらず、手回しがいいな」
ラントは何気にツトムを褒めると、スクリーンの映像を見つめる
そこには、変身メダルをセットし、剣豪紅丸に変身するジンペイの姿があった
ラント「これは?」
ツトム「彼等は、YSPウォッチというガジェットで、特撮の変身ヒーローの様な
可笑しな格好に変身し、何らかの技を使って怨霊を撃退しているようです」
スクリーンを見つめていると、最後にアゲハの変身シーンが映る
ラント「アゲハッ…!?!」
余りの不意打ちに、ラントは驚いて目を見開き、思わずアゲハの名を呟いてしまった
だが、幸いにもツトムにこの声を聞かれることはなかった
ツトム「更にもう1つ。この女は、何やら特別な妖気をコントロールしているようです」
ラント「特別…?他の奴等と、何ら変わりはないが……」
ツトム「これを見てください」
ツトムはアゲハが変身メダルをセットするシーンで一時停止する
ラント「…他の奴らと、ウォッチの色が違う…?」
ツトム「ええ。どうやら、この女に怨霊という者は存在せず、神の力を借り、変身しているようです」
ラントはツトムの説明を一通り聞くと、
もう1度スクリーンに映っているアゲハを見つめた
キンヤ「七不思議を解明した君達に、提案がある」
アゲハ達1年YSPクラブ組は学園長に呼び出され、ここ学園長室に訪れていた
ジンペイ「ほう…たくあんがあるのか…」←
マタロウ「提案!;」
たくあんの着ぐるみに、たくあんの皿を持ってるジンペイに、マタロウが半目になって突っ込む
他の一同もジト目でジンペイを見つめる
アゲハ「なんですか?」
アゲハは脱線しかけた話を元に戻し、学園長に尋ねた
キンヤ「うむ。実は君達に、『Y学園最大級の謎』を解いて欲しいのだっ!!」
マタロウ「最大級キタ――――ッ!!」
マタロウは腕を天に突き出して喜び、他の4人は目を見開いて眉を顰める
キンヤ「この学園にある『Yサークル』というものを知っておるかな?」
アゲハ「Yサークル…?」
聞き覚えのない名前に、アゲハは眉を顰める
ジンペイ「知りません」←
マタロウ「ボリボリ五月蠅いし!!;」
呑気にたくあんを咀嚼するジンペイに、思わずマタロウは突っ込んだ
キンヤ「30年前、学校建設中に設計図になかった建物が、敷地内に突然出現した。
しかもそれは、工事業者が取り壊そうとしても壊せない程頑丈に出来ていたのだ。
とは言え、学校の建設に支障はなかったので、それらの建物を放置する事にした。
我々は、この謎の場所を世界中にある謎の図形『ミステリーサークル』に肖り、
Yサークルと名付けた」
キンヤ「これこそが、今や学園最大級の謎なのだ!」
アゲハは隣でボリボリ咀嚼するジンペイに突っ込む
アゲハ「緊張感無くなるから!そのたくあんは後で食べて!;」
ジンペイ「は~い」
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