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「……ん?」
廊下を歩いていると、何やら話し声が聞こえてきた。随分騒がしいな…? なんて思いながら声の聞こえる方を覗き込むと、そこには数人の男たちが立っていた。黒い服が印象的な集団。……え? あれって……サイファーポール……??
俺はそっと壁に張り付くようにして隠れた。ちらっとしか見なかったけど、いたのはスパンダムとジャブラ、か? 大体のメンバーはまだウォーターセブンにいるはずだもんな。なんで海軍本部にいるんだろう。
俺がそんなことを考えていると、彼らは俺に気づくことなく、どこかへ行ってしまった。俺はほっと息をつく。よかった……気付かれなくて。
にしても、実際目にして分かったが、何とも言えない威圧感というか……存在感というのか。ロブ・ルッチを前にしたら俺、腰とか抜かすんじゃないだろうか。
「おっと、こんなとこでぼーっと突っ立ってる場合じゃねえや」
俺はガープさんのところに戻ろうと踵を返した。だが、そこで後ろから誰かに肩を掴まれる。
ギギギ…と壊れかけのロボットのように振り返れば、そこには全体的にチャイナっぽい大男がいた。ジ、ジャブラじゃないっすか……。
「CP-9の方々が俺に何の御用でしょうか……」
「いやなに、ちょっと道を教えてほしいんだよ。ここは広くてなァ」
あ、そういうことね? いや~焦った……。てっきり何かされるんじゃないかと思ったぜ。
「俺でよければご案内いたしますよ」
「おう、頼むわ」
俺は話しかけてきたジャブラと、その後ろで辺りを窺うようなスパンダムを後ろに、本部内を歩き始めた。普通に出口の方に案内するだけなのだが、それでもやはり目立つようですれ違う海兵たちがこちらを見てくる。まぁそりゃそうだよね……。
「うおあっ!?」
「!?」
後ろにいたスパンダムが突然そんな声を出して派手にこけそうになる。普通に歩いてただろ。何もないところで転んじゃうドジっ子なのかお前は!!! そんなことを思いながら、俺は咄嵯に彼の腕を掴む。そしてそのまま自分の方へと引き寄せた。
「だ、大丈夫ですか…?」
「あ、ああ……」
「気を付けてくださいね……」
俺はそう言ってから手を離す。ジャブラがけらけらと笑っている。
「すごい反射神経だな。海兵じゃないんだろ?」
「…まあ、一応。お手伝い…雑用? みたいな感じですね」
苦笑交じりにそう言うと、ジャブラがすぅっと目を細めた。……お前そういうキャラじゃないじゃん。そういうの良くないと思うんだが。
なんとなく背中にゾクゾクしたものを感じながら本部の入り口まで来た。
「お帰りはこちらからです」
「案内ありがとな。また来たら頼むぜ」
「はは、はい。俺でよければ」
また同じようなことを言って、俺はスパンダムとジャブラのCP-92人を見送った。
「どっと疲れたな……」
「こんなところで何してるんだ? ジェイデン」
「センゴク元帥、いえ、お客様のお見送りをしてただけです」
「お客……ああ、サイファーポールか」
「はい。案外悪い人じゃなかったですね。少しの間接する分には」
「それにしては疲れた顔をしているじゃないか」
「あはは…そんなにです?」
「あぁ。お茶にでもしよう。丁度美味しい茶菓子をもらったところだ」
その言葉に甘えて、俺はセンゴク元帥と一緒に部屋に入った。出してくれたお茶菓子は羊羹だった。ほんのり甘い。美味しい。
「こんなに美味しいの食べさせてもらっちゃっていいんですかね…」
なんて言うけど食べ進める手は止まらない。だって美味しすぎるんだもん……。
「構わんさ。たまにこうして休憩することも必要だからな」
センゴク元帥がそう言いながら笑う。俺もつられて笑った。