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学校生活
咲希said
入学式から一ヶ月が経って、だいぶ学校の生活にも慣れてきた。
友達も出来たし勉強も何不自由なく出来てる。
だけど一つ気になる事があった。
それは、学校でよく耳にする噂話。
その内容は
「全てを手にした美男美女が学校にいる」
って言う噂。
その噂を耳にしたアタシは、噂の概要を知りたくて友達に詳しく聞いてみたけど何故か羽生らかされてしまった。
その事をお兄ちゃんと、とーやくんにも伝えると二人は、噂について一所懸命に考えてくれた。
けど結論が出る事はなくてアタシは、モヤモヤした気持ちのまま次の日を迎えた。
今日もモヤモヤを抱えたまま学校に向かう。
いつも通り、とーやくんと一緒に学校に行き廊下で別れる。
そのまま廊下を歩いていると教室の方が騒がしかった。
何があったのかと教室まで小走りで向かっている途中の事だった。
アタシのクラスと隣のA組から女の子達の声が聞こえてきた。
「天馬さんって、やっぱりあの天馬司と血縁関係だったりするのかな?」
「かもね!
なんか雰囲気もそっくりだし」
そんな会話が耳に入った瞬間アタシは、血の気が引いた。
そしてその場で硬直したまま色々な事が頭を掻き乱す。
(どうしよう…
このままじゃアタシがお兄ちゃんの子供だってバレちゃうかも…)
視界がぐらついて心音が速くなるのが分かる。
どうにかして音を抑えたくて胸元を抑えるけど意味がない。
それどころか、バレた時に何が起こるかをずっと考えてしまう。
それと同時に嫌な思い出が頭をよぎる。
(もしバレて、またあんな事になっちゃったら…)
そんな事を考えた瞬間、気付いたらアタシは走り出していた。
学校をサボったのは、今日が初めてだった。
そのせいか何をしたら良いのか分からず途方に暮れ、 フラフラと町を歩いていると、いつのまにかゲームセンターの前に立っていた。
(ちょっとだけ中、覗いてみようかな…)
そう思ってゲームセンターの中に入る。
自動ドアが開いた瞬間、無秩序に音が鳴り響く。
けれど今は、この騒音が救いになる気がした。
なぜならここでは誰が何を言っても聞こえてくる事がない。
不安な気持ちを少しだけ安らいでくれる、そんなふうに思えた。
アタシは、迷う事なくゲームセンターの休憩スペースに向かった。
休憩スペースにあった自動販売機でジュースを買い、椅子に座り ただボーッとする事しか出来なかった。
(こんな事してるのバレたらお兄ちゃんに怒られちゃうな…)
そんな事を思いながらジュースの蓋を開けて飲もうとしたけれど何故かジュースが喉を通らなかった。
冬弥said
昼休みになり、スマホを取り出すと司先輩から通知が何件も来ていた。
急いで返信しようとメッセージを開く と目の前にあった文に手が止まる。
『咲希がどこに行ったか知らないか?』
(一体これは…)
どういう意味なのかと思考を巡らせていると今度は、電話が掛かってきた。
電話の相手を確認すると司先輩となっていた。
俺は、教室を出て急いで電話可能スペースへと向かった。
電話に出てみると司先輩の安堵したような声が聞こえてきた。
『急に電話をかけてすまない』
「大丈夫、何かあった?」
そう聞き返すと司先輩は、不安そうな声で言った。
『先程、学校から連絡が来てな。
咲希が学校を休んでいるようなんだ。』
俺は、理解が追いつかなかった。
朝はいつも通り咲希さんと学校に行き、廊下で別れたはず。
一体どのタイミングで咲希さんが居なくなったのか、居なくなった原因は何なのか。
疑問な部分を考えていると司先輩の悲しそうな声が聞こえてきた。
『咲希は、学校がイヤだったのだろうか?
それなのにオレが無理矢理学校に行かせていたのだろうか…』
悲しそうな声が心を抉る抉ようだった。
司先輩を悲しませたくないと思った俺は、意を決して言った。
「俺が咲希を見つけて帰るから安心して!」
そう言って俺は、司先輩の返事も聞かないまま電話を切った。
俺の声が思いの外大きかったの周りの視線が刺さるような感覚があった。
しかし俺にとっては、そんな事よりも司先輩と咲希さんの方がずっと大事だった。
その視線を無視して俺は、教室へと走り出した。
教室に着くなり俺は、急いで荷物をまとめる。
再び隣の席となった赤松赤松が不思議そうにこちらを見る。
「青柳、早退すんの?」
心配の意で言葉をかけてくれたのだろう。
しかし俺には事情を話すほどの余裕が無かった。
「野暮用が出来た」
俺は赤松の顔を見る事なく、それだけを言って教室から小走りで出た。
その足のまま玄関まで向かい、靴を履き替える。
そしてバッグを背負い学校の外へと出た。
最初に咲希さんが“良く行く”と言っていた公園に行ってみたが人影すら見当たらなかった。
念の為、咲希さんに何度も電話を掛けてみるが出る気配が全くしない。
(司先輩も居場所を知らないという事は、やはり電源を切ったままなのか…)
つまり電話やメッセージを送っても意味が無いため手当たり次第探すしか無いということだ。
それでも司先輩と約束をしたのだから見つける他なかった。
(もし俺が何か嫌な事があり学校を飛び出したら、どこに行くだろうか…)
悩みに悩み咲希さんの立場を自分に置き換えて考えてみる事にした。
そして俺は一つ思い当たる場所を見つけた。
(しかし咲希さんは、ここへ行くのだろうか?
いや、考えるより行動する方が先だな)
そう思い俺はゲームセンターへと向かって走り出した。