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「あいつばっかり……こんなに、努力しても手に入らないのに。」
ずっとにくかった。
結婚もしていて、羨ましかった。
でも、あいつは努力してなかった。
なのに、なんであいつばっかり報われるのだろう。
実を結ぶことはない。
そういう実験でもさせられているのか。
「なんで、私は……」
報われないのに頑張り続けているのだろう。
「フフ……なにかのモルモットみたい。」
私が絶望していた時に、あの人は現れた。
『あなたがあなたなりに成功へと導いてあげるのです。まず、あなたの成功を自分なりに』
神だと思った。今まで信じていなかった存在を信じ始めた。
まず、子供を狙った。
小さい子から順に狙っていった。
みんな、私について来てくれる。
いい気味だ、いい眺めだ。
でも、あいつの子は可哀想だと本気で思った。
「お母さんは勉強を無理やりっ、させてくるんですッ。」
可哀想だと思った。
兄の方はそう、言った。
「お父さんはッ、死んじゃって……また、会いたいです…」
みんな、みんな…消えちゃえばいいんだ。
消す側になった人はラッキー。
私が選んだ人達は人生勝ち組。
いつしか、こう考えるようになっていってしまった。
「百合ー!」『百合!』「百合さん……」
「やめて!その名前で呼ばないで!」
昔の走馬灯が流れてくるように思い出す。
『百合、お前の考え方は間違っている』
「そん、な…神様、どうすれば…」
どうしてか、神様には百合と呼ばれても苦痛じゃなかった。
『百合、お前は幸せにする身。だから、導いてやらなければならない。』
そっか……そうだったんだ。私は間違っていた。
みんなを私のように幸せにしなきゃ。
だから、私は片っ端から声をかけて言った。
「みなさん、一緒に幸せになりましょう」
と。
年月が経ち、あいつのことも忘れていった。
もう、世界は幸せになったと思っていた。
「もしもし、あっ、そうなんですね!
私は担当の野口と言います。」
あの時、海と名乗った人があいつの子供だと思わなかった。
あいつに徹底的に復讐したい。
そう思い、器具を渡した。
なのにー、
自分が死ぬことになるなんて……
「やめてっ!熱い!熱いよぉ!」
「ああ、熱…い」
彼は私を持って、火の海に飛び込んだ。
やだ、まだ……やり遂げなきゃならないことがあった、のに。
「やだ、生きたいの。みんなを導かなきゃ…… 」
「まだ、言ってんのか。不幸へ導く悪魔が」
それは、とても冷たい声だった