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テラーノベル(Teller Novel)
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第3話

♥

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2023年02月25日

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意識が朦朧とする。

赤信号を渡る。

相手の手がだんだんとひんやりとしていくのが分かる。

周りの風景がいつの間にか雪景色に変わっていく。

吸い込む空気がキンッとしていて、肌も服ごと凍ってしまうのでは無いかと言うくらいに寒い。

そんな中、長靴でも足袋でも中運動靴の中には雪が当たり前のように入り込んでくる。`

だがそんなことを思っている間にもこの手を引いている男の足は止まる気配が無い。

今にも倒れてしまいそうな足取りのまま何とか歩み続ける。

途中でどこか視線や息が聞こえたり目に入ったりする。

「大丈夫かい?」

恐怖と寒さで歩みが遅くなってしまったせいか直ぐに異変に気づかれてしまう。

ダメだと言うことを示そうとするも中々首が回らず俯いたまま返答ができ無い。

だが男は、唇が赤いうんぬんカンヌンと言って半強制的に僕を担いで大事なものを隠すように脇腹らへんに僕をしまい込む。その温もりは冷え切った僕の体にひどく滲む。

このまま眠りについてしまおうかと考えている時にはもう意識を保つことが出来ず、眠りについてしまった。


目が覚めらば見知らぬ天井があった。

左下から炎が左下の視界に入って来る、もう一度眠たくなってきたからまた寝ようかなと目を瞑ろうとするも目を覚ました僕の脳が危険信号を遅れて出た途端頭が恐慌に染まった。

一旦落ち着こうと思い大きく深呼吸をするも鼓動がファンクビート並みに大きく、速く、素早くなる。

ダラダラと冷や汗なのか何なのか分からない、そこで不安がある中友から聞いたあの噂を思い出して尚更汗と焦りが湧き出る。

「おや、起きていたのかい?起きたなら起きたと言ってくれれば良いのにねぇ。」

聞きたくない声。

それが耳に入って来るたびに「なぜ着いてきたのか」と悔いいる事ばかりしてしまう。それでも何とかその思考を抑えて「着いてきてしまったものはしょうがない」と自分に言い聞かせ無理矢理頭を冷静にさせる。

早くここから出ていこうと目を逸らしながら勢いよく立ち上がれば低血圧特有の立ちくらみを起こす。ぐあんぐあんと一瞬の頭痛と共に出入り口に向かって走り出しあと引き戸まで少しと言うところで肩を掴まれ捕まってしまった。正直このまま牢に入れられて二度と外に出れずにこの世を去るのだと覚悟をした。

だがそんな身構えは無駄だった。

先ほどとは違い獣の耳が、尻尾が生えたその男は「ダメじゃないか!!外がどれほど危険なのか分からないのか?!」と軽い怒鳴り声と共にぷくぅと可愛らしく頬を膨らましてしまう。まるで乙女のような腹立ち方だ。

2m歩かないかほどのデカさから繰り出されるそれは全身の鳥肌が立ってしまった。

それを狐が見れば非常に不満そうな顔をする。

「無礼な奴だな。まぁ良いさ。着いてきてくれた賢い君にはこれから手伝いが山のようにあるんだから。」

ニヤリと自慢げな笑みを浮かべ、催眠術に使いそうな5円玉に紐をつけたそれを触りながらいう彼を見れば僕は少しだけ不信感と不快感を覚えた。

「どういう事ですか。」と僕が聞くと男が「よくぞ聞いてくれた!!」と食い入り気味に言ってきた。

「この5円玉。お前さんも何かで見たことがあるだろう?それでお前さんの頭に膨大な情報やら何やらが入って来るんだ。君はそれに屈せずここの世界に入るまで懸命に俺に着いてきてくれた。これまでに何度か君くらいの同級生で試してみたんだが、鼻から断られたり途中で投げ出されたりなんだりで色々難しかったんだよッ!」

何が難しいかったんだろう。

きっと誘拐する事か?と疑問やら考え事をするとさらに理解ができずに「僕はこれから、どうなってしまうんですか?」と聞く。

狐は愉快そうに尻尾を揺らして最初に出会った頃と同様に優しく爽やかな笑みを浮かべ

「君は僕の助手になるんだよ。」

僕はその一言に目を点にした後、驚きで怒号に近いし大声をあげてしまった

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