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椿
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#創作
むノー
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怖い話(ホラー小説)
「絵描き」
私の家は代々絵描きの家なんです。洋画から浮世絵、濃絵、肖像画、風景画など時代や対象、方法まで幅広く扱ってます。
一族の中には国規模で有名な絵描きはもちろん、
ありがたいことに芸術家のコミュニティで私ら曲輪家の家名は有名です。
そこでね、今日お話ししたいのは、最近起きた気味の悪い事件なんです。
まあ、一種の怪談話のようなものでしょうか。
ああ、安心してください。
怪談話と言っても家の中で起きた小さな話ですし、
それでは、
これは先月の月初め頃にことが起きました。
絵描きを生業としている家なもんでね、屋敷の中には有名なものからそうではないものまで数え切れないほどの絵画が保存してあります。
特にね、2階の御当主様の書斎までの廊下
まあ大体50メートルほどでしょうか、
ここにはね、御当主様自らお気に召した絵画が30枚ほど飾られています。
ここに飾られた絵画の描き手は皆今は簡単に対面できないほど名を馳せたものたちですよ、
もう10年以上ここに並び飾られた絵画はそのままです。
私もここの絵画は大好きでね、見ているだけで心が洗われるような、晴れるような、
心地良いものなんですね、
ああ、もちろん私の絵はありませんよ
曲輪家と言っても全員が国宝級に上手いわけではありませんので、
ええ、私も絵は描きますよ。
と言っても嗜み程度ですけどね、
すみません少々脱線しましたね。
それでね、ある日当主様に御夕食の準備ができたと伝えに、廊下を歩いていたときです。
ふと、右に目をやったとき
月と太陽をモチーフにした絵と目があったのです。
さすが当主様がお気に召すだけあって、美しい絵だと思いましたよ。
少々見入ってしまってね、
あっ、しまった、当主様に御夕食の準備が整ったと伝える途中だったと思い出し
小走りで書斎の方に向かいました。
でも向かってる途中
あれ?って
ふと疑問に思ったんです。
あんな絵あったっけって
その晩は溜まった仕事をしなければならなかったのでね、気にする余裕もなく、夜遅くまで仕事をしてそのまま眠ってしまいました。
朝起きたら家の中は大騒ぎでした。
大勢が家の中を走り回る音と、大勢の話し声で目を覚ますほどでしたのでね。
どうしたのかと、
使用人に話を聞いたところ
「昨晩使用人の1人が足を踏み外し、屋上から落下し、頭を打ち亡くなった」
って
そう言うんです。
亡くなった使用人を仮に小西とでも呼びましょうか。
屋上にはね、大きな庭があって色とりどりの花が育てられています。
そこの維持は使用人の仕事で、小西は水やりの担当でした。
水やりの時に足を踏み外した、
不運な事故ということでまとめられました。
でも不思議ですよね、
どうして小西はわざわざ真夜中に水やりをしたのか。
コメント
1件
# 椿さん、読みました! ……うわ、これめっちゃ不気味ですね。**「あんな絵あったっけ?」** の違和感がじわじわ来る。代々絵描きの家っていう設定も好きですし、使用人・小西さんの死亡が「真夜中の水やり」っていう時点でもう絶対絵と関係あるでしょ…。続きめちゃくちゃ気になります!