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#番外編
コンソメパン
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#ご本人様には関係ありません
コンソメパン
13,089
#ゆり組
むん。
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タイ旅行から戻って、ちょうど1週間が経った頃。
佐久間の家に、向井康二、宮舘涼太、ラウール、阿部亮平が集まっていた。
リビングはまるで楽屋のような賑やかさに包まれている。
「佐久間、タイ旅行はどうだったの?」
阿部がソファに腰掛けながら、興味津々に尋ねた。
「めっちゃ楽しかったよ! タイには仕事で何回も行ってたけど、プライベートは初めての体験ばっかりだった!」
佐久間は身振り手振りを交えながら、子供のように目を輝かせて答える。
「せやろー! もっともっとタイの魅力を知ってもらいたいわぁ」
向井が我が事のように胸を張ると、佐久間は少し照れくさそうに微笑んだ。
「康二もありがとな。いろいろ教えてくれて」
春菜もキッチンから飲み物を運びつつ、みんなに向かって深く頭を下げた。
「みなさんも、大介のお仕事の調整をしてくださったと聞きました。本当にありがとうございます」
「2人が楽しんでくれたなら何よりだよ」
宮舘がグラスを受け取り、優しく微笑む。
「次は俺も連れてってな♡」
「寝言は寝て言え、康二」
すかさず向井が甘えるような声を出すと、佐久間はすぱっと切り捨てた。
「ひどい!!」
「あははは!」
息の合った2人のやり取りに、リビングは笑い声で満たされる。
「でもみんな、本当にありがとう。仕事に穴あけてごめんな」
佐久間が改めて真剣な表情で頭を下げた。
春菜もその隣で、もう一度深くお辞儀をする。
「いいんだよ、そんなこと。みんな喜んで協力したんだから」
阿部が優しく手を振る。
すると、その隣でいたずらっぽく笑ったラウールが、長い足を組み替えながら口を開いた。
「代わりに今度、2人にお願い聞いてもらうもんねー♡」
「げっ!」と佐久間が露骨に顔をしかめる。
「それえぇなぁ!」と同調する向井。
春菜はそのやり取りが可笑しくて、クスクスと笑いながら答えた。
「もちろん、私にできることならなんでも言って!」
「おい、春菜……こいつらにあんまりそんな事言わない方が……」
佐久間が焦って引き留めようとするが、時すでに遅し。
ラウールが目を輝かせて身を乗り出してきた。
「じゃあ春菜さん! 今度またショッピング行こうよ! 春菜さんに似合いそうな服を置いてるお店、新しく見つけたんだ!」
「ええー! ラウばっかずるい! 俺も行く!」
向井がすかさず挙手する。
「おぉい! 俺の彼女ナンパするなって!!」
佐久間の抗議を綺麗にスルーして、ラウールが向井に顔を向ける。
「えー、康二くんも来るなら車出してよー?」
「全然ええよ! まかせぇ!!」
「なぁ聞いて!!?? 」
ジタバタする佐久間の姿に、春菜は思わず「あはは!」と声を上げて笑ってしまった。
「向井くんも来てくれるなら、賑やかになりそうだね」
春菜の言葉に、向井の顔がぱぁっとキラキラの笑顔に変わる。
「やった! 春菜ちゃんうぇーーーーい!!」
両手を広げて春菜にハグをしようと飛び出してきた向井。
その瞬間――。
「天誅!!!!!」
「ぐはぁっ!!」
佐久間の鋭い突きがみぞおちに決まり、向井はその場に崩れ落ちて床に倒れ込んだ。
「あっはっは! 佐久間くんナイスブロック!」と大笑いするラウール。
阿部と宮舘は「またやってるよ……」と言わんばかりの呆れ顔だ。
春菜も2人のやり取りに笑いながら、ふと、ちょっとした悪戯心が芽生えた。
床にうずくまっている向井の前にしゃがみ込む。
「向井くん、向井くん」
「ん、うん……?」
みぞおちを押さえ、涙目になった向井がこちらを見上げる。
春菜はニコッと最高の笑顔を浮かべ、滑らかな発音で言葉を紡いだ。
「ฉันตั้งตารอวันที่เราจะได้ไปช้อปปิ้งด้วยกัน(向井くんと買い物に行くの楽しみにしてるね)」
「ええ!!??」
向井がガバッと跳ね起き、驚愕の表情で春菜を見つめた。
それは周りのメンバーも同じで、佐久間以外の全員がぽかんと口を開けてフリーズしている。
「タイ語やん!! え、春菜ちゃんタイ語喋れるん?!」
「……驚いたな」と宮舘が呟き、阿部も「めちゃくちゃ流暢な発音だよね……」と顔を見合わせている。
向井は嬉しそうに顔を上気させ、楽しげにタイ語で返してきた。
「ฉันแปลกใจที่คุณพูดภาษาไทยได้! (タイ語話せるなんてびっくりやわ!)」
春菜は人差し指を口元に当てて、悪戯っぽく微笑む。
「เราสามารถคุยกันแบบส่วนตัวได้แค่สองคน(2人だけの秘密の話もできちゃうよ)」
「คุณ… คุณเป็นอัจฉริยะเหรอ…? (おぬし……天才か……?)」
感動のあまり拝むように手を合わせる向井。
そこへ、痺れを切らした佐久間が叫びながら割り込んできた。
「2人だけで話進めるなーーー!!!」
その絶叫に、リビングは再び大爆笑に包まれた。
「春菜さん、他に話せる言語はあるの? 英語は話せる?」
ようやく落ち着きを取り戻した阿部が、興味津々という目で尋ねてきた。
「うん、日常会話程度で良ければ」
春菜が答えると、佐久間が自慢げにフフンと鼻を鳴らした。
「5ヶ国語話せるんだって。えっと……なんてったっけ……? ペンギンガン……?」
「ペンタリンガルね」
春菜は苦笑する。
「5ヶ国語!? どこの言語!?」
阿部が驚きで目を丸くする。
「日本語、英語、タイ語、中国語、ドイツ語だよ。どれも日常会話程度だけどね」
「凄い……! え、じゃあ俺も春菜さんにお願い聞いてもらっていい?!」
阿部が勢いよく身を乗り出してきた。
「阿部ちゃんまで!?」と佐久間の声が裏返る。
「うん、いいよ、なんでも言って」
春菜が快諾すると、阿部真剣な目で語りかけてきた。
「俺に英語教えて!!」
「英語?」
「うん! 仕事で使えるようになりたくて今勉強中なんだけど、独学ではなかなか難しくて……。春菜さんが英会話の相手をしてくれるととても嬉しいんだけど……」
「いいよ。私も英語勉強し直したいって思ってたし、一緒にやろ。どこかカフェで……は目立っちゃうかな……」
「あ、じゃあうちに来てよ!」と阿部が興奮気味に提案した。
「勉強のために読もうと思ってた洋書の物語が何冊かあるんだけど、難しくて中々進まなくてさ……それも教えて欲しいんだ」
「え! もしかして阿部くんちって本たくさんある?」
「うん、本は沢山あるよ。知り合った作家さんからいただくものもあるし……」
「読みたい! 英語勉強しながら、読ませてもらってもいい?」
「もちろん! 今度の休みにうちにおいでよ」
「行く! ありがとう!」
佐久間が頭を抱えて叫ぶ。
「ちょっとー!!? 俺のいないところでデートの約束すんな!!」
「じゃあ俺もお願い、いいかな?」
次に手を挙げたのは、静かに様子を見ていた宮舘だった。
「舘ぇ!!?」と大介が突っ込むが、春菜は笑顔で「うん、どうぞ」と促した。
「料理教えて」
「料理?」
意外なお願いに、春菜は首を傾げた。
宮舘といえばグループきっての料理上手だはずだが。
「前ここに来たとき、おつまみいくつも作ってくれてたでしょ? あれ、本当に美味かった」
「えっ、ありがとう! 料理上手な宮舘くんに気に入って貰えて嬉しい!」
「え、どれのこと?」
ラウールが不思議そうに会話に入ってくる。
「ほら、ヨーグルトのやつとか、鯛の海苔巻きとか……」
「え!! あれ買ってきたやつじゃないの!?」
ラウールの驚きように、宮舘がフッと笑う。
「俺もそう思って、この前佐久間に『どこで買ったの?』って聞いたんだよ。そしたら、スナック菓子以外は全部春菜さんの手作りだって」
「まじで?」と阿部が驚き、向井は「もう店やん」と感心しきりだ。
「ぜひ、作り方を教えて欲しい」
宮舘の真摯な目に、春菜は嬉しくなって頷いた。
「いいよ! 普段お酒は何を飲むの?」
「ワインが多いけど、メンバーと飲むときはビールや日本酒もよく飲むかな」
「じゃあワインに合うおつまみと、ビールにも合うおもてなし用のおつまみや料理をピックアップしとくね」
「ありがとう!」
「その時は俺呼んでな!! 味見係するから!!」
向井がちゃっかり乗っかってくる。
「ねぇぇぇえええ!!! 俺を無視しないで!!!」
佐久間の叫び声が悲しく響き渡る。
「よっしゃ、じゃあ最後は俺のお願いな!」
向井が不敵な笑みを浮かべた。
「お前は買い物と味見係すんだろ!!」と佐久間が突っ込むが、向井は首を横に振る。
「ええー、それは2人のお願いについてくだけやん! 俺のお願いはまた別やし」
「なんでだよ?!」
「ええやん、俺今回めっちゃええ動きしたやろ? あのホテルセッティングしたん誰やったか忘れたん?」
「ふぐぅ……っ!!!」
痛いところを突かれ、佐久間が悶絶して床をゴロンゴロンと転がり回る。
春菜はその様子に笑いながら、向井に微笑みかけた。
「ふふっ、向井くんは私に何してほしいの?」
「モデルして!!!」
「えっ?!」
予想外の単語に、春菜は思わず声を上げた。
「モ……モデル? どういうこと?」
「俺、カメラが趣味やねん! よくメンバー撮ったり、スタジオ借りて後輩撮ったりしてるんやけど、春菜ちゃん撮らしてや!」
「えっ、でも私、一般人だよ?! モデルなんてやったことないし、向井くんの周りにはもっともっと綺麗な女性が沢山いるでしょ?」
「大丈夫やって! 春菜ちゃんめっちゃ可愛いし! しかもこの前ラウたちと服買ってたやつ? イメージガラッと変わってびっくりしたわ! 春菜ちゃんのいろんな姿撮ってみたいねん!」
「え! あれ見たの!?」
驚く春菜に、阿部がニヤニヤしながら教えてくれた。
「あぁ、この前楽屋で佐久間が自慢してたもんね」
「そうそう! 『俺の彼女可愛い』って、スマホめちゃくちゃ見せまくってたよねー」とラウールも暴露する。
宮舘も深く頷いた。
「ラウたちのセンスも凄いけど、春菜さんのポテンシャルが素晴らしいからね」
「がぁぁぁああ! 見せなかったら良かった!!!」
佐久間が顔を真っ赤にして床に突っ伏す。
向井は上目遣いで、まるで捨てられた子犬のようなウルウルした瞳で春菜を見つめてきた。
「あかん……?」
その顔は反則的にずるい。
「わ……わかった……。でも、モデルなんて上手くできるか……」
「大丈夫だいじょーぶ! 俺、凄腕カメラマンやから!」
向井がガッツポーズを決める。
すると、周りのメンバーたちも一斉に目を輝かせ始めた。
「え! じゃあ俺スタイリストやりたい!」とラウール。
「あ、じゃあ俺、メイクする」と阿部。
「ヘアアレンジは任せて」と宮舘。
「全員じゃねーか!!!!」
佐久間の大声のツッコミが炸裂した。
みんなが楽しそうに笑う中、向井がニヤリと笑って、再び春菜にタイ語で話しかけてきた。
「มาทำให้เขามีความสุขด้วยรูปถ่ายของคุณกันเถอะ♡(春菜ちゃんの写真でさっくんを喜ばせようね♡)」
春菜は佐久間の真っ赤な顔を見ながら、苦笑交じりにタイ語で返した。
「…พวกคุณนี่ชอบแกล้งเขาจริงๆ เลยนะ…(…みんなって、大介をからかうの本当に好きだよね…)」
「そこ!!! 俺のわからない会話で盛り上がんなーーーー!!!!」
会話に入り込めない佐久間が、リビングの真ん中で地団駄を踏んだ。
みんなの笑い声が響く中、佐久間はぷくーっと頬を膨らませて春菜の腰に後ろから抱きついた。
その独占欲全開の温もりが愛おしくて、春菜は彼の頭を優しく撫でる。
佐久間を愛してくれる最高のメンバーたちと、これからの日々がもっと楽しみになるような、愛に満ちた特別な休日だった。
コメント
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タイ語で2人だけの秘密の会話とかずるいw 康二くんが感動して拝んでるの可愛いし、仲間に入れない佐久間くんの悶絶っぷりも面白すぎました🤣 5ヶ国語も天才すぎる…! 写真撮影会の話、もう見たくて仕方ないです。みんなに愛されてる春菜さんが幸せそうで、読んでるこっちまでほっこりしました🤍