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うぎゃぁぁぁぁああああ尊い!!!(◜¬◝ )うあああああ!!好き!!ご馳走様でしたご馳走様でした( ́ཫ`)b今世に悔い無し…😇
〜ストーリー内容〜
・西ロマ
・国名表記
・実際の国には全くの無関係です
☆全年齢(Dキスあり)
では、いってらっしゃい
「ちぎぃ〜…」
「なんでいつも俺ばっかり振り回されるんだよこのやろー……」
〈ヴェ〜兄ちゃん、またスペイン兄ちゃんと喧嘩したの?〉
「喧嘩じゃねぇよバカ弟!!」
ふわふわとした顔で兄の話を聞くイタリアと、机に突っ伏してあーだこーだ愚痴るロマーノ。
こうやって泣いている時は、大抵がロマーノの恋人であるスペイン絡みのことなのだ。
そんな二人の恋人事情を知っているイタリアは、大方察しつつ、何時も通りのふわふわな顔で尋ねた。
〈喧嘩じゃないって事は、何かスペイン兄ちゃんに関する悩み事?〉
「そうだよ…スペインの奴…いっつも主導権握りやがって…」
〈主導権…?〉
ピンとこない様子のイタリアに、ロマーノは更に詰め寄る。
「俺が!!アイツより!!有利になれる時が無くて!!ムカつくんだよ!!」
〈そうなの?〉
はっきり伝わるように、一言一言に区切りをつけて言う。
ヴェネチアーノは、なるほど、というような顔をして、俺に聞き返した。
〈例えば、どんな時?〉
「例えば?そうだな_____」
失敗談1
「おいスペイン!」
『お〜ロマーノやん、どないしたん〜?』
「ちょっと屈め!」
『え、なになに!?』
「いいから屈めこのやろー!」
『えぇ…?』(屈む)
スペインに主導権を握られてばかりでムカつく俺は、とりあえず色々やってみる事にした。
最初の作戦は…
「……」
『で、急にどないしたん、ロマ___』
ちゅっ(ほっぺ)
『…!?』
「(こ、これでどうだ…?)」
「(恥ずかしいからほっぺにしちまったけど…)」
『ロマ〜そんなに俺とキスしたかったん〜? 』
『ほんまにロマーノは可愛ええなぁ〜♡』
ちゅっ♡(口)
「う、う…!!////////」
『?どないしたんロマ____』
「ふさげなんなこのやろー!!!!///////」
『えぇ!?ちょ、なんで怒ってんのー!?』
失敗談2
「(前の作戦の何がだめだったんだよちくしょー… )」
「(これがだめなら次は……)」
「スペイン!」
『ロマーノ!今日はどないしたん?』
ぎゅむ!(全力ハグ)
「好きだぞスペイン…」
『ん〜?俺は愛してんで〜♡』
「うぐぐ…!/////////」
失敗談3
『ロマ〜!』
「?んだよ、スペ___」
ドンッ(壁ドン)
「へぁ…!?/////////」
『1回やってみたかったんよな〜♪』
『親分、上手くできとる?』
「あ、う…////////」
いやいやいや、かっこ良すぎて言葉が詰まるんだが!?!?!?
『ロマーノ〜黙っとると気まづいやんかぁ〜…』
「うるせぇっ…///////」
『…今の顔可愛いからキスしてもええ?』
「はぁ!?/////////」
ちゅっ♡
「んっ////」
「(まだ許可してねぇのにっ…)」
ぐちゅっ♡♡じゅっ♡♡
「ッ”あ”!?♡♡♡あぇ”♡♡♡」
「ん”ッ〜〜♡♡♡♡」
急に舌入れてきやがったこいつっ…!!♡♡
「ふぅ”♡♡♡ぁ”♡♡♡」
「(スペインのばかやろぉっ…)」
と、心の中で悪態を着きつつ、されるがままのロマーノなのであった。
「___ってな感じなんだよ!!おかしいだろ!!!」
〈ヴェ……兄ちゃんが悩んでることはわかったけど、俺にはどうしようもないよぉ…〉
「そこを何とか思いつけや!」
〈え、ええ〜?〉
〈んーと…んーと…〉
必死に頭を回らせているイタリア。何分か経った後、何かを思いついたように顔を上げた。
〈そうだ!スペイン兄ちゃんに毎日好きって言っていったらいいんじゃない?〉
「?だから言っただろ。好きは言ってみたって… 」
〈違うよ〜それを毎日続けるの!〉
「ま、毎日…?」
〈そう!毎日言ってたら、スペイン兄ちゃんの心も仕留められるよ!〉
「………」
ご最もなような、そうでもないような。
…まあ、確かに毎日言えばさすがのスペインでも余裕が無くなるかもしれない。
「…やってみる」
〈うん!頑張ってね〜〉
物は試しだ。とにかくまずはやってみよう。
「スペイン!」
『ロマーノ!どないしたん?』
「好きだっ!」
『なんや、今日はえらい素直やなぁ〜俺は愛しとるで〜』
昨日、ヴェネチアーノと話した通り、スペインと会う度に俺は好きだと言うようにした。
1日1回にしようとしていたが、早くスペインの余裕を無くしたかった俺は、とにかく会う先々で言うようにした。
今ので記念すべき1回目。反応は期待したものでは無かったが…まあ1回目だしな。
「スペインーっ!!」
『うぉ、ロマーノ!遊びに来てくれたん!?』
「…まあ、そんなとこ」
「それよりスペイン!俺はスペインのこと愛してるからな!!」
『?俺もロマのこと愛してるで〜』
今はトータルで15回目くらい。今日言った回数は、さっきので1回目だ。スペインの仕事が休みの時は、あいつの家に乗り込んで言うこともあった。
……あんまり変化無くねぇか…?
いやいや、まだ1週間も経ってねぇしな…?
『とりあえず上がったってや。お腹空いたやろ?親分が何か作ったるわ』
「おう…。サンキュ」
決して、スペインの俺への感情を疑っている訳ではないが、こうも余裕そうなあいつを見ると、なんだか自分が負けたような気になる。
「(……悔しいぞこのやろー…)」
『ロマ〜!遊びにきたで〜』
「おい、連絡くらい寄越せ!」
『ごめんなぁ、会いたすぎて連絡するの忘れてもうたわ』
『イタちゃんはおる?』
「あいつはジャガイモんとこ行ってる」
『なら大丈夫やな!上がってもええか?』
「いいよ別に。今日は俺も暇だったし…」
『おおきに〜』
手馴れた様子で靴を脱ぎ、ズカズカと家の中へ入っていく。
スペインが俺ん家に来るのは今回が初めてではないから、特段気にすることもないのだが。
「おらよ」
『ん、ありがとなぁ』
両手に持ったコーヒーをテーブルに置くと、スペインが座っているソファの隣にピタリと座る。
一瞬驚いたかと思えば、ふわりと優しく微笑んで、俺の頭を撫で始めた。
『最近のロマーノ、えらい積極的やなぁ〜嬉しいわぁ』
「そうか…?」
鈍感すぎるスペインが俺の企みを知っている訳がないが、バレてもまずいので、とりあえずシラを切っておく。
『まあええわ。ロマに好きって言ってもらえてほんまに嬉しいわ』
「当たり前だろ。……愛してるんだし」
『ふふ、俺も愛しとるで!』
なんだかんだで1週間経ったが、やっぱりスペインは余裕そうだ。
本当に効果あんのかこれ…と疑いたくなるが、それでは今までの努力が台無しだ。
スペインの余裕がなくなるまでは絶対に続けてやる。
「(今日は、世界会議の日だったよな)」
「(会場に入るところを狙って…)」
会場の入口でソワソワとしている自分は大層目立っているだろうが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
「(会場がイタリアで助かった…。おかげで待ち伏せもできるし…)」
と、心の中でガッツポーズをする。
そうしていると、見慣れた顔が俺がいる所…会場へ向かってきた。
「……あ、」
無造作にはねている焦げ茶色の髪。エメラルドのような深い緑色の瞳。
スペインだ。
「(今は1人みてぇだし…これはチャンスだな…!)」
「スペイン!」
『ロマ〜!会いたかったで〜!』
「ち、ちぎー!離せちくしょー!」
『ええやんか〜早よ会いたかったんやもん』
ぎゅう、とかなり強い力で抱きしめられ、少し苦しくなるが、不思議と嫌ではない。
恋人だから、なのだろうか。
「スペイン!」
『?どないしたん?』
抱きしめる力を緩め、こちらを見つめる緑色の瞳。
大きく息を吸うと、ルーティーンと化した言葉を口にする。
「愛してる!!!」
『俺も愛しとるでロマ〜!♡♡』
むぎゅっとまた力強く抱きしめられると、愛おしそうに頭を撫でてくる。
『やっぱ最近素直やんな。何かあったん?』
「べ、別になんもねぇよ…」
『そうなん?』
さすがに企んでることを言う訳にはいかない。
答える言葉が見つからず、スペインの胸に顔を埋めていると、ばしっという音がした。
《よっ!アッツアツだねお前ら〜》
〔会場前でイチャつくのはいいけど、遅刻はすんなよ〜?〕
『お!フランスにプロイセンやん!なんや、もう来とったんか〜』
スペインの背後でニヤニヤと笑う2人は、スペインの悪友らしい、フランスとプロイセンだ。
やっべ…さっき叫んだ言葉聞かれてねぇよな…?
〔しっかしお兄様、あんなドデカい声での愛の告白は痺れたぜ〕
《見事に2階中に聞こえたよ!》
「はっ…??……はぁ!?!?!?/////////」
どうやら、バッチリ聞こえていたらしい。
しかもこの階全部ってことは…
《他の奴らもちょうど2階に上がってきた頃だし、今頃ざわめいてるんじゃない?》
「う、うううう嘘だろぉ…!?!?//////」
『なんや〜ロマ熱烈やなぁ〜』
「うううううるせぇよ!!!」
〔これからもその調子で頑張れ!〕
「ああああああああぁぁーーー!!!!」
恥ずかしさで頭を抱えて縮こまった。
うだうだしている内に、他の奴らが次々と会場に顔を出してくる。
〈ヴェ、皆、入口でそんなに溜まってどうしたの?〉
〔あれ、イタリアは聞こえてない?ロマーノの愛の告白〕
〈あ〜あれね!バッチリ聞こえたよ!一緒に来てたドイツにも!〉
「もうやめろおおおおおおお!!!!!////////」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
『ロマ〜機嫌直したってや〜』
「うるせぇバカスペイン!!」
『ロマーノぉぉ…』
その後行なわれた世界会議は、このまま逃げてしまいたい程恥ずかしかった。
元々、俺は会議に参加する予定ではなかったのだが、空気を読んでほしくない所で空気を読んだイタリアが俺を強制出席(?)させ、席をスペインの隣にさせ、左隣にいたスペインからは周りの目を気にもせず俺をとことん甘やかされ、右隣にいたプロイセンからは我が子を見守るような眼差しを向けられ、その他国々からも微笑みの眼差しを向けられ……
そして、会議後には「兄ちゃんはスペイン兄ちゃんに毎日好きって言ってるんだよ〜!」という爆弾発言をされた。
……正直引きこもりたい。
『親分嬉しかったで?ロマに毎日好きって言ってもらえるの』
『実を言うと、毎日ロマに好きって言ってもらえるの楽しみにしとったんや』
「いや、そういうことじゃなくてよぉ……」
『?なんや、俺がロマに好きって言われるの嬉しくないって不安になってたとちゃうん?』
「違ぇよ…」
馬鹿弟の爆弾発言で俺の本当の企みがバレた訳ではない。ただ毎日好きって言っていることがバレただけだ。…まあ、イチャイチャバカップルとかいうレッテルを他国から貼り付けられて複雑な気持ちだが。
「……いっつもお前ばっかり好きとか言われてムカつくから…たまには俺が主導権を握りたいって思ったんだよ…」
「ヴェネチアーノと相談して、考えた作戦がスペインに毎日好きって言うやつで…」
「なのに、お前ずっと余裕そうだし…」
『え?そんな風に見えとったん?』
「は?違うのかよ」
きょとんとした顔をされて、思わず眉を潜める。
のほほんとした態度で俺の言葉になびく様子もなかった気がするのだが、スペインにとっては違うのだろうか。
『いやいや、恋人に毎日好きって言われて耐えられる訳ないやん?』
『襲いたい衝動を必死に抑えとったんやで?』
「おそ…!?」
サラッとした顔でトンデモ発言をするスペイン。今こいつ、「襲いたい」って言ったよな?聞き間違いじゃねぇよな?
『にしても、ロマーノ、そんなこと考えとったんかぁ』
『この勝負は俺の負けやで。完璧にロマーノの勝ちや』
「…それなら別にいいけどよ…」
もう恥ずかしさとかどうでもよくなって、適当に返事をする。いいことはないが、まあ、とりあえずは目的達成…だと思う。
『…という訳でロマ、明日休みやろ?今日は親分といっぱいイチャイチャしようやぁ〜 』
「あぁ!?」
『最近、休み合わんかったやろ?今日は親分家に泊まったらどうや?』
「い、いや、えと…」
『ロマは俺とイチャイチャしたくないん?』
「ばっ…なわけあるか!!!」
『ふふ、ならええやろ?決定な〜』
「はぁ…」
これは朝までイチャイチャコースだな…と、心の中で自分の腰に手を合わせるロマーノであった。