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「か~わいいねえ~二人とも♡」
「ぁ、あの……?」
「リンタロウ、気持ち悪い」
「はあ……、愛い……。愛いのう~、私の元に来んかえ?」
「はあ~………」
「あの……姐さん、首領、其処迄にしてやって下さい…」
何で私達はポートマフィアのトップクラス(その内の一人は本当にトップなのだが)二人に抱き締められているのだろうか。
こうなった原因は数時間前に遡る────。
数時間前…………。
「其処の麗しいお嬢さん達!如何かな、僕と一緒にお茶でも……」
銀ちゃんと食料を採っていると、突然誰かに声を掛けられた。不意を突かれ、咄嗟に銀ちゃんを後ろに庇う。本当に出たのか、変態……。
「生憎、此方も暇ではないのでな、他を……」
あたれ、とその男を見ると、きょとん、としてこっちを見ている太宰さんと目があった。何かを思案しているようだ。
一方私の脳内はパニックになっていた。何でここに!?!?が二割。残りの八割は、
────うわーーーーっ!!!!顔が良い!!!!
だった。呑気。
太宰さんが口を開く。
「あれ、?君、女の子じゃなかったんだね……?」
女の子かと思った……、と口を覆う。ほんのりと頬が染まっている。本当に間違えたらしい。まあこの見た目だし、髪も伸ばしてるから気持ちは分からんでもない。
「オイクソ鯖ァ、手前サボって女口説いてるたあ善い御身分だなァ?」
「ちゃんと仕事はしてるってば。此れがサボってるように見えるなんて、頭脳も蛞蝓レベルのようだ。聞き込みの途中だよ。後、其の子は男の子ね。僕も間違えたけど」
これまたフリーズした中也さん。そんなに衝撃的だった???
てか顔面の暴力ヤメテ死んじゃう……。直視できないんだけど………。
「其れで、用件は何だ」
「「吠えぬ狂犬」って知っているかい?」
「性別不明、年齢不明、判っているのは貧民街に住んでいて、強大な異能力を持っていることだけ」
知っているに決まっている。それは私────芥川龍之介の通り名みたいなものだからね!
私に質問している太宰さんの顔はにっこり笑っているけれど、どことなく圧を感じる。あ、これ絶対確信を持って聞いているやつだ。逃げられない。が、ここで諦める私ではない。何故なら今ポートマフィアに入ると、銀ちゃんが危ない。そう、首領が少女趣味なので。
「名前だけは聞いたことがあるが、何故僕に訊くのだ。あれは此処とは別の場所に住んでいるのだろう?」
「うん。そうだったんだけどねえ、最近移動したらしいんだよね。此処に」
「そ、…うだったのか。そんな噂は聞いたことがない。なんせ、今年の冬は大勢死んでしまったからな。此の近くに住んでいるのは僕達のみになってしまった」
冷静を装いながら返したが、内心冷や汗だらだらである。何でそこまで情報が集まっているのか。ポートマフィア恐るべし。やはり敵に回すべきではない。まあ知ってたけど。
「そっかそっか……。よし、単刀直入に云おう」
「君をマフィアに勧誘しに来たのだよ。「吠えぬ狂犬」君?」