サ「そう、オレのスペシャルこうげき…どこかで聞いたことあるか?」
そうだ、『ニンゲン』が『ケツイ』を抱き続ける以上、
オレが勝つ事など夢のまた夢だろう、
ならばと考えた逆転の発想、『ケツイ』を利用した起死回生の一撃を狙うのだ。
なんせ、それしか勝ち目は無いのだから、
サ「覚悟しなよ…次の攻撃の後で発動するから」
サ「それがイヤなら、今の内に〇んだほうがいい」
最後まで、カマをかける、煽ってなるべく警戒させる、期待させる、『ケツイ』を抱かせる。
そうして初めて、このスペシャルこうげきは、意味を成すのだから。
そうして、また攻撃を放つ、『ニンゲン』は、擦りはするものの、致命傷にはならない、
もうパターンが読めてきているのだろう。
そして、スペシャルこうげきの前に、
オレは持てる全てを尽くして、攻撃をしようとした、瞬間、
《パァァン 》
そんな音が聞こえたような気がした、
なんの音かと『ニンゲン』を見ると……
『アレ』は……バタースコッチシナモンパイ?
こんな時に見るはずがないものを見て、頭に疑問がよぎる。
何故今パイを?
そう思った瞬間、その行動の意味を知ることになる。
そう、『ニンゲン』の傷が癒えたのだ。
理由は分からない、ただそこには、傷が癒えたという、結果だけが残った。
思わずいつも以上に笑みが溢れる、幸福ではなく、絶望の、
サ「なるほど、『そっち』も、全力ってことか…!」
そして、オレの放った攻撃をパイを食べたあとに躱すという、
普通なら有り得ず、不可能な事をしてから、
『ニンゲン』は、オレに刃を向ける、
どうやら、始めるようだ。
そして、
《シュン》
向けられた刃が、放たれる。
それを避けると、オレは最後のカマかけとして、
サ「はぁ…仕方ないな…じゃ、いくぞ?」
サ「この攻撃を乗り切ったら、オレのスペシャルこうげきが、炸裂するからな」
そう言い残し、オレはスペシャルこうげきの為にある、前菜を放った。
それは今までのものとはレベルが違う位の、猛攻だった、オレが持てる全ての能力、
重力操作
無数の骨
近道
あおこうげき
など、使える全てを使い切った。
そして最後は、初見なのだとしたら、状況すら読み取れない、
無数の「ガスター』ブラスターを放った。
目の前の一人だけの『ニンゲン』を〇すために、無数の猛攻が、
先程とは、桁違いのスピードで飛び交う。
まさにスペシャルこうげきに期待して、
【ボーン】としてたら、躱せない攻撃だ。
だがそんな中、『ニンゲン』は…
立って見せた。
あの攻撃を、
刹那、『ニンゲン』を壁にぶつける、重力操作を利用し、何度も何度も何度も!
何度ぶつけただろうか、『ニンゲン』を解放する、
否、正確には力が入らず、解放せざるを得なかった。
『ニンゲン』は、見事オレの前菜を躱しきり、
スペシャルこうげきへの、期待さえしていた。
それを見てスペシャルこうげきをする『ケツイ』を抱く。
そうして、オレは口を開けた。
サ「ハァ…ハァ…」
サ「仕方ないな…」
サ「それじゃ、ホントにスペシャルこうげきをお見舞するからな。」
サ「覚悟はいいか?驚くなよ…」
そうして、この場には………
「…………………………」
静寂だけが鳴り響いた。
サ「どうだ?」
サ「〖驚くな〗って言っただろ?」
サ「そう、スペシャルこうげきなんてないんだ。」
サ「いくら待ったって、何も起こらないよ。」
もう充分だ、オレは疲れた、だから、こんな方法を使うしかないんだ。
隠す必要ももう無い、全て話してやるさ、オレの考えた、スペシャルこうげきを、
サ「へへへ…驚くわけないよな?」
オレが『お前』を〇す方法、それは…
サ「そう、『お前』を倒すなんて、オレにはムリなんだ。」
これは、『ゲーム』だ、だからこそ、
サ「『お前』の『ターン』になったら、いつかは〇され……」
これもういいか、
サ「いつかは殺される。」
そう、『ゲーム』だからこそ、
オレは『ニンゲン』いや、『プレイヤー』に勝てない、
だからオレのスペシャルこうげきは…
サ「それで…思い付いたんだよ…」
サ「『お前』のターンにならなきゃいいって。」
サ「だから、お前が諦めるまで、オレのターンを、続ける事にした。」
そう、これがオレの考えたスペシャルこうげき、
〖何もしない〗だ、
馬鹿馬鹿しいし、子供みたいな屁理屈だが、これは『ゲーム』なんだ。
神に祈っても勝てない。
それなら、こんな屁理屈に頼るしかないだろ?
たとえこれにより、
サ「ここで二人が、永久に闘うことになってもな。」
サ「分かったか?」
オレは、この世界を守るために、出来るだけのことはやるだけだ。
そして、辺りを静寂が支配した。
そして、静寂は、破られる。
サ「ここに居ても、タイクツするだけだ。」
サ「っていうか、もうタイクツしてきたんじゃないか?」
サ「タイクツしたら、お前は『やめる』だろ?」
もう何も無い、と『プレイヤー』を、この『ゲーム』から追い出すんだ。
また、辺りを静寂が包み、
そして、また、静寂が壊される。
サ「知ってるよ…『お前』みたいなやつのことは…」
サ「『ケツイが堅い』…って言うんだろ?」
サ「何があっても絶対に、諦めようとしないんだ…」
サ「頑張った所で、いい事なんて一つもないのにさ。」
サ「どれだけハッキリ言ってやっても…」
サ「やめようとしない…」
居るだけ時間の無駄だと、思いこさせるんだ。
サ「いいか、悪いか、なんて、関係ないんだよな?」
サ「『できる』ってだけでやろうとするんだ、そう…『できる』って だけで…」
サ「…やらずにはいられないんだ。」
何度目かの静寂の後
また、破壊される。
まるで、『ゲーム』の、『ロード』みたいだよな?
そう考えると、皮肉に思えてこないか?
『プレイヤー』と『読書』さん達よォ?
だが、そんな『繰り返し』も
サ「だけど、今度こそホントに終わりだぜ。」
サ「これ以上は何も無い。」
サ「だから、オレから言えることは一つだけ、」
ここで、会話は、
サ「『お前』は、その強い『ケツイ』で…」
この『ゲーム』は、
サ「すっぱり、諦めることだな。」
これで、終わった、何もかも救われたのか?へへへ…
そう考えると、何だか、眠くなってきたな、疲れ過ぎちまったかもしれないな。
サ「そして、ふああああ…何か、別のことでもするんだな。」
後は…後は、『ニンゲン』が、消えるのを見届けるだけだ。
もうずっとオレのターンなんだ。
大丈夫、待つだけさ。
『アイツ』に出来ることなんて、何も無い、あぁ、な、にもない。
まずい、睡魔が、ここまで襲ってくるとはな、
………………………
…………………………………
……………………………………………
警戒しながら、少し仮眠、を取らせて、もらうか
サ「zzz」
《 ヅルヅル》
《ヅルヅル 》
[こうげき]
フ「………」
《シュン》
サ「おーっと、そうは問屋が…」
キ「 IvI 」
《シュン ザンッ》
«9999999»
あぁ……
オレは…やられたって事か…
……………………………
まぁ…『ゲーム』に…こんなトンチキ…
効くわけないよな……
あぁ…視界がボヤける……
これはもう…ダメ…だな………
サ「…」
サ「…」
サ「…」
サ「ハハ…どうやら、ここまでみたいだな」
ダメだ…力が抜けていく…だが…コイツだけは言っとかないとな…
サ「いいか…?」
サ「オレは止めたからな?」
サ「んじゃ…」
どうせ死ぬんだ…最後は…
サ「グリルビーズにでも行くかな、」
おっ…丁度いいとこにいたな…
今からグリルビーズに行くとかだったんだが、来るか?
へへへ…そうか、そんじゃ…行くか……
サ「パピルス、お前腹減ってるか?」
あぁ…光が痛いくらい眩しいな…………
コメント
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ついに読者にまで問いかけてきたの興奮&鳥肌モンです、、、、、😑✨
最高すぎました! 恵んでくださり、ありがとうございます!
こんな話作れるのやばい!