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ゆる作ウィーク/2日目
僕は今日、必ず幸せになる。なぜなら、今日のラッキーナンバーもラッキーアイテムも全て当てはまっているからだ。大嫌いな先輩も欠席で、本当に良い一日だ。だが、こんな僕にも不幸がやってきた。
「おい!森!今から、職員室に俺と行くぞ」
あぁ、大ピンチ。この前のテストのことだろうか…。いや、そうとは限らない。実は、今回は”赤”点回避したのだ。富永先生が待っている。急いで行かなくては─────
「富永先生はいらっしゃいますか?森くんを連れて来ました。」
「あー、森か⋯相談室に連れて行ってあげて」
「あ、分かりました」
という会話の後にふと、不思議に思った。なぜ、相談室なのだろうか。
僕と友人は共に相談室で待っていた。なぜか、目の前にあるCDからはJPOPの曲がかかっていた。二人でドキドキしながら待っていると、急いだように扉をガラガラと音を立て、息を切らした富永先生が
「森⋯何があったのか説明してくれ」
と、いきなり意味が分からないことを言い出した。いや、脈絡が無さすぎる。
「えっと、と言われましても僕は何のことか分かっていません。説明をお願いします。」
いきなりの話に戸惑い、まずは富永先生の話を聞くことにした。
「あぁ、分かった。森の所属している部活の先輩と揉めたという話があってな。川に突き落とされたとか、財布をスられたとか、パワハラを受けていたとか。包み隠さなくていいんだよ。森は部活は部活にいなくてはならない大事な仲間だ。それは小池も思っていると思うぞ」
隣にいる友人のことだ。友人はこくりと頷いた。
僕は端的に言った。
「僕は先輩たちのことが大嫌いです。正直、会いたくないです。でも僕はまだやり返せていないんです。早く先輩たちの苦しむ顔、辛そうな顔が見たくてたまらないんです。だから、大丈夫です」
その後、相談室の空気はパキンと凍ってしまった。何か変なこと言ったのかと聞くと
「森って、自分が傷ついてもいいのか?」
と、ドン引きされた。
「なるほど⋯それを止める必要があるな。森、あとのことは先生が⋯」
先生の言葉を遮り、
「いえ!僕が、アイツらをボコボコにします!力は使わずに、言葉で必ず!」
と、言い返した。やっと諦めてくれたのか。頭を冷やせと言わんばかりにコーヒーを投げてきた。飲め、と言った富永先生は扉を開けて出て行ってしまった。
小池も僕の話を聞いて固まっていた。
「小池、部活行くぞ」
そう言うと小池は目を丸くして急いで立ち上がった。
「あ、あぁ!行くよぉ⋯」
小池はその後、その話題について何も話さなかった。