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※※※血、グロ注意。無理な方はUターン推奨







初めは全然乗り気じゃなかった。

女ならまだしも、男?


まぁ高い金積まれたわけだし何してもいいって言ってたから協力したけど。

いざ、目の前で嫌だやめろと抵抗しているそいつを見てると妙な高揚感に駆られていた。


何も知らない、教えられてもないそいつはあまり見ない緑の目に涙をいっぱい浮かべて最後の最後まで抵抗していた。

途中から諦めてしまったのか、反応が鈍くなったから交代で愉しませてもらったけれど。


主にそいつに用があったのは色々揉み消してもらってるツレとそいつにご執心なツレだった。


鬱憤ばらしと言ってたが、こんなことで鬱憤ばらしになるかはオレには分からない。

まぁ、金も貰えて愉しめたし役得だ。


「動画とか撮って脅してやればよかったな。あのトラゾーとか言う奴」


もしかしたら、また愉しむことができたかもしれないのに。


「惜しいことしたぜ」


「あんた、独り言でかいな」


ばっと振り向くと紫髪の女みたいな男が立っていた。

ツレの写真で見た奴だ。


「は?お前なに?」


知らないフリをしてシラを切ろうとした。


「あ?あんた、僕のこと知らないわけないでしょ」


「知らねーよ。見たこともない」


「…あくまでシラを切ると…別にいいですけど。あんま油断しない方がいいですよ」


目の前からそいつが消えたかと思った時にはオレは地面に倒れ込んでいた。


「………は、?」


「僕、薬作るの得意なんですよねぇ。とある人から作り方教えてもらってそこから楽しくなっちゃって」


ぐらつく視界。

痺れていく指先。


「ほら、僕見た目だけはか弱そうに見えるでしょ。いや、実際あの人らの中じゃ弱いかもしれないですけど。”あの人ら”が基準なんで、あんたみたいな一般人実は薬なんか使わなくても一発でのせるんですけどね」


寒気と体の芯が燃えるように熱くなる。

風邪を引いたときのような感覚。


「でも、よく効くでしょ」


「ぁ…?」


「何打たれたと思います?」


「どく…?」


思ったことを言うと一瞬きょとんとした後に大笑いし始めた。

可愛い顔に似つかわしくないような大笑いを。


「あんた、安直な頭ですねぇ!遠からず近からずというか…いや、まぁ、毒みたいなもんか。その空っぽな脳に説明したところで分からないでしょうし」


段々と瞼が下りていく。


「いったん、おやすみなさい」


そこで視界はブラックアウトした。


そして、次に目を覚ましたときオレは下着一枚になって宙吊りになっていた。


「あ、…ぇ…?」


「あ、やっと起きた。僕のこと待たせるとか何様だよ」


吊られた腕が千切れそうになるくらい痛い。


「いつになったら起きるかと思って色々打っちゃったから、どんな風になるか楽しみなんだよねー。試したい薬たくさんあったから」


ふふっと笑う顔は心から楽しそうに見える。


「ね?あんたらも嫌がるあの人のこと踏み躙って、傷付けて……愉しんだ。なら、僕らにもその権利は当然あるよね」


突然真顔になり、どこから出してるのだと言わんばかりのとても低い声で言われた。


「痛みを増長させるのも打ったから少しの刺激でもあんたにとっては激痛になりますよ」


黒い手袋を着けた手にはアイスピックが握られている。


「ほら」


それを躊躇いもなく、オレの太ももに突き立てた。

が、突き刺さってるというのに痛みがない。


「…?、は、ははっ!痛くねーじゃんか。薬失敗だな!残ね、んで、し…っ゛〜〜〜!!?」


「ちょっとあんた僕の話聞いてた?色々打ったって言いましたよね。…でも、成功したな。痛みを遅らせるやつも」


「ぃぎゃぁあ゛あ!!」


抉られたような、感じたことのない痛みが全身を駆け巡っていく。

暴れるが吊られた腕が余計に絞まっていくだけだった。


「あ゛、ぅ゛ぐっ、ぎっ、」


涙や鼻水、涎が溢れ出す。

それが床へと落ちていく。


「きったねぇな」


不快そうな顔をして今度は反対側の太ももに別のアイスピックを突き立てた。


ぶつりと刺さる感覚。

遅れてくる激痛。


「────────!!!」


遂には恐ろしさで漏らした。


「うわ、ないわー。いい年した男が漏らすとかあり得ないんですけど」


みっともなく喚き散らし泣くオレを冷めた顔で見上げるそいつ。


「泣いたところで助けなんて来ないですし。あんたの金ヅルはもういないですよ」


「ぇ゛あ゛?」


「僕ら、自分たちが大切にしてきた人を傷付けられてめちゃくちゃ怒ってんですよ。大好きなあの人を、いえ愛してると言っても過言ではないくらいの人を泣かされて」


あの男のことを言ってるのだろうか。

もう何も考えたくない。

気絶して思考を手放したいのにそれが叶わない。


「どうして気絶できないんだ、って思ってます?」


思考を読まれてどきりと心臓が跳ねた。


「あんたの血中にありえんくらいのカフェイン剤を投与してるんで、多分簡単には眠れないはずですよ」


奴の手に握られるのは、メスのようなもの。


「簡単に終われると思ったら大間違いですよ。クズ野郎」


にっこりと笑って刃先をオレに向ける。


「こういう奴のハラワタって何色なんだろうなぁとか思って掻っ捌くんですけど、同じなんですよね。善人も悪人も、血の色が同じように」


すーっと鳩尾から下腹部までメスでなぞられる。

実際には切られたけど、痛みが遅れてくるオレはこの時はなぞられたとしか認識できなかった。


「人間の皮膚って結構分厚いんですよ。表皮、真皮、皮下組織ってあって」


下着を別の物が濡らしていく。

粘度が若干あるそれ。


声はもう出ない。


「同じだとしてもあんたらのは真っ黒で腐った匂いしかしねぇんですよ」


投げ捨てられるメス。


「さ、じゃあ今度は内側に打ってみましょっか?よーく効くと思いますよ」


今更になって後悔し始める。


「わ、るかっだ!、なん゛でも、するから、ゆるじで、ください゛!」


「…何でもする?」


こくこくと何度も頷く。


「じゃあ、黙ってろ」


臓器は分からない。

その中の何かにナニカを打たれる。


「生き物の寿命って心拍で決まってるらしいですよ。よく心臓が早鐘を打つ、て表現ありますけど、実際どこまで早くしたら心臓は止まるんでしょうねぇ?」


歯がカチカチと震えて音を立てている。


「ごぇんな、さい、わる゛かっだっ」


「謝るのは僕にじゃないですよね。まぁ、あの人に会わせる気は微塵もないですし。てか、関わらせるつもりも毛頭ないですから」


奴の言った心臓が早鐘を打つ、と言われた通り内側で脈打つ速度が速くなってるのを感じていた。

それは恐怖による精神的なもののせいでもあって。


「どのくらい持つかな」


そう言ってオレから離れて部屋の隅にある椅子に腰掛けた。


「できるだけ長く持ってくれたらいいんだけど」


狂いそうになる状況で、あの男にさえ関わらなければオレの人生は狂うことがなかったのに。

今はただ、早鐘を打ち始めた心臓が錆びて止まることを釣鐘のように吊るされたオレは待つことしかできなかった。







────────────────







「クロノアさん、ふたりめ終わりましたよ」


『しにがみくんもお疲れ様』


「あれ、その口振りぺいんとさんの方が早く終わった感じですか?」


『さっき連絡あったよ』


「うわぁ…あの人の方が人数多いのに、やっぱすごいな…」


『まぁ、ぺいんとはね』


「いや、でも僕たちクロノアさんには敵いませんよ」


『えー?そんなことないよ。しにがみくんもぺいんともそれぞれのやり方があるし。何より薬とか作れちゃうんだもん。すごいよ』


「褒められるのって照れますね…。トラゾーさんは大丈夫そうですか?」


『うん。楽しそうだよ、ともさんに美味いご飯を食え!って怒られたみたい』


「ともさんの作るご飯美味しいですからね」


『なんとなくトラゾーに何があったか分かってるみたいだけど、ともさん何も言わないし聞かないよって』


「かっこいいなぁ」


『俺は美味い飯をトラゾーに食わせる!って意気込んでた。ぺいんとも落ち着いたら一旦トラゾーのとこ行くらしいからしにがみくんも落ち着いたら行ってあげて』


「はい。後処理はいつもの掃除屋に頼んだらいいですね」


『うん。よろしく』


「はい」


『最後の奴はトラゾーに癒されてから、捕まえよう。ああいう奴らの情報網も早いからね』


「そうですね」


『じゃあ、俺も行ってくるよ』


「はい」

大切で大好きなあの子が傷付けられました

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コメント

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うわぁー、snさん見た目可愛いからやってる事がもっとえげつなく感じる…(内心はもっとやっちゃまえぇぇ!!!!って感じなんですけど笑) trさん脅そうなんて考えたら…うん、怖いですね恐怖しかないです 話変わりますけど“とある方”って… これがポン酢さんの言ってた「おや?」なら期待していいんでしょうかね!?!?✨️

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