夏は不思議だ。
全てのものが美しく見え、自分の怠惰な一面がよりはっきりと分かる。
だが、心に酷い傷を負った者は、その夏という一時の美しさに希望を持ちすぎて、その世界へ消えようとしてしまう。
「じゃあ、何に希望を持てばいいの?」
そんなの簡単だ。
希望を持たなければいい。
美しい希望を持ってしまうから、より醜い部分があらわになり、絶望してしまう。
なら、最初から、周りに、将来に、希望を持たなければいいじゃないか。
そうすれば、たとえ周りが何かしてきても、そんなもんだ、で済ますことが出来る。
もちろん、生きる希望が無くなってしまったら、もうどうすることもできない。
その人の心はとっくに消えているのだから。
もしそうなってしまったのなら、
夏という美しさに、
海の中の世界に、
空の上の景色に、
希望を持ってもいいと思う。
きっと後悔するけどね。
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